當世流小栗判官・第二部【国立劇場】

乍憚口上

段治郎さんが口上(ナビゲーター)。 登場人物達が寸劇形式で一部の見せ場を断片的に紹介するスタイルを取っており「…という第一部、すでにご覧になっているとは思いますが~、万が一ご覧になってナイ方は是非」というフォローも忘れない。 今度は全員がお辞儀をした状態からクルリと盆が回って三幕目に突入。 「おぉ~!今度はそうきたかぁ~」

三幕目

春猿さん@お駒右近さん@小栗に一目惚れする様は、目の中はハートで頭からポワワ~ンとハートが立ち上っているようで可笑し味がある。 ちょっと【与話情浮名横櫛】木更津の“見染め”を思い出した。
久し振りに再会した小栗と笑也さん@照手姫だったが、事情により姫はお駒の上で下女として働いていた。 本来、小栗の許嫁である照手姫は、小栗と祝言を挙げるお駒に激しい嫉妬心を燃やし、照手姫お駒の女の火花がバチバチ。 ここで照手姫がちょっとイヤな女に見えるのは何故だろう? お駒の末路が可哀想すぎるからだろうか? 一心不乱に小栗を求め、絶命の後には化けて出る執着心は恐ろしくも哀れで、春猿さんが好演。 こういう怨念を持つタイプのお役って、ハマる方なのでは?
笑三郎さん@お慎。 いつも笑三郎さんを観て思う事は「ソツなく上手い。とても器用な方だなぁ…」という印象。 でも「笑三郎さんと言えばコノお役!」という決定打がナイような。 今年6月の三越歌舞伎で油のお吉をされるそうなので、コレに激しく期待(観れないけど)

大詰

【熊野湯の峯の場】は私がスーパー歌舞伎で印象に残っていた場。  でもって、今回その演出に一番意表を突かれた場! 一面の雪景色の中に映える赤姫姿の照手姫が、お駒の恨みから体が不自由になり動けなくなった小栗を躄車に乗せて引きながらの道行の舞踏とは~。 色彩の鮮やかさが印象的で、その美しさが小栗の哀れさを引き立たせる効果があった印象(で、でも照手姫の踊りが…以下自粛)
霊湯で回復した小栗は上意を受け、宿敵を打つため一路、常陸の国へ急ぐ。 ココで“天馬宙乗り”という事にあいなるのであ~る。 これは猿之助さんが映画【E.T】から着想されたそうで、作品の見せ場。 小栗と照手姫を乗せた馬は天を駆けて常陸の国へ…という趣向。
しかし、騎乗の二人が役を離れて観客サービスに徹している印象が強く、個人的には不愉快だった。 演出のひとつの手法である訳で“小栗と照手姫”でなければならなのでは?と。 喜びと勇みが全面に出ているべきなのでは?と。 話の筋上、宙乗りであってもおかしくないのだけれど、こんなに観客に媚びるものであればいらない、そう思った。
ラストのラストは…大量の雪がドッサリ、ビックリ、美しく印象に残る。
この演目、一部は春~夏、二部は秋~冬…という季節の移り変わりがあり、美術の美しさも堪能できるのも見所