VOICARIONⅢ 博多座声歌舞伎 〜信長の犬〜【博多座】

【歌】バックバンド皆さん、【舞】能楽師の皆さん、【伎】7人の声優さんの演技、各々の専門分野のブロの技が織りなす“声歌舞伎”VOICARION。 『2018年戌年に贈る日本最初の軍用犬の実話を元にした藤沢文翁版異色の戦国絵巻』で、博多座初上演。 カーテンコールのトークで諏訪部さんが「公演が決まった後、なかなか上演出来る小屋が見つからなかったところに博多座に声をかけてもらった」と。 こんなに客入りがイイなら、今後も博多座上演あるのでは?
私、博多座で上演が発表されるまで、私は“VOICARION”というモノを知らず「名前を知ってる声優さんが博多座に来るなら観てみよっかな〜」という軽い気持ちで参戦したら、2日間3公演のチケットは速完で、チケット入手出来ずに「地元なのにLVで観ることに…」という方も多くいらっしゃったとの事で、いずれの回も“満員御礼”。 博多座公演千穐楽のLVは、5月のヅカ公演以来の2回目、でしょうか? 今後も増えていきそうですね。
場内アナウンスもご出演の声優さんが♪ ただのアナウンスなんだけど“いよいよ始まる!”感が高い!

私にとっては全く初めて接するタイプの舞台で新鮮だった! 故に、最初の方はその世界観に入り込むまでちょっと時間がかかったけど、頭の中で映像が浮かぶようになってからは、グイグイとストーリーに引き込まれた!
声優さん、映像でアニメや吹き替えでのアフレコ風景を時々目にするけれど『声だけでお芝居をする』という、プロのスゴ技に改めて感激。 声優は各々キャラクターに沿った衣裳を身につけているものの、基本、芝居をする時はスタンドマイクの前に立って台本を読む…という、キャラクターの感情の表現が声だけで豊かに紡ぎ出すのが、今更ながらに凄いな!と。 ただ台本片手に台詞を読んでいるだけ(…というと語弊があるけど)なのに、そのキャラクターが自分の中にイメージとして出来上がって動き出す…という体験が新鮮。 私、今までにリーディング公演のようなモノは全く観劇したことがなかったので、なおさら! しかも泣いてしまったし!  一幕目と二幕目、声優さんの立ち位置が変わったのは観客に嬉しい演出♪ ファイヤ〜!も迫力満点。

先日、来年の【レミゼ】キャストに抜擢された、今公演紅一点の朴璐美さん@織田信長。 まるでヅカ男役か?!の出で立ちでカッコいい!(レミゼ、めっちゃ楽しみ!) 私の中ではハンジさん(at 進撃の巨人)な朴さんだけど、威厳があって懐深く、圧倒的なカリスマ性をもった信長を何故女性の声優さんが?…という疑問はストーリーが進むにつれて全く気にならないハマりぶり♪
諏訪部順一さん@信長の犬ルキフェルはボルゾイのヴィジュアルをイメージしながら聞いていると、ストーリーの中で鮮やかに躍動。 主人を想う忠誠心に涙。
井上和彦さん@瑠璃丸は、時折“にゃんこ先生”を彷彿ささせる!  コミカル〜シリアスの切り替えが匠の技!

キャスト
信長の犬ルキフェル:諏訪部順一/織田信長:朴 璐美/明智光秀:保志総一朗/豊臣秀吉:鈴村健一/太田資正:浪川大輔/瑠璃丸:井上和彦/野口多門:石田 彰
劇場
博多座
日時
2018.9.2(日曜日)/15:30〜

三谷文楽in博多座 其礼成心中【博多座】

2015年12月を最後に博多座で文楽公演が上演されなくなった後、多分…それ以降、他の劇場でも観劇スケジュールがなかなか合わず、文楽を観劇していなかった私。 久しぶりの文楽観劇! しかも“三谷文楽in博多座”とあれば期待値更にUP↑ 博多座公演は3日間、4回公演で本日は千穐楽☆ 満員御礼の客席2階で観劇。 博多座での文楽公演を初めて2階席で観劇したけど、三谷文楽ならではの舞台演出に助けられてストレスなく観れた♪ 多分、古典だといろいろ見切れていたかと〜。

歌舞伎では何度となく観ている【曽根崎心中】と【心中天網島】。 お話はそのヒットの裏で繰り広げられる曽根崎の普通の人々の人情物語で、2012年東京・パルコ劇場での初演との事で以後再演を繰り返している人気作。 これ、以後歌舞伎で両演目を観たら、セットで思い出して笑ってしまいそう…。 人形の表情が、古典よりも豊かに見える不思議。

ストーリーの組み立てが秀逸☆  饅頭屋の娘と天ぷら屋の息子の恋、二度目の再起を願って心中を試みる夫婦の可笑しみ。 淀川への投身の演出はビニールを使って水を表現し、6人の人形遣いさんが全身で表現するもがく夫婦を演じ、その必死な動きから“生への強い執着”がかえって強く感じられ面白く印象的。

カーテンコールがあるのは驚き! 日頃は古典芸能を粛々と演じている演者の皆さんが、笑顔を浮かべてフレンドリーに客席に手を振る様にニッコリ☆
三谷文楽、他作品があるなら是非観てみたい!

