六月博多座大歌舞伎・夜の部【博多座】

日の出 菅原伝授手習鑑
【加茂堤】梅玉さん@桜丸ポニーテールを揺らしながらいそいそと立ち回る様が愛らしい♪ 時蔵さん@女房八重とのアツアツ新婚ぶりは観ているこっちが照れるようで(結構きわどい夫婦の会話!)…だからこそ【賀の祝】での悲劇が引き立つ感じ。
今公演、全てにおいて「イイ!」と大注目だった梅枝くん@苅谷姫。 な~んかすごく安定感があって引きつけられるんですよね。 赤姫姿も愛らしくいじらしく、桜丸夫婦と一緒にジリジリしちゃう感じ。
松江さん@斎世親王は、眉間の皺が深く苦悩の色が…。
秀調さん@三善清行って…こんな半道敵での秀調さんを拝見したのは初めてだったので、軽快な可笑し味が新鮮。 ニマァ~と笑う表情に大爆笑!
幕開きからず~っと座って控えている牛車の前足が“横座り”なのが、すっごく気になりました汗
【賀の祝】 翫雀さん@松王丸って…翫雀さんが三つ子の一人を演じるのはすごく珍しいので目に新鮮☆ 松緑さん@梅王丸との“子供のけんか的なバトル”は『おぉ~♪W英竹対決~』で楽しく、「おいらは知らぬ~」と二人揃ってトボけるなんだか可愛らしくてニッコリ。 「お兄様を足蹴にするとは~」とブチ切れて真ん丸体でコロコロと奮起する翫雀さん、愛らしかぁ~(激しく贔屓目)…って二人ともちょっと関取みたいでしたけどネ汗 慌てすぎて二人とも女房を取り違える様がすごく自然で客席爆笑でした♪
東蔵さん@松王丸女房千代菊之助さん@梅王丸女房春が、左團次さん@白太夫の70歳の祝いの膳を整える様は、どこからみても“女房”ども。 今回は特に菊之助さんの後ろ姿が、女性にしか見えないという…人妻の色っぽさがあって感嘆☆
ここで時蔵さん@桜丸女房八重だけ着物が“お引きづり”なのは…何故なんだろう?
船乗り込みで「博多座で初めて切腹をいたします! その死に様を是非とも皆様にご覧いただきたく思います」と熱く語っていらっしゃった梅玉さん。 腹かっ斬る~自ら頸動脈へトドメ~床に突っ伏す、そしてラスト顔を上げて合唱する一連の表情に気品が漂うのは、ならでは!の魅力。 物語の悲劇性が倍増したように思いました。

