ソング&ダンス 60 感謝の花束【キャナルシティ劇場】

この劇場で四季公演を観るのは、ほぼ一年振り。 ハマりにハマって馬鹿みたいに通った【Song&Dance2】を懐かしみ、そういえば【55Steps】は肩すかし感があったな(あくまでも自分比です!)と思い出しながらの観劇。
キャスト表を見ても知っている俳優さんのお名前が殆どナイ…。 いかに自分が四季観劇から離れてしまったかというその長さと、改めての団員の入れ替りの激しさを感じました。
構成やダンスは「あぁ、加藤敬二だ」という既視感のあるものでしたが、やはり“生の舞台の迫力”はイイ! 【55Steps】よりは好きでした。 今回はクラシックバレーがより焦点が当っているようで松島勇気さんが大活躍☆ もう幹部クラスくらいのダンサーさんなのにメインでバリバリ踊ってて指先まで動きがホント綺麗。
今回も思ったけど【ノートルダムの鐘】、やっぱりミュージカルが観てみたいなぁ。 名曲多いですよね! そういえば四季が日本語で上演しているのって女の子が主人公のものが多いですよね。 何かこだわりがあるのかな?
今回も客席連れ去りはあったんですねぇ。 【お洒落は私の切り札(アイーダ)】と歌っているわりには衣装がひどい…(客の分じゃなくてね)。 最後のお客さんが“小林幸子仕様”になるのは楽しかったです♪
【迷いつつ(アイーダ)】は男性ツインボーカルってのがすごく新鮮で印象に残りましたが、一番感動したのはシンプルな【愛せぬならば(美女と野獣)】。 改めて歌詞をかみしめて聴き入り心にしみてきました。
第二幕の“三木たかしメドレー”。 【煉獄のおいらたち(夢から醒めた夢)】の三人分はちょっと長過ぎたような~。 賭場のゴザ、パースが付いている工夫に感心☆ 【ジョン万次郎の夢】はTV放映を録画したまま放ったらかしだった事を反省。 三木さんを偲んで…は分るけど、【ウィキッド】からとか、もっと他演からのを聴きたかったなぁ(事前に会員アンケート取ってましたよね?)

観劇前に「知っている俳優さんのお名前が殆どナイ…」と思っていたら、二幕冒頭で気になる俳優さんを発見☆ 左右のバーでバレエストレッチをしている人に「ん?男性でショーパン・レオタードってあるんだ?!」ってとこから注目していたら、すっごく可愛い人である事に気付きました。 ショートカットの華奢な女性、といっても分らないくらい細くて体いっぱい使ってで動いてて、表情もめいっぱい大きく“全身全霊”で奮闘している姿にキュン☆ いや~、最後まで彼に注視してしまいました。 ん~、多分、松出直也さん、でしょうか? これからの四季観劇、楽しみになりました♪
終演後のお見送りがあるとは知らなかったので、慌てて“松出直也さん(多分)”を探しましたが…殆どの俳優さんが並んでたというのに、居ませんでした~!! 「感想を直接言って握手をしたいっ!」という私の前のめりな感じに殺気を感じての避難だったのでしょうか~? 残念…。

劇場 キャスト
ヴォーカルパート:飯田洋輔/李 涛/飯田達郎/光川 愛/福井麻起子/松元恵美
ダンスパート:西尾健治/松島勇気/朱 涛/大森瑞樹/斎藤洋一郎/水原 俊/松出直也/林 晃平/原田麦子/須田綾乃/井上佳奈/高田直美/坂本すみれ/相馬杏奈/西田ゆりあ/加藤久美子

