コーラスライン【京都劇場】

以下、あくまでも私個人の感想なので何卒ご了承ください汗
え~っと…正直な感想をひと言「こんなに面白くなかったっけ???」
一番最近では2004年末~2005年始の自由劇場での公演を観劇しているのですが、あの時「この演目、おもしろ~い」「通える環境だったら通っちゃうな」と思った興奮は…何処へ? 舞台が進行するにつれて、久し振り観る演目への記憶は鮮明に蘇ってくるんだけど「あれ?あれれれ~?」
寒い冬の京都にまで足を伸ばして楽しみに観た演目だったのに「何が原因なのか?」「どうしてそう思ったのか?」という事を終演後にかなり考え込んでしまいました。 今公演で初めてキャスティングされた役者さんや、前公演とは違ったお役を演じる方も多く、とても楽しみにしていたのですが…「ん?」
ダンスがメインの演目だろうけど「歌、それはあんまりなんじゃ…」ってな度合いが前公演よりも全体的に強く感じたし、一番の原因は『セリフ(歌)に対してその情景がイメージできなかった(湧いて来なかった)』って事だったみたい?
各々のキャラクターが、自分自身の生い立ちから今現在までの自身の事を、素晴らしくビックリなバリエーションで披露していく訳で、その語りにおいて「ウッソ~!」と思ったり「クスッ♪」と笑ったり、ちょっぴり同情したり…する訳です。 そして、その各々の語りにおいて「お金を握りしめて美容整形に駆け込む様子」だったり、「100cmのボインボイン」だったり、「教会で牧師に救いを求めて泣きそうにすがっている様子」だったり、「演技教室?でつまはじきにされている様子」だったり…と、その人物たちが置かれていた状況をクリアにイメージできたのですが、それが今回…殆ど出来なかった 私はソコにこの演目の最大の面白みを感じていたので、それが出来なかったのが「こんなに面白くなかったっけ???」という感想になったのかなぁ。
なんか歌と言葉としてスーッと耳に流れる感じで、ひっかかりがなかったというか。 小屋の規模や雰囲気の違いなのか? 観る側の私のその時の心境の違いなのか? キャスト全体のまとまりによるものなのか?…それは判りません。
ダンスや演出、曲はやはり「と~っても好き」だと感じました…が…でした。
また別のキャスティングで観てみたい、そう思いました。

青い旗キャスト
ザック:飯野おさみ/ラリー:中山大豪/ダン:朱 涛/マギー:真鍋奈津美/マイク:藤原大輔/コニー:高城信江/グレッグ:武藤 寛 /キャシー:坂田加奈子/シーラ:増本 藍/ボビー:道口瑞之/ビビ:荻原亮子/ジュディー:遠藤瑠美子/リチー:松島勇気/アル:川口雄二/クリスティン:村中ちえ/ヴァル:八田亜哉香/マーク:良知真次/ポール:望月龍平/ディアナ:吉沢梨絵

屋根の上のヴァイオリン弾き【博多座】

2006年の観劇はじめ』はこの作品となりました。
昨年の年明けは…観劇後に気持ちがどよ~んと重くなるお芝居だったので“博多座の年明け一発目はミュージカル”での定着がイイと思います。 博多座さん!
私自身は今回がこの作品、初観劇。 断片的に知っていたシーンや歌の印象では「ユダヤ教徒の悲しいお話」というイメージが強く先行してしまっていたので、観劇を経てビックリ! 「こんなに笑える、楽しい作品だったんだ!」 テヴィエが市村正親さんだった…という事も大きく作用しているのかもしれません。
反省したのは、事前にユダヤ教徒の“しきたり”について、ちょっと頭に入れて観劇すれば良かったな、と。 劇中、宗教的な行為や儀式がいろいろと出てきて「?」な部分も多く、後に「なるほど~」と合点!な部分も多々ありましたので、知って観てみるとより深く楽しめるのではと思いました。 私はあまり予習?をして舞台観劇をしないのですが、演目によっては必要かな、と気付かされたかな。
市村正親さん@テヴィエは、ホントにチャーミング☆ 神様に日々語りかける敬虔な教徒、恐妻家の夫、優しい父親。 どれをとっても「市村さんって…ほんとスゴイ!」と失礼ながら改めてそう思った舞台でした。 この作品はきっと今後も彼のライフワークとして演じ続けられていく事でしょうね。
個人的に好きだったテヴィエのシーンは“夢のお告げ”という事で妻を上手く説き伏せ「めでたい めでたい」と喜ぶ様と、長女の夫・モーテルの“新しい中古のミシン”をチラリと見るシーン。 どちらもその恐妻家ぶりに笑えました
今公演で一番の私的ヒットは駒田一さん@モーテル。 駒田さんは…床屋@ラ・マンチャの男のあの能天気ぶりがすごく好きなのですが、他の作品でのその化けっぷりに要注意役者さん! で、今回、気弱な仕立て屋のモーテルで更にガツン!と衝撃を受けました☆ 「す、すごいよ駒田さん!!
長女ツァイテルとの結婚を許されて喜び爆発で唄う【奇蹟の中の奇蹟】は「歌、ウマ~」と大感動☆ 駒田さんが唄ってるんじゃなくて、モーテルが唄ってるんですよ、モーテルという人が! これからも違ったお役で拝見する楽しみが増えました。
ツァイテルとモーテルの結婚式で踊られる“ボトル・ダンス” あれって本当に頭に載せているだけなんですね! ボトルを落としそうになった時、落ちる前にサッと手に取って踊りの輪をはずれ、新郎新婦に一礼して見物客の輪に加わりました。 「あ、落とした時はそういう対処なんだ…」と判明。 ロシア人チームのダンスは…太ももが鍛えられそうです。
どの曲も、他のミュージカル作品ではあまり耳にしない民族的かつ独特な旋律で心に響く名曲揃いなんですね。 長く愛されている作品であるか事が解ったような気がします。