六月大歌舞伎・昼の部【博多座】

昨年雨の為に中止になってしまった“船乗り込み”は、晴天の下5/29に行なわれ、沿道には約4万人の人がつめかけ大盛況!
仁左衛門さんが久し振りの登場でしかも4役、そして博多座初初お目見えの仮花道! そして今年が菅原道真公が“天神様”になられて1100年という事で太宰府天満宮も協賛という話題が豊富な今公演でしたが…。 残念ながら船乗り込みの盛況ぶりをそのまま客席へ…とはいかず、2階客席は出演陣に対して「もう、ホントごめんなさい…」と言いたくなるような状況で悲しくなりました。 やはり“日本一高い観劇料”という事、上演時間に関係なく均一料金の幕見…という事で連日でも通 いたい歌舞伎ファンはもちろん、「船乗り込みで見て面白そうだから今度の歌舞伎を観てみようかな?」と思った人まで敬遠される結果 となったと思います。松竹オンリーの劇場でナイから仕方がナイのは解るけど『地元歌舞伎ファンの育成』という役割も博多座は担っていると思うんだけど…と、お客ながらもいろいろと考えてしまった今公演でした~。

頼朝の死

信二郎さん@畠山六郎重保。 職務を見事に果たしたとはいえ 誤って頼朝を斬り、死に至らしめてしまった事。 そしてその事実を包み隠し続けなければならないという事に もがき苦しみ、その身の置きどころのなさに常に死に場所を 探し続けているという、その悲哀が観ていて胸が痛くなるほど 伝わってきます。 いや~その悩む表情のせつない美男子ぶり といったら〜♪ 富十郎さん@尼御台所政子から、小周防を斬るように目で 命じられた時の驚きと心の葛藤の様は、素晴らしかったです!!! 孝太郎さん@小周防。 序幕での“恋する乙女のいじらしさ”が 表情や動きのひとつひとつに見てとれて…♪  自分の愛する人が頼朝を斬り、その原因が自分だという事だと いう事が判ってからが…ちょっと…。 梅玉さん@頼家。 もう、何から言えばいいんだか!! 今さらその素晴らしい“非運なロンリー貴公子”ぶりを語る 必要もナイでしょうけど…泣きました~(T-T) 後半は目がウルんでしまったので舞台がボーッとしか見えず、 表情がハッキリと見る事が出来ずに残念! 観客はそれぞの立場にたって、胸が痛くなる素晴らしい舞台でした!
梅玉(源頼家)/信二郎(畠山重保)/孝太郎(小周防)/男寅(小笠原弥太郎)/亀寿(藤沢清親)/亀三郎(棒谷重朝)/坂東吉弥(中野五郎)/彦三郎(大江広元)/富十郎(尼御台所政子)

梶原平三誉石切

注目していた“石の手水鉢切り”の演出は、スパッと二つに切れた その間から仁左衛門さん@ 梶原平三景時が飛んで前に出てくる…と いったものでした♪ 仁左さま軽いステップ~(^o^)v  「剣も剣」「斬り手も斬り手」…「役者も役者」と私が何回か観た中では残念ながら 大向こうは続きませんでしたが(心の中で言ってみました♪) 「仁左さまカッコイーーーーーーッ!」な華やかさでした(*^-^*) 孝太郎さん@梢坂東吉弥さん@青貝師六郎太夫の親子のなんと 微笑ましいことよ~♪ 梢ちゃんは「刀の目利き宜しくネ♪」 って梶原に微笑みかけるトコと、手水鉢を斬った梶原の裃を そそと直してあげるトコがたまらなく可愛い~っ!♪o(≧▽≦)b♪  客席からも「うわぁ、かわいい~」って声が何ケ所も聞かれました! 親子二人で喜びいさんでいそいそと…の花道の引込みには ニッコリでした(^o^)v “二つ胴”での松之助さん@囚人剣菱呑助は、ポッチャリなのに ゲッソリやつれメイクで、まず見た目で爆笑!(殺されるのにネ) お酒の銘柄づくしの台詞は流れるような名調子でお見事~!
仁左衛門(梶原平三景時)/坂東吉弥(青貝師六郎太夫)/孝太郎(梢)/愛之助(奴菊平)/亀寿(川島八平近重)/亀三郎(山口十郎政信)/宗之助(岡崎将監頼国)/亀鶴(森村兵衛宗連)/左團次(大庭三郎景親)/男寅(俣野五郎景久)

京人形

時蔵さんが綺麗なのは知ってました。 ええ、知ってましたとも! でも「時蔵さん、キレーーーーーーーーーーーーーーーーイ!!」と 叫びながら大濠公園3周くらいまわってしまいそうなくらい、 時蔵さん、綺麗でした♪ 「こんなに綺麗な時蔵さん、観たことナイ!」ってくらい綺麗でした。 もうね、箱の蓋が開いた時、その美しさに息を飲んだっていうか 止まったというか~。 観ている側も瞬きの回数が減ってしまうし、 すごい集中力で見入ってしまうから、体に力、入っちゃうし…で、 終わった後の脱力感はスゴイものがありましたσ(^_^;)
富十郎さん@左甚五郎と大工達の立ち廻りは“天王寺屋”と書かれて 家紋も入った法被を着ての大工道具使ってのモノ♪ しつこいようてすけど…時蔵さん、綺麗☆
富十郎(左甚五郎)/愛之助(奴照平)/亀鶴(栗山大蔵)/歌江(女房おとく)/亀寿(娘おみつ実は井筒姫)/時蔵(京人形の精)

お祭り

「歌舞伎界きってのイイ男」「日本一のイイ男」…お相手・西形節子がお送りしました~、の イヤホンガイドの西形さんのかなり私情が入っているかと思われる解説にも納得!  とにかく「仁左さまカッコイーーーーーーッ!」です。 花笠を下手に向って投げる様は“ジュリーのよう”…?! 舞台の提灯には【二引き】【五枚銀杏】【博多座ロゴマーク】が 描かれていて、セットも華やかでした(^o^)v
仁左衛門(鳶頭松吉)