三月大歌舞伎・夜の部【新橋演舞場】

初めて“3階席左”というお席で観劇。 演舞場は“花道モニター”があるから大丈夫でしょ…と思っていたら~どっこい!「観えない…」。 常に座席には半座りで身を乗り出して観劇…とかなり辛い体勢。 花道はモニターで観れるけど、そのちょい舞台寄りの下手の様子は全く見えず、こんな時に限ってやたらと下手での芝居がかった…。 失敗。

佐倉義民伝

観たことあった認識でしたが、初観劇でした。 雪深い船着き場は底冷えのする寒さが伝わってくる空気感。 幸四郎さん@木内宗吾左團次さん@渡し守甚兵衛のやり取りは心で結ばれた主従関係が伝わってきて良かった♪ 左團次さんの“イイ人”って珍しいからか、たま~にされると“胡散臭いな”と思う事が多いですが、今回はまったく感じられずとっても良かった☆ 農民を救う為、今生の別れを告げようと密かに帰郷した宗吾を迎えるのは福助さん@女房おさんと子供達の清貧家族。 幼い子が三人も…と思いきや、もう一人乳飲み子が居たとは! 久々に帰宅した父親に次男がベッタリ膝にだっこされているのなんともが微笑ましく「こんな可愛い4人の子供達を置いて逝ってしまう覚悟とは~!!」と、不条理さを感じ過酷な課税を憎む宗吾と佐倉の農民と同じ気持ちになって見入りました。 金太郎くん@宗吾長男彦七のすがりのセリフは量も多いし大健闘! 「子供ってちょっと見ぬ間に、アッという間に大きくなってるわね~」と親戚のおばちゃん感覚で見守る感じでした。 「家族の縁は一代のみ。もう二度と会わない」と家を後にする美術が素晴らしい☆ 長男彦七ひとりが外まで宗吾にとりすがり、他の家族は家の中から格子越しに涙で見守る…という、すごく心に染み入る演出で、辺り一面が銀世界である事も大きく作用していたかと。 【塗炭の苦しみ】=ひどく苦しい様泥や火の中にいるようなひどい苦しみ、という言葉を初めて知りました。
彦三郎さん@松平伊豆守って、彦三郎さんを久々拝見し、あの朗々としたセリフ回しが耳に懐かしく感じました。 宗之助さん@稲葉丹後守、宗之助さんの立役は…こちらも久々!と思っていたら今月は立役のみのようで(ですよね?) 声、りりしくてイイですよね♪ で、幸四郎さん、良かったです。 どうしても苦手意識が先行してしまうのですが、このところ「あ、また幸四郎さん…」→「お!幸四郎さん、イイねぇ」が続いている私。 合う演目・合う役柄になれば、そこは!なんでしょうか?(生世話は…やっぱり)

唐相撲

初めて観ました。 狂言をもとに、言葉の通じない異国人同志が相撲で親睦をはかる…という内容で、お芝居の間の楽しい舞踏として人気がありそうなのに、上演回数はひどく少ないんですね。 松葉目モノ…だけど唐風の様式で目に不思議。 中国側の人物は全てインチキ中国語でまくしたてる感じで、左團次さん@皇帝は激しく胡散臭くて笑えましたが「LOVE注入☆」「キャイーン」というのは…どうだろう? なんか一気にサーッと気持ちが引くものがあり、上演回数が少ないのも頷けた気が~。 貝づくしの酒宴の様が面白かったです。

小さん金五郎

上方の世話物なのに…秀太郎さん@女髪結お鶴しかその風情がナイというのがなんとも寂しい感じ。 ですが、もうその秀太郎がおひとりで全部持っていった~!!という、秀太郎さん好きとしては最高に満足な一幕。 梅玉さん@金屋橋の金五郎を見つけた時の片足ピョコン止まり(参:まいっちんぐマチコ先生)は狛犬に頭を打ち付けた時も再びで、も~う可愛い! 上手いっ! 釘付けです! 左腕に“金五郎命”の彫り物は…あの後どうすんのさ、お鶴さん。 いちいちクールな突っ込みをしてくる伊集院茉衣ちゃん@髪結弟子お千代、かわいい!可愛い♪

金五郎×お鶴、お鶴×松江さん@太鼓持六ツ八実は木津屋六三郎、お鶴×時蔵さん@芸妓額の小さんの以上のセリフの繰り返し、オウムが面白かった。 三回目なんか心の中で一緒にセリフ、言っちゃってました。
梅枝くん@芸妓大村屋お糸時蔵さん@芸妓額の小さん美人親子ツーショットは「これ、実は父息子なんだよなぁ…」と思いながらも目の前の美しさにため息☆
イヤホンガイドの解説で疑問が2点。 当時、金五郎の「髪結いの手は油だらけ」というのが名ゼリフとして流行ったらしのですが…どこにウケの要素が? でもって『傘の立廻りは艶かしい』との事でしたが…どこが?
團蔵さん@広瀬屋新十郎×梅枝くん@芸妓大村屋お糸、梅玉さん@金屋橋の金五郎×時蔵さん@芸妓額の小さん(実は許嫁…ありがちありがち)、松江さん@木津屋六三郎×右近くん@千草屋娘お崎の3カップルを目の前にして、ロンリー秀太郎さん@女髪結お鶴。 寂しく去る後ろから「松嶋屋の姉さん、お疲れさまでした~!」 やっぱり“姉さん”なのね。

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