レディ・ベス(花總×加藤×吉沢×平方×山口)【博多座】

『ミヒャエル・クンツェとシルヴェスター・リーヴァイの二人が手掛ける世界初演の作品』と聞くと、期待は高まるものの、どうしても【M.A.】の事が思い出され、チケット購入にはブレーキが〜。 とは言え『小池修一郎演出で花總まり』と聞けば、やっぱり楽しみで『いかに多くのキャストが観れるか?』で吟味した結果、2回の観劇。 だったのに、後に禅さん+吉野さん参加のトークショー開催(別記事にレポートUP)が発表され本日分追加、でもってMY初日。
ミヒャエル・クンツェ&シルヴェスター・リーヴァイ
残念ながら3階席かなり上手側のお席だったので、舞台奥に映写された映像まで観る事が出来なかったのですが、あの傾斜自在の円盤の上で次々と場面が変わる美術に感嘆!(演者はヒザ痛めそう) そして照明デザインで空間を上手く仕切って表現していく様にも感嘆! 衣装もそれぞれにとても凝っていて目に楽しいですが、特にアンサンブルさんのは『パッと見、同じようで全て違う』。 特にメアリーとフェリペの結婚式の時の貴族達のドレス!! 同じ色調だけど、各々に違う絵画がプリントされていて斬新☆

曲は…何度か聴くと残るものがあるのでしょうが『初見で観劇後にメロディが頭の中をグルグルする』というものは皆無でした。 なんか…訳詩のマズさでしょうか? “字余り”的な印象のナンバーが多くて、聴いていて気持ち良くナイ、そんな印象でした。 ただ和音美桜さん@アン・ブーリンの曲は賛美歌のようにひたすら耳に心地良く響き「歌ウマー!」と聴き入るものの、音として響き過ぎるのか?歌詞は届いてこなかった。

ストーリー的には、カトリック×プロテスタントという宗教絡みの部分、メアリー1世がブラッディ・メアリーと呼ばれるような迫害を行う部分への知識と理解が私、ひどく不足していたので、全体的にもうちょっと史実を頭に入れてから観劇した方が〜と反省。 1幕は物語の背景説明が多いのか?テンポが悪く感じらてなかなか物語に入り込めなかったけど、2幕になって解消。 ベスが王位と恋愛との狭間で葛藤する様はもう少しじっくり見たかったかな。

花總まりさん@レディ・ベス 素はとても和風なお顔立ちなのに、なんであんなにデコラティブな豪奢なドレスや盛々の装飾、金髪ヅラが似合うのか?、と安心のドレス裁きと“凛とした風格”に『さすが』と思い、華奢で可憐な可愛らしさもあり…で素敵☆ 歌に惹き付けられるものはなかったけど、ベスという女性の成長が丁寧に見て取れた印象。
吉沢梨絵さん@メアリー・チューダー 四季退団後初めて拝見。 “元気で可愛く誰からも愛される女の子”という役でしか拝見した事がなかったので、ただただ驚く。 吉沢さん、歌がすごく上達されてますね! 今後もいろんなお役で拝見する事が楽しみになりました。
和音美桜さん@アン・ブーリン イタリアの宗教画から出て来たみたい! 扮装がと〜ってもお似合い、美しい! 歌も賛美歌のように美しく、まるで諭されているようで聴き入った〜♪ 映画【ブーリン家の姉妹】をまた観たくなった。
吉野圭吾さん@シモン・ルナール 今までの吉野さんのセクシーなお役って見た目も中性的な感じのものが多かったので、ここまで“ザ・漢”な感じは新鮮! お似合い♪ 歌は…うん、吉野さんだ。
石川禅さん@ガーディナー 開幕前の扮装写真とは違う、おかっぱ頭。 ヒール的な役回りでも何故かしら三の線が入るのはキャスティングによる所のもの? やっぱり“劇画タッチ”な顔芸にクスッ。
山口祐一郎さん@ロジャー・アスカム、久しぶりに拝見しましたが“ザ・山口祐一郎”的なものが皆無で、ちょっと寂しかったり〜。 涼風真世さん@キャット・アシュリーは、涼風さんである必要性が感じられない。 加藤和樹さん@ロビン・ブレイクは、表情にバリエーションがナイのか?硬い。 自由気ままに生きている若者然が不足に感じた。 平方元基さん@フェリペ、傲慢な感じは◎だけど王子というより“金持ちの放蕩息子”然に感じた。

見えたよ!2014年最大の満月【スーパームーン】

moon2昨夜tweetもしたのですが、台風11号が猛威を振るいながら日本横断中にもかかわらず、福岡では2014年最大の満月【スーパームーン】が見れました。
 
「雨が止んだみたいだから走ってこよ」とランニングしていたら月の姿がチラチラと見えるものの、雲がず〜っとかかって諦めて…帰途につき、ふと玄関前で夜空を見上げるとポッカリ☆

連日の雨と台風に怯えた週末が嘘みたいな夜空でした。
次回スーパームーンが見れるのはいつなんだろう?