坊主 達陀
私は2004年3月に歌舞伎座で一度観ただけなので、群舞の迫力だけしか印象に残っておらず、今演目が発表になった時「博多座で【達陀】がかかるとは~!」という嬉しい驚きと同時に「通いそうで…怖い」と思いました。 で、結局4回汗
特筆すべきは藤十郎さん@青衣の女人! 「何故妾の名を呼び忘れ給いしそうらえか~(←不確か)」と妖しく菊五郎さん@僧集慶蛇のようにネットリと絡まり付いて、煩悩へ引きづり込もうとする“女の情念の権化”の様が圧巻。 「うわぁ~、集慶ピンチ!」「もはや堕落か?!」と思う事度々。 生々しい色香は集慶が青衣の女人の胸元に手を差し入れた時の、その両者の表情が最高潮。 よってそれを潔く振り切る重慶に青衣を投げかけ~投げかけ、再度誘惑を試みる必死の形相~鬼の形相になる女人は大迫力。 青衣の女人の濃厚さで、この修行がより大変な業である事が感じられた次第でございます~。 すっぽんからの出と引っ込みの…その纏っている空気感だけで「あ~、この女この世の者ではナイなぁ」と納得させらるさすがの存在感にうなりました。
チーム火天はリーダー團蔵さん。 ファイヤ~なメラメラと立ち上る迫力の照明の中、豪快な足踏みから発せられる「ダッダッダッ」というリズムとドラ?太鼓?のメロディに、ぐわぁ~っと体温が上がります! やはり公演を重ねるに従って、まとまりが出て来て更に心地良いですね。 團蔵さんのキリリとした気迫の表情が、このチームの迫力に大きく加担している事は間違いないっ!
チーム水天はリーダー橘太郎さん。 こちらの照明は青っぽいだけで、特に水らしい揺らぎの仕掛けはなく、チームメンバーは皆、顔色が悪く見える~汗 対照的な流涎的な動きは…優雅といよりは“可愛らしい”と感じてしまうのは、リーダーのせい?! 何故だか火天に対して、水天の踊りは短く感じたのですが…通常版でしたか? ラストのツツツ…という後ろ高速引っ込みは「よく後ろの人につまずかないもんだ!」と手に汗握ります。
そして…練行僧大集合!となった所で、天井から火の粉のキラキラ紙吹雪が惜しげもなくザンザンと降り注ぎ、さらに加熱!加速! 観ているこっちもボルテージも急加速! 「迫力の群舞も堪能したけど、一人一人も観たい」もんだから忙しい、忙しい~びっくり
梅枝くんと、そして秀調さんの踊りに安定感とキレがあって惹き付けられました(橘太郎さんは言わずもがな♪) 秀調さん、今公演では役所がバリエーション豊かだった事もあったし…今までそんなに気に留めて拝見する事がなかったので新鮮でした(奥様のお里が福岡だそうで♪)
上手に控える…唄のお姉さん方。 なんで照明があんなに怖いんですか~冷や汗 まるで顎の下から懐中電灯で顔を照らしたかのようで、暗闇にぬぼぉ~っと浮かび上がる青い3つの顔。 でもって歌い出しが「さんげぇ~、さんげぇ~、さんげぇ~」と低くオドロオドロしいもんだから、怖すぎますって汗

青りんご 弁天娘女男白浪
先月の團菊祭でベテラン五人衆を拝見していたので、当代の菊之助さんが弁天小僧菊之助を演じる今月のフレッシュ五人衆はその比較を楽しみに拝見。 それぞれに良さがあって「歌舞伎って面白い♪」と改めてその観劇の楽しさを知った次第であります。
橘太郎さん@番頭与久郎♪ 実は私、【浪速花形歌舞伎@お染の七役】【團菊祭@白浪五人男】に続いて今月…と“三ヶ月連続・橘太郎さん@番頭さん”を拝見する事に♪ ん~、やっぱりそのラブリーさにニッコリしちゃいます。 「今月の博多座大歌舞伎と、レストラン花幸さんも大入り」は、毎回同じだったようで。
菊之助さん@弁天小僧菊之助は、正体を現す時に紅を落とすだけでなく、眉も描き変えているんですね。 よりキリリと凛々しい男の子風情が際立って、鮮やかな変身ぶりに見えました。 待ってました!な名ゼリフは…ちょっと節を付け過ぎのような~、歌っているような感じというか~、艶を付け過ぎるというか~、で個人的にはちょっと耳に心地が悪かった。 「わっちゃぁ~、ほんの頭数」っいうトボケた言い回しも笑えず。 力が入り過ぎているのか?なんだか、迷いながら演じているような硬い印象。 しかしながら、松緑さん@南郷力丸との相性は良く、その掛け合いは小気味イイ☆ 引き上げ時を目で合図し合う様や、花道での“坊主持ち”の引っ込みの可笑し味は充分!
亀三郎さん@忠信利平彦三郎さんをみた! 今まで似ている…と思った事は皆無でしたが、茶で取った目の隈の顔と、声が…ソックリ~。
梅枝くん@赤星十三郎、こちらも先月お父様がされたお役を…ですね。 傘を持つ手がピタッと動かず感心。 この場だけで、赤星というキャラクターを印象付けるのはやっぱり至難かと。 声色だけでは“なよなよ君”的な印象が勝ってしまいました。
團蔵さん@日本駄右衛門って…私、初めて拝見したかも? 若者不良グループを取りまとめるリーダーの貫禄は充分なれど、如何せん細い~。

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