レ・ミゼラブル(福井×吉原)【博多座】

チケット確保の際、キャスト表をにらめっこして熟考して購入したつもりだったのに…初日開いて気が付けば「福井さんが全然観られない!」という失態をやらかしていました!
加藤清史郎君も前回のエリザ博多座公演で観れなかったので『福井さんバルで清史郎くんが観れる日を』という事で本日のマチネ、立見してきました。
平日の昼間だというのに(自分もな!)立見は1列ズラリ。 夏休みって事もあるでしょうが、今公演は学校からの団体観劇も多いみたいですね。
本日の感想はキャストのみ…
今公演一番楽しみにしていたお二人の共演。 実は四季時代には共演を観たことがなく今公演が初めて。 感想は「残念ながら期待したほどではなかった」 でもカーテンコールでお二人が堅い握手でガッチリと抱き合うのを目にすると感慨深いものがありました。
福井晶一さん@バルジャン 福井さんを拝見するのは【アイーダ(旧:福岡シティ劇場)】のラダメス以来。 歌は流石に上手く安定している…けど予想外に【HOME】が全く胸に響いてこなかった。 観終わって感じたのは『福井バルは全く年をとらない』。 表情も一辺倒で終始険しくて時間の経過を伺えず、だから「まるで我が子です~」という歌詞に父性(学生と同年代くらいに見えなくもなく)を感じられずHOMEが響いてこなかったようで。 瀕死状態のマリウスを担いで下水道を逃げた後のジャベとの対決、疲労困憊であんなデッカイ声が出る訳が~。 死を待つシーンだけいきなりガクッと弱っていてひどく違和感でした。

吉原光夫さん@ジャベール うん!ジャベの方が好きだ! 映画を観る前だったら既存のジャベール像と比較すると違和感を感じたかもしれないけれど、ラッセル・クロウを観た後だと「有り!」と感じるジャベ。 やはりヒール役的な方が馴染みがあるせいか安心して観れたし、ヴィジュアルもカッコイイ! けど『吉原ジャベも年をとらない』、って事は福井バルとはバランスが取れているのか?
里アンナさん@ファンテーヌ 【夢やぶれて】が、ものすごく力強くて「こんなに強い女なら別に工場を辞めるハメにはならなかったんじゃ~」と思わされる。 臨終の床上、度々ものすごい腹筋で起き上がるのに笑えた。 ファンティーヌ、知念ちゃんでも思ったから今演出では“強い女”に演出されているのかな?
加藤清史郎くん@ガブローシュ 『清史郎くんを観た』という満足感で、彼が果たして上手いのか?否か?は公正な判断出来ず。 なにせEテレ【からだであそぼ】の時から見守っていた親戚のおばちゃん状態なんで。 今後もまた別ミュージカルで観れる機会があるのかな?

劇場 キャスト
バルジャン:福井晶一/ジャベール:吉原光夫/エポニーヌ:昆夏美/ファンテーヌ:里アンナ/コゼット:若井久美子/マリウス:原田優一/テナルディエ:KENTARO/マダム・テナルディエ:谷口ゆうな/アンジョルラス:野島直人/ガブローシュ:加藤清史郎

レ・ミゼラブル(吉原×川口)【博多座】

博多座でのレミゼ公演は2004年、2007年、そして今年で3回目。 新演出の上演は初めてです。
映画の大ヒットを受けてか?前公演より格段にスター俳優が少ないキャスティングなのに、公演前からチケットの売れ行きがビックリするほど大好調のようです。 残念ながらコゼット役の青山郁代さんが、怪我により休演。
今公演では、私が一番四季を観ていた時期にメインキャストで多くの作品に出ていた吉原さんと福井さんを退団後初めて、しかも博多座で、同じ作品で、同じ役で拝見出来るという事を一番の楽しみにしての観劇。
新演出は簡潔に言うと『盆がなくなって両袖があり映像が使われている』。 今までは自分が想像で補っていたシーンが、映画のイメージをなぞるように「ココはこうでしょ?」とイメージの軌道修正をさせられている感じ。 完全に出来上がって安定の定番演出を一から造り替えるという作業は、素人でもものすご~く大変な作業だったんだろうなぁと思わされました。 歌詞も一部変っていたり、増えていたり、「えっ?今どこから出てきた」「ん?何処で唄ってる?」など、以前の演出なら立ち位置も把握して登場を構えて観劇していたりしたので、“ウォーリーをさがせ”的にお目当てのキャストを探すのに忙しい。