劇場
博多座
日時
2018.8.19(日曜日)/11:00〜

『メタルマクベス』disc1【ライブビューイング】

濱田めぐみが新感線に参加!』ってだけで、私にはインパクト充分だったのに『橋本さとしが21年振りに新感線!』で「絶対観る〜!」…と意気込んだものの『夏はダイバー活動に専念』な私は、残念ながら遠征は見送り、地元で大人しくLV参戦。
LV会場はそこそこ人が入っていたものの、送られてくる映像の会場はかなり空席が目立っていてビックリ!(ちなみに昼の部) 髑髏城シリーズは映像メディアでご活躍のゲスト俳優さん多数ご出演だったからの集客だったのか? 開場一年経って、劇場の目新しさがなくなったからなのか?

シンプルな感想を言うと「ん〜、苦手演目。」 シリアス+ヘビメタ+ギャグの三位一体が炸裂!で、バイクが舞台を走り回ったりいろいろと派手だし、もちろんお話の本筋は“マクベス”な訳で知ってるし…なんだけど、これは好みの問題!で片付ける事にしようっと。

濱田めぐみさん@ランダムスター夫人は、もちろん歌ウマーで歌に関してはなんの不安もナイんだけど、独特のオリジナル曲だからメロディーは耳に心地いい訳でなく「私が聴きたい濱田さんはコレじゃない!」感が強かった…。 演技もキャラクター設定だから仕方がナイんだけど「こんなキャンキャンした濱田さんは観たくないなぁ」という感じ。
橋本さとしさん@ランダムスターは“渋エロ中年おっさん”で格好良い! 私は新感線在籍時の橋本さんを知らないので、作品内で生で動く様にテンションが上がったし、安定の再登板!橋本じゅんさん@エクスプローラーとの絡みも嬉しく拝見(じゅんさん素敵☆)。
新感線初参加の松下優也さん@レスポールJr.は、表情がイッちゃってて“危ない若者”感が良く表現されていた。

今後、【disc2=松也×大原櫻子】【disc3:浦井健二×長澤まさみ】と続くけど、LV参戦の予定無し。

劇場
Tジョイ博多(IHIステージアラウンド東京のLV)
日時
2018.8.9(木曜日)/12:30~

大人のけんがが終わるまで【博多座】

久し振りにストレートプレイを観た。 「うん、そうストレートプレイってこんなんだったよね」って感想(何ソレ?)突然始まって、突然終わり「あれ?これでお終い?」ってなる、アレですよ。 うん。
本当はもっと小さな小屋で上演されるであろう作品で、各々が激しく自己主張し、バタバタと畳み掛けるセリフの応酬は聞き逃すとストーリーの背景が?となる危険性あり。 舞台美術もこじんまりながらも、最低限で観客にそのイメージを伝えるのには十分。 洗面所の使い方は面白かった! しかし、博多座で上演されなければ観なかったであろう作品だな。

以下、キャストの感想。

鈴木京香さん@アンドレアは、声が低くてこもっている印象だったけど、舞台でもハッキリ聞き取れるセリフまわし。 さすがデビュー当時はモデルさんだったというプロポーションで立ち姿も、生足美脚も美しい。
北村有起哉さん@ボリスは“男の色気”どうだ!ってな感じで、大人のどうしようないグダグダ感と“でも放っておけなくて惹かれちゃう”、不倫は間違いなくしてるだろう…な、男性を好演。
麻実れいさん@イヴォンヌは、いつもキリリと“舞台女優”然としたお姿の印象が強いだけに軽い認知症の白髪老女で衝撃的な怪演! 全員を振り回しちゃう困ったさんながらもチャーミングで素敵。
藤井隆さん@エリックは、マザコン設定だけど…どうやっても“藤井隆”だった。
板谷由夏さん@フランソワーズはスパスパ煙草をふかす様が印象的でストレスの塊って感じ。それがいつ爆発するのかハラハラさせられるのはさすがの空気。 髪型のせいか?フランソーワーズ感がなく“純日本人”たった(見た目ね)

キャスト
アンドレア:鈴木京香/ボリス:北村有起哉/イヴォンヌ:麻実れい/エリック:藤井隆/フランソワーズ:板谷由夏
劇場
博多座
日時
2018.8.5(日曜日)/16:00〜

