五月大歌舞伎・昼の部【歌舞伎座】 

車引

名子役・清水大希くんが、中村屋さんの部屋子として“中村鶴松”を襲名し、杉王丸で出演。 私自身は大希くんの舞台を拝見する機会に結構恵まれていたので、立派な姿にもはや“親戚のおばちゃん”状態でウルウル。 これからは更にいろいろと大変でしょうけど、歌舞伎を愛する気持ちはそのままに立派な役者さんになっていただきたい。 そして私たちを楽しませてください。
七之助さん@桜丸はニン、勘太郎さん@梅王丸は意外にも(失礼!)荒事もイケるんだ…という驚きがありました。 血気盛んなやんちゃな男の子の感じが出てて。 でも…海老蔵さん@松王丸もそうですが、セリフの抑揚がありすぎで、私的印象で言えば、そのセリフを言う事に酔っているような印象で「何を言ってるのか解らない、伝わって来ない」感が強く、残念でした。

芋掘長者

歌舞伎座では45年振りの上演ということで、私はもちろん初観劇。 松葉目もの…よりもちょっとカジュアルな雰囲気の舞台のつくりで、舞踏の面白さとしては【茶壷】のように、上手い踊り手の人が一拍遅れて下手に踊ってみせる…という点でしょうか?
亀治郎さん@緑御前の婿選びの基準が“踊りが上手い人”ってとこから、笑えますが…やっぱり一番の見所は踊りの名手・三津五郎さんが下手に踊るところ。 そしてうって変わって自分の得意のジャンルの踊りとなると、実に生き生きと楽しそうに踊るところ。 観ていると実にウキウキとしてくる楽しい舞踏ですね~☆ 最後に一同がかえし、緑御前までがお尻をフリフリして長芋掘りの踊りを踊る様は実に愉快。 この演目はこれからも是非とも上演を続けてほしいな、と思いました。

弥栄芝居賑

3、4月と続いた襲名披露口上に変わって、芝居仕立ての一幕。 両花道には上手に女伊達、下手に男伊達がズラリと居並び、自分の名前にちなんだリズミカルな口上を述べるのが目には豪華、耳には心地良く楽しい。 まるで割セリフのように次々と続くので、客席はまるでテニスの試合を観ているように、首が左右にフレ…これまた観ていると愉快! 勘三郎さんに加え、鶴松さんも中村屋の裃を着てご挨拶があり、なんともめでたく豪華な一幕で“これぞ歌舞伎”な満足の一幕。

髪結新三

髪結新三を演じていらしゃる時の勘三郎さんは“イイ男”だな、といつも思います。 イイ…とは色気がある、という意味です。 私のイメージの中では“愛嬌がある”というイメージが優先していますので、新三を演じていらっしゃる時、特に胸元から手を出してアゴに当て…何かを企んでいる表情の時とか「カッコイイ~ッ」と見惚れてしまいます。 小悪党ながら粋で小気味のイイ男、似合います。
「鰹は半分もらったよ」って、私、大好きなんですよね 三津五郎さん@家主長兵衛勘三郎さん@新三の呼吸も当然のことながら絶妙で、楽しい、楽しい♪ 「え?なんでそうなるの?」という新三のいぶかしがる表情も、セリフのタイミングも絶品でした。
季節にバッチリとマッチした演目がかかると、より芝居の中にグッ入って観劇できるような気がしませんか?

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