新演出唯一残念に思ったシーンは【Cafe song】。 他のシーンは“目に見えるセット”として具体的なものを出していたのに、ここでは一切を排除して空間にポツンと一人立たせている事。 やはり『空のイスとテーブル』が実際にあって、悲しみに打ちひしがれそれに突っ伏しての絶唱が胸に響いたし、仲間の登場も消える様も余韻があって歌詞がより心に刺さる感じで好きだったのに…。 でも今回、マチネではガブローシュも登場するんですね。 それは嬉しい♪
あとコゼットのビジュアル。 マリウスよりずっと落ち着いた姉さんに見えるし、エポニーヌが『金持ちの小娘』というには無理がある年上感。 この三人ってほぼ同年代な感じですよね。 初めての出会いの初々しさが感じられず、かまととぶってる印象を受け、俄然エポニーヌに心を寄せて観てしまう(ん?それが狙いか?)
キャストの感想は…
吉原光夫さん@バルジャン 吉原さんの舞台を拝見するのは【美女と野獣(旧:福岡シティ劇場)】のガストン以来。 ヴィジュアルは悪くないし(若い!)、歌も記憶よりはずっと上手くなっている…という何様ですが、そんな印象。 逆に演技が「ん…?」 考えてみると四季時代には“ワイルドな乱暴者、だけど憎みきれない奴”という役所が多く、ソレがはまっていたからか?そんな役以外で拝見するのが初めてだな、と。 なので次回観劇のジャベールの方が楽しみになりました。
川口竜也さん@ジャベール 多分、初めて拝見しました。 心の動揺が大きく表現されいて人間味溢れる感じですね。 歌ウマーで【Stars】に聴き惚れていると「上島竜兵ちゃんに似てる」と気付いてしまいました(3階席から見下ろした時)
知念里奈さん@ファンテーヌ コゼット、エポニーヌを経ての…ですが、一番ダメでした。 この役って毎公演さっぱり当りの役者さんに出会えナイのですが、それほど難役なんでしょうね。

劇場 キャスト
バルジャン:吉原光夫/ジャベール:川口竜也/エポニーヌ:綿引さやか/ファンテーヌ:知念里奈/コゼット:磯貝レイナ/マリウス:原田優一/テナルディエ:駒田一/マダム・テナルディエ:浦嶋りんこ/アンジョルラス:野島直人/ガブローシュ:鈴木知憲

What is 狂言?【福岡アクロス】

九州市民大学の6月講演会(私は受講生ではナイのですが)、講師は狂言師・野村萬斎さんで1時間半に行ってきました。
公演タイトルにあるように『狂言とは…』という簡単な歴史から決まりごと、楽しみ方などの解説をサラサラとよどみなく、あの美声で解説。 終始背筋がピーンと伸びているので、聴講している側も自ずと姿勢が良くなる感じ~。 映画【のぼうの城】の話しもチラっと。
講義後半に袴狂言【附子】が上演(演者:野村萬斎・中村修一・内藤連)。 私、これ、小学生の時に国語の教科書に載ってて…その年の学芸会で上演しました。 太郎冠者?次郎冠者?、どちらの役を演じたのかは忘れましたが、剣道部から袴だけ借りて身につけ、上半身は自分の服(青いカーディガンだったかと)というシュールな拵えで舞台に立った苦い?思い出があります。 一休さん(アニメだけ?)にもこのエピソードはありますよね?
狂言や能を観て思うのは「やっぱり三味線の音が欲しい」。 歌舞伎に慣れ親しんでしまうと、聴覚にも視覚にも物足りなさを感じてしまう事が悩まし~い!…と思った講演でした。

六月博多座大歌舞伎・夜の部【博多座】

今公演は夜の部のみ観劇…という事で彌十郎さんを拝見出来ずに無念!