銀河鉄道999〜GALAXY OPERA〜【北九州芸術劇場】

銀河鉄道999・40周年』として舞台上演と、スカパー!ドラマ放映(キャスト違い)の2018年夏。

上演が発表された時「アッキーが星野鉄郎!」というキャスティングだけで「なんてピッタリなの〜☆(劇場版アニメの哲郎に)」と大興奮! 更に原作の松本零士先生の故郷・北九州市公演があるなんて!と歓喜! 2日間とも通いましたとも♪
1日目のカーテンコールでは北九州小倉少年少女合唱団が、アッキーが作曲したテーマ曲を可愛い振り付で舞台上で披露。 しかしアッキーよ、合唱には向かない曲だな…。 2日目のカーテンコールではゴタイゴの名曲【銀河鉄道999】を会場全体で大合唱し、メインキャストの一言挨拶に加え、松本先生が登壇され、終わりが見えないトークを延々と続ける(本人以外、皆ハラハラ、イライラ)…という趣向?あり。

ミュージカルではなく“音楽劇”と表されている今作。 劇場版第1作『銀河鉄道999』のストーリーをもとに、オリジナルシーンを交えた構成で、立ち寄った星は【タイタン】【冥王星〜アンタレスの家】【化石の星】【真理子の蛍】【エルアラメイン(?)】【くれくれ星】【プレーデッド惑星】かな?(きっとモレあり…)

舞台美術は、かなりチープな印象で工夫はしてあるものの…うん(特に機械化人間とか…うん)。 私は1997年上演の【GALAXY EXPRESS 999 The Musical】を観劇しているんだけど、そちらの方がまだインパクトがあったような記憶が〜。

今回、一番残念だったのはお宮の松さん@車掌さん。 演者さんそのままの顔が出ているだけで、あの車掌さん独特な顔じゃないんだもの!(体型や衣裳、演技は◎)車掌さんはあの顔に至る経緯と意味があるんだから、そこは再現をしてもらいたかった! 普通のおじさんじゃん!という怒りが〜。 対して、女性陣は“松本美人”の特徴である、あの独特な後頭部が見事に再現されていて◎ 残念ながら美山加恋さん@クレアは全くガラスの体に見えないし、硬質な材質にはほど遠く暖かみのある感じで、ただの可愛くて優しい女の子という感じ。
そして…今作一番の驚きは『メーテルの存在感のなさ!』。 キャストが発表された時『ハルカさん、誰それ?』と検索しまくって、メーテルが謎の美女だけに舞台では無名の人を起用したのね。でも歌手だから歌はOKなのね、と思っていたら…脚本的にさっぱり活躍の場なし。肝心の歌も?で起用された理由がさっぱり解らないハルカさん@メーテルは、まさに“謎の美女”だった。

中川晃教さん@星野鉄郎は…う〜ん、可もなく不可もなく。 鉄郎のちょっと説教くさい正義感だったり、頑固さだったりがあまり伺えず“悩める若者”って感じ。 オリジナル曲はどれも耳に残るものはなく、その時々は耳に心地良い歌声だけど、耳に残るメロディーではなかったかな。
声優活動しか知らず、舞台役者としては初めての拝見で、楽しみにしていたのは入野自由さん@大山トチロー。 ストーリーテラー的な役回りで、セリフは流石に上手く、歌もソツなくアッキーとのバランスが良い。
雅原慶さん@シャドウが歌うと一気にミュージカル! 歌ウマーと聴き入っていたら周りでも「濱田さんみたい」の声がチラホラ。 そのはず元四季でアイーダ、エルファバをされていた方なんですね〜(私は未観劇) 凰稀かなめさん@クイーン・エメラルダスは、数日前まで博多座【MA】でマリー・アントワネットからの華麗な転身☆ ってこちらの方がやはり様になっています!(観る側の安心感が違うのか?) トチローに対する愛情の深さが強く伝わってくるエメラルダスだったけど、歌が不安定過ぎる〜。 平方元基さん@キャプテン・ハーロックは、平方さんならでは!の部分がなかった印象。 塚原大助さん@アンタレスは漫画から抜け出てきたよう♪

音楽劇ながら、音楽の部分があまり印象に残らなかった。 私、子供の頃から999大好きなので、かなり辛口になりがちなのはゴメンなさい!

キャスト
星野鉄郎:中川晃教/メーテル:ハルカ/機械伯爵:染谷俊之/クレア:美山加恋/大山トチロー:入野自由/クイーン・エメラルダス:凰稀かなめ/キャプテン・ハーロック:平方元基/車掌:お宮の松/リューズ:矢沢洋子/シャドウ:雅原慶/トチローの母・鉄郎の母・プロメシューム(声):小野妃香里/アンタレス:塚原大助
劇場
北九州芸術劇場・大ホール
日時
◆2018.7.21(土曜日)/12:00〜 ◆2018.7.22(日曜日)/12:00〜