追悼【上方歌舞伎絵師・穂束とよ國先生】

博多座の歌舞伎公演の際には毎公演、美しい絵看板で観客の目を楽しませてくれた上方歌舞伎絵師・穂束とよ國先生がご逝去されて1ヶ月が経ちました(7月8日午後9時33分、肺がんのため神戸市にて死去、72歳)。 話を聞くと先月7月の松竹座は以前描かれたコピーだったとの事で、先々月の【六月博多座大歌舞伎】が劇場用の絵看板としては最後の作品だったのではないでしょうか?
今後、博多座はもちろん松竹座など西日本の劇場で先生の絵看板を拝見する事が出来ない事がまだ信じられないのですが、以前当サイトにて公開していた先生へのインタビュー記事(2002年2月取材〜掲載)を追悼文として以下、再掲載させていただきます。
※写真、文章はとよ國先生ご本人にチェックをいただき掲載の許可を得ております

なお文章中の【一枚絵看板】は博多座開業から数年間は描かれていたのですが、制作費の関係か?残念ながらいつの間にかフェイドアウト…。

歌舞伎絵師“穂束とよ國”先生にインタビュー

とよ國先生

博多座の柿落し公演以来、歌舞伎公演では毎回私達の目を楽しませてくれている【歌舞伎絵看板】。
とりわけ博多座独自のスタイルである、昼と夜の演目すべての登場人物がひしめきあう【一枚絵看板】は圧巻!
公演期間中は客席ロビーの螺旋階段正面には、その一枚絵をセンターに、昼と夜の演目の絵看板が展示され、幕間には足を止めて見入る人や記念撮影をする人を多くみかけ、皆、その品のある美しい絵に魅了されています♪
もちろん私もその一人で、あの絵の前を幕間に占領している 時間は、おそらく私が一番長いのでは…?

この歌舞伎絵を描かれている【歌舞伎絵師・穂束とよ國】先生については、筋書きのプロフィールの通り、殆どの劇場の歌舞伎公演のものを手がけられいますので、皆さんも今までにその魅力的な作品に触れる機会は多くあったと思います。

しかし…“先生ご本人”については、このプロフィール文でしか知る事がなく「一体、どんな方がこのような品のある素晴らしい絵を描いていらっしゃるのだろう?」と私の中で長~い事、疑問だったのです。

そして今回、思いきって先生とのコンタクトを試みて、 幸運にも博多座にてお会いする事ができましたので、その時に伺えた制作秘話?などの楽しいお話をご披露いたします。

なんだか随分昔に描いたようでなつかしいなぁ

博多座のロビーに展示してある、ご自分の絵を目にされた先生の第一声です。
博多座をはじめ、浅草公会堂、平成中村座、御園座、南座、松竹座、金丸座、八千代座…と、歌舞伎公演における殆どの看板を手掛けていらっしゃる先生の制作量 を聞いてビックリ!
「年間100枚、3日に1枚描いている計算になるんですよ。」
「描きあがったらすぐ忘れていかないと次の作品に気持ちが切り替えられないんです。」
との事。
なるほど、それで「なつかしい」との第一声だったんですね…。
古典演目に題材を扱う看板は“基本の型”があって、その型通りの構図や図柄かと思い込んでいた私には 、斬新な構図の先生の作品、特に【一枚絵看板】との出逢いは衝撃的で一気に魅せられたのです!

配役が決まってから描き始めます

とよ國先生先生の筆の進め方をお尋ねした時の先生の言葉です。
古典だと、すでにお話の内容が分っている訳ですから、演目が決まった段階ですぐに制作に取りかかるのかと思っていたので、驚きました!
配役って結構ギリギリまで発表されなかったり(それは一般市民にはでしょうけど)するので、それを待ってからのスタートでは、到底あの膨大な量 の作品をこなせないだろうなぁ…と思っていましたから。
そこで「配役が決まってからというと、その役者さんに似せて描く、という事ですか?」とお尋ねしたところ、「昔なら“役者絵”というのはブロマイドの役割がありましたが、現在は写真もあるし、皆さんすでに役者の顔はご存じなので、私はあえて似せて描くような事はしません」との事。 配役が決まってから…というのは「誰がその役をするかで、切り取りたい場面 や構図が決まるから」という事でした。

いろんな方向にアンテナを張っています

歌舞伎の登場人物の衣装やその模様、小道具などは殆どが決まっていますが、その役者さん独自の工夫をほどこしたりする事があるそうです。 ですから「配役をふまえた上で制作に取りかかりながらも、その公演で最新情報を折り込んでいるんです」。 古典を題材にしながらも、いわば“最新情報が描かれている” という訳で、その情報収集の為のアンテナをいろんな方向に張っていらっしゃるとの事でした。

博多座独自の様式は【歌舞伎絵曼荼羅】?!