小栗栖の長兵衛

中車さん@小栗栖の長兵衛。 中車さんの歌舞伎、初めて拝見。 …というか生の香川照之さんを拝見するのも初めてのような。 “演技派”とよばれる器用な俳優さんでも、歌舞伎でのお芝居というのは独特で一朝一夕ではすごく難しいんだなぁ…と痛感させられた一幕。 危惧していた空気感よりも、新歌舞伎としてもセリフまわしの方が聴いていた辛かったのは意外でした。
でもって個人的には久々に博多座の歌舞伎の舞台で観た段治郎改め月乃助さん@堀尾茂助。 嬉しい、よりも寂しい気持ちでいっぱいに…(あんた5年前はスーパー歌舞伎で主役張ってたじゃないのさ!)

襲名披露口上

今公演は…残念ながら段四郎さん、猿翁さんが休演です。 四代目市川猿之助の襲名披露口上に、ご自身のお父様、そして伯父様が列座出来ないとは…なんとも寂しい事です。 並びは上手から…
秀太郎門之助寿猿猿弥彌十郎藤十郎猿之助中車笑也春猿月乃助笑三郎右近
手元に書面を用意して読み上げながらの紹介は初めて見たよ、藤十郎さん! 彌十郎さんの「猿翁のお兄さんに付いて20年勉強をした」というお話しに、その頃の舞台をもっと観たかった!と悔やみ、寿猿さんの「澤瀉屋で50年」という言葉に感嘆し「どうぞ末永くお元気で」と強く思いました。 そして私が知らなかっただけなのですが、秀太郎さんの澤瀉屋さんとの、先代の猿翁さんから続く長く濃いエピソードに大変驚き、改めてこの席にご本人が居ない寂しさを感じました。 そして中車さん、ご自身の息子・團子くんと親子で歌舞伎の世界に飛び込んだ並々ならぬ決意の様を痛いほど感じ「團子くん、こりゃ大変だぁ」と思った口上でした。

楼門五三桐

猿翁さん@真柴久吉で親子対決~が見所だったのに残念! 代役は右近さん
中車さん@石川五右衛門。 上演時間が短いとはいえ、何故この役を演じさせたのでしょうか?…と大変失礼ながら気の毒になるほど「ちっせぇ」。 小栗栖の長兵衛ではなんとか乗り切れたものの、露見してしまった!というような印象を受け、中車さんがこれから歩み続ける歌舞伎の道の険しさを一観客ながら案じた次第

川連法眼館の場

藤十郎さん@源義×秀太郎さん@静御前という…プラチナ婚を迎えていそうなくらいのカップルに、ん~歌舞伎!と思ってしまう~。 秀太郎さん、お姫さまじゃナイにしてもその衣紋はちょ~っと抜き過ぎじゃナイでしょうか(驚異的に綺麗だけども!)
猿之助さん@佐藤忠信実は源九郎狐は、ただもう安心して観れいられる感じ。 今まで何度となくいろんな役者さんで観てきた四の切ですが、『一番子ギツネらしかった!』 猿之助さんの小柄さとチョコチョコ細かく動く動作や表情に子供の無垢な愛らしさが良く出ていて、親を想う気持ちが切々と観る者の心に訴えてきます。 鼓を手に喜びいさんで宙乗りで引っ込んでいく様に「良かったね、ホント良かったね♪」と誰もがニッコリと見送った感じでした。 やっぱり…悔しいけど(←何故か?)上手いぜ、亀ちゃん(←もう猿之助さんです)、と思った打ち出しに、場内総立ちのスタンディングオベーション~カーテンコール。
祝・四代目市川猿之助!! 澤瀉屋~!