三月大歌舞伎・昼夜【歌舞伎座】

「仁左衛門さんと玉三郎さんが【二人椀久】をする事があったら、絶対観に行く!」と長いコト待ち構えておりました! 「孝太郎さん@千鳥、今度あったら絶対観に行く!」これまた待ち構えておりました~!

昼の部

道元の月

立松和平さん書き下ろしの新作歌舞伎。 永平寺で修行を積む僧達の姿、そしてそれを見守る三津五郎さん@道元禅師の厳しく威厳のある凛とした姿に加え、山深く青々とした澄んだ空気、雪深く真っ白に洗われたような…清らかな空気感が感じられました。 とにかくセットが素晴らしかった! 橋之助さん@北条時頼は戦国の世にあって、心の平安を求めて苦しむ様を好演。 印象に残りました。

文屋

富十郎さんの舞踏は観ていて気持ちがイイ! 文屋康秀を取り囲む官女たちは、昨年12月にお三輪ちゃんを虐めていた役者陣再び!というメンバーで、そのコミカルさは健在!爆発! 大いに笑わせてもらいました。 個人的には錦弥さんの官女姿に衝撃を受けました~。

一本刀土俵入

時蔵さん@お蔦は初役との事でビックリ! 捨て鉢になって昼間から酒をあおりながらの“越中おわら節&三味線”にホロリ。 「横綱のたまごは泣きべそだねぇ…」のセリフがしんみり耳に残りました。 好きだったのは、利根の渡しの場での幸右衛門さん@老船頭芦燕さん@清大工の絶妙なコンビネーション! ほのぼのした会話のやり取りにニッコリ♪ 高麗蔵さん@若船頭の姿に衝撃! だって今まで綺麗なこしらえ姿しか拝見した事がなかったから…ね、私。

二人椀久

綺麗。 ただただ綺麗…。 玉三郎さん@松山太夫の出の立ち姿の美しい事といったら! 仁左衛門さん@椀屋久兵衛と二人が寄り添うたびに客席からは溜め息がもれ、満開の桜の艶やかな舞台に一転すると「うわぁ~っ♪」感嘆の声が上がりました! 久兵衛と一緒に夢を観ているような、それはそれは美しい舞台でした…。

夜の部

俊寛

幕が開いて、友右衛門さん@平判官康頼が千鳥を呼びに行こうとする前から、私、左後方(席=へ列中央)へ構えの体勢。 「待ってました!」の孝太郎さん@海女千鳥の“恥じらい引込み”。 「ぎゃ~っ! 可愛かぁ~♪」 それ以降、スイマセンけど…千鳥しか観てません! 純粋で、一生懸命で、情熱的な千鳥に「頑張れ!頑張れ!」って足をバタバタ、手はず~っとグーで観ていのたで、観劇後、グッタリでした。 もう…「千鳥は孝太郎さんでお願いします」
ラスト、去り行く船を見送る、幸四郎さん@俊寛僧都の静かな眼差しは、絶叫を繰り返すよりも…胸に突き刺さりました。

十六夜清心

“通し”では久々の上演との事。 「こんなに笑える面白いお話だったんだ…驚き!」というのが正直な感想です。 序幕での、川のセット(仕掛けの工夫)に感動! 勘太郎さん@恋塚求女が、仁左衛門さん@清心に殺され川に投げ込まれる場面では、舞台セリの中にドンと突き落とされて、浪後見?がササッと浪幕?を引いてセリの穴?を隠す…というのは初めて観たので、すっごく面白かった!
清心と玉三郎さん@十六夜(おさよ)の小悪党に落ちぶれる様は、その容姿やセリフ回しの変化が存分に楽しめました~! 大詰「また、こうして二人で仕事が出来るのも、ご見物衆のお陰だなぁ…」との、おさよの花道でのセリフに客席、大喝采!
あと気になったのは秀太郎さん@白連・女房お藤。 妾のおさよに嫉妬しながらも、涙もろくて情に熱くって、可愛い感じ♪ そして…いわゆる“おいしいところ”を大詰めでドカーンと持っていっちゃったのは…亀蔵さん@下男杢助(実は寺沢塔十郎)でした! 大爆笑! あ~、笑った、笑った~♪