博多座文楽公演・昼の部【博多座】

昨年に続いて二度目、2日間4公演の【博多座文楽公演】
ほぼ完売状態で、当日は3階席にもチラホラ観客が 当日券の販売などもあったのでしょうか?
出演陣は、文楽好きな方には垂涎の超豪華メンバーで、実際ロビーや客席で関西弁を多く耳にしましたので遠征の方も多かったのではないかと思われました。

文楽を楽しもう

昨年は、この後上演される演目に沿った解説になっていたので(よって昼と夜の解説内容は若干の違いあり)ほんの少し前知識として頭に置きながら観劇出来たので、より楽しめた記憶がありましたが、今回は基本の基本の解説でした。 よって昼と夜は全く同じ内容でした。
◆太夫ついて(竹本千歳太夫さん)
役割の説明。 老若男女、武士と町民の声色の使い分けや笑い方・泣き方の実演。
◆三味線について(鶴澤清二郎さん)
三味線の造りと材質の説明。 三本の糸の音色の違いの実演と情を込めた演奏方法の紹介。
◆人形について(桐竹勘十郎さん)
人形の構造と、頭の種類、三人の人形遣いの役割分担の説明。 高下駄の紹介や人形の操作方法を披露。
最初にお断りしておきますが、私、文楽観劇は二度目なのもので…以下書き綴ります感想はものすご~く幼稚なものかと思いますので何卒ご了承ください。 「人形なのに、スゴイ」とか~。

 恋女房染分手綱

・道中双六の段 ・重の井子別れの段(○○さん)=人形役割
今月、歌舞伎座で福助さん@乳母重の井、児太郎くん@馬方三吉で観たばかりだったので、印象が鮮明であり、歌舞伎との違いを興味深く観劇できて、その比較がとても面白かったです。
乳母重の井(文雀さん)が、調姫(玉翔さん)にサイコロを持たせて一緒に放り投げる細やかな一連の動作は人形とは思えないほど。 優しい眼差し(に見える)で姫のご機嫌を取る様にも、凛とした気品がありとても素敵☆
馬方三吉(一輔さん)が我が子と判ってからのせつない気持ちが、人形ながら何故にあんなに伝わってくるのでしょう? 気持ちを奮い立たせて突き放し、それでもやはり抱き寄せて…また突き放し。
三吉の母親との決別を決めてラストに切る見得には、肩で泣いているような印象が強く残りました。

 伊賀越道中双六

・沼津の段
やはり歌舞伎で馴染んでいる演目だと、芝居に早く入り込んで観劇できますね。 沼津は必ず涙してしまう…観劇後は心が痛くなる演目ですが大好きな演目ですので、今回文楽で観れるのことのほか楽しみにしていました。
義太夫は竹本住太夫さん。 今公演のパンフレットに『沼津は好き。最後に平作が「南無弥陀物」と唱える所は息で言うため太夫の力量が問われる。こんな名作をできるのは太夫冥利につきる』と語っていらっしゃいます。 文楽観劇二度目のビキナーの私が聴いていても耳に大変心地良く、セリフはその性別、その年齢のものに聞こえ心に染入る感じで感動しきりでした。
親平作(玉也さん)は、力を振り絞ってヨロヨロと立ち上がり、必死の体で呉服屋十兵衛(蓑助さん)について行く様は、老人そのもので…ユーモラスな雰囲気もちゃんと兼ね備えているのには驚きました!
娘お米(勘十郎さん)の楚々とした仕草のなんとかわいらしい事! 夫の為にした盗みが発覚して泣き伏す様のなんといじらしい事! 平作とのやりとりに貧しいながらも支え合って生きる親子愛がとても伝わってきました。
人形で…自害のシーンをこれほど感動的に演じられるとは! 驚きと感動の沼津でした。

義経千本桜

・道行初音旅)
狐って、文楽ではこ~ゆ~ふうに表現するんだ」という驚きが一番でした。
狐忠信の主遣い玉女さんは狐火をあしらった真っ白な裃姿で狐を遣い…その動物の仕草がまた細かい! 桜の木の後ろで人間の姿の忠信にへ~んしん!すると玉女さんは通常の裃に早替わり。 「ほぉえ~すご~い」と思わず口に出して言う事も何度か。
静御前(和生さん)との息のあった動き、特に扇子を回転→キャッチ、投げて→キャッチ!など、役者さんが普通に演じてても難しいであろうフリがあって興奮しました~。

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