錦秋文楽公演・昼の部【国立文楽劇場】
“国立文楽劇場開場25周年記念”の公演だそうで、私にとってはこの劇場デビューをした昨年1月末以来の観劇。
どこかの専門学校か?校外学習のようで団体観劇していて客席は賑わってました。 やっぱり大阪では庶民の娯楽としてドッカリと根付いてるんだなぁ…と今回も思わされました。
13日に第1部と第2部の入れ替えがあり、本日の昼の部は【芦屋道満大内鑑】。 人形が今現在のように“三人遣い”になったのは1734年に上演されたこの【芦屋道満大内鑑】から…だそうで“文楽発祥の地”で、偶然にもその記念碑的な作品を観劇出来るのはラッキー♪
この演目【保名】と【葛の葉】【蘭菊の乱れ】は歌舞伎でも度々観ていますので、その違いが楽しく、またこれらの段並びでは観た事がナイので「なぁ~るほど!こ~ゆ~話に繋がるのか!」という気付きがあり、めっちゃ楽しめました☆
舞踏でしか観たことがナイ【保名】でしたが、その前段というべき【加茂館の段】で、その恋人が榊の前という人で、その人がどういう身の上で、保名を庇って彼の目の前で自害してしまった…故の保名の物狂いとなる下りを初めて知って「そりゃそうなるわなぁ…」と彼の悲しみへの理解が深まりました。 が!榊の前にそっくりその妹・葛の葉姫の出現に、速攻で恋仲になる~という変わり身の早さに驚き、涙が引く~。 葛の葉姫も姫だよっ! 保名の髪型は落ち武者のように垂らしたものでなく、ちゃんと結ってあるタイプなんですね。
【葛の葉子別れの段】では文雀さんの女房・葛の葉~白狐が素晴らしかった! 人形ならではの変身ぶりは歌舞伎との違いが更に楽しく、狐の動きが機敏ながらも悲しみをたたえている表情(に見える!)で、人間も動物も親子の情愛に違いはナイんだなぁ…と感動させられます。 筋書きの…文雀さんが語る“狐の扱い方”が興味深かったです~♪
歌舞伎では『恋しくばたずね来てみよいづみなる信田の森のうらみ葛の葉』は曲書きで見せ場のひとつなので、文楽ではどういう工夫なんだろう?と思っていたら…呆気なかったッス
通しで観れて「前後が判って全体がガッテン!」となった嬉しい観劇でした。
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