【一枚絵看板】を見て「満員電車みたいでしょ?」 と、笑う先生。
この看板は公演期間中、博多座正面玄関に巨大な看板となって私達の目を楽しませてくれ、この看板が登場すると「歌舞伎公演の月がやってきた♪ 歌舞伎が観れる~♪」と私の気持ちは浮き立ちます!
この独自のスタイルに決まるまでは博多座側と何度も討議が繰り返されたそうです。 平成11年6月の柿茸大歌舞伎で「新しい劇場に掛ける看板なら新しい様式にチャレンジしたい」と考えていた所、御園座の【昼の演目】【夜の演目】をそれぞれ1枚に描いている様式を元に、博多座側から出てきた型破りなアイデア取り入れ、【昼と夜の演目すべての登場人物を1枚に描く】という現在のスタイルとなったそうです。 「歌舞伎を“ひとつの世界”としてとらえる…いわゆる“歌舞伎絵曼荼羅”とでも言いますか、そのような感じで描いているんですよ」
“ひとつの世界”とは…見る側には計り知れない制作者の意図が作品には込められているんですね!

劇場の個性を踏まえた歌舞伎絵を

先生が今現在(2002.2)制作にとりかかっていらっしゃるのは金丸座と御園座の四月公演。 各々の劇場によって看板のサイズも違えば飾られる場所も違い、そして当然の事ながらその劇場が持つ歴史や個性も違っている訳で、その事を踏まえながら各々の制作にとりかかっていらっしゃるそうです。
特に金丸座においては他の劇場とは“絵看板”のもつ意味や用途が違うとの事。 「昔ながらの江戸の芝居小屋の風情を残す金丸座においては“絵看板の使命”として『小屋と一体になる』という事が重要なんです」 それは演じる役者さんも同じで、小屋とお客さんと一体感を感じる事ができる醍醐味が金丸座にはある! その雰囲気を大事に制作されているとの事でした。
そして御園座の看板は30年以上も描き続けていらっしゃるそうで、中でもその公演の【辻番附】は御園座独自のもので、毎回大変な人気だそうです。 御園座に限らず、看板とは別 に“番附(筋書き・パンフレット)用”に描くことも多く、先述の驚くほどの制作量となる訳なんですね! すごい…。

… あとがき …
ただ「綺麗だな。素敵だな♪」とボ~ッとみとれていた穂束先生の歌舞伎絵看板。 次回どこかの劇場で先生の作品を目にする機会がある時は、皆さんもぜひ上記のお話を思い出しながら鑑賞してみてください♪ “歌舞伎絵師・穂束とよ國”の新しい事にチャレンジし続ける“熱い作家魂”が感じられ、違った感動や発見があるかもしれませんよ!(2002.2・博多座にて/取材・文:akko-3)

ご協力いただきました…穂束とよ國先生、甲風画苑さん、tatianaさん、tohmiさん、yokomoriさんに厚く厚く御礼申し上げます! 本当に有難うございました!

観劇好きな人向けLINEの自作スタンプ申請中!

stamps_t400先月末からちょこちょこ制作していたLINEのクリエイターズ スタンプ、ようやく完成に至り登録〜申請完了しましたっ! 40種類作るのって、結構大変〜。

舞台鑑賞(歌舞伎・ミュージカル・ストプレ・宝塚など)やライブ、映画、イベント等に関する感情表現のスタンプです。

さて…何度のリジェクトをくらって、晴れて公開となるやら? 審査待ちも相当な時間がかかるみたいだから、今年中?より、ちょっと早いくらい? 気長に待つとしましょう。

公開されたら、またお知らせさせてください♪
(追記:8/15審査中→8/22アップデート→10/7リジェクト1点→10/9リクエスト→10/29アップデート→12/19承認…長かった〜!)

官兵衛がいっぱい

軍師官兵衛
今年の博多祇園山笠、飾り山は予想していたとはいえ【官兵衛】がいっぱい!
千代流は表+見送り共に官兵衛だったのに、先日の最大級の警戒をした台風8号の影響で祭りの期間終了を待たずに撤去となり、写真に納めることが出来ず残念!(実は飾り山の隣のビルホール内に人形だけ展示されてたらしい…残念!)
博多人形師さんの個性がいろいろ出ていて面白い♪

サザエさん、今年も【博多駅】と【新天町】と2つあるのは…どうしてだろう?