赤坂大歌舞伎【赤坂ACTシアター】

まさかこんなに早いスパンで再びこの劇場で観劇するとは思いませんでした。
今公演が発表になった当初「へぇ~、赤坂ACTシアターで歌舞伎公演するんだ…」というくらいの反応でしたが、出演陣が発表になって慌てふためきました!
まさかこの座組に“市川段治郎”って名前があろうとは~びっくりびっくりびっくり しかも『【梅ごよみ】の悪夢再びか~?!』と激しく不安にさせられる世話物での大役抜擢に、心配でならず…遠征決定!
当初『劇場周辺には江戸の町並みを再現したような出店が賑わい~』という触れ込みだったので楽しみに参上しましたが、4~5軒の物販屋台が出店してるだけで…ちょ~っと拍子抜け。 のぼりはスゴイ数はためいてましたけど汗

江戸みやげ狐狸狐狸ばなし

フラメンコ伊之助ん~と、総体的に言うと「あれ~?こんなに面白くなかったっけ?」という感想汗 花道がナイので客席通路を多用した演出に、この劇場では舞台との距離が気になる二階席からの観劇だったので疎外感を感じたからなのか? 演目自体を見飽きた感があるからなのか?…そこはちょっと謎だったのですが、何故かしら残念な印象を受けました。 演者も全体的にセーブ気味な感じ?!
セットは盆がナイのか、周り舞台での展開ではなく…建物セット全体に車輪が付いていて、それを前後左右にスライドさせてゴロゴロと転換する手法。 音が気になるうえ、時間がかかる為ちょっと間延びする印象なのは仕方がナイようで汗
初めて拝見した扇雀さん@おきわは…扇雀さん、かなり太られましたよね? 勘三郎さん@伊之助からチクリチクリと体重ネタを言われてましたし、おきわって人妻の色っぽさが必要と思うのですが…思いっきり“体型が崩れた厚かましいおばちゃん”で、伊之助と重善が溺れる魅力が感じられず、ラスト三味線を弾いているくだりは「かわいそう…」というよりは「こ、怖い~汗」 結末を知っているから、あの大ドンデンの落差が今ひとつでそう感じたのか?

そして…観劇目的の段治郎さん@重善。 あまりにも心配しすぎて、覚悟して観劇に臨んだせいか?!「思ったよりヒドくなかった」 ってヒドイ感想ですが、とにかく中村屋さんに初抜擢いただいて臨んだ【梅ごよみ】の丹次郎が、あまりにもあんまりだったので…今回の起用に「だ、大丈夫かっ?!」とホントに心底心配だったのです。 これ以降、二度と起用してもらえなかったので、まさか今回があるとは思わなかったもんで、とにかく嬉しかったけど、ビックリ驚いた!
で「意外と良かった」です、ハイ。 頑張ってましたっ!
この座組に入ると、改めて背の高さと顔の小ささが目立ちますね~。 扇雀さん@おきわとの並びがアンバランス(彌十郎さん@又市との並びには迫力が!)
色ボケ生臭坊主ぶりは、目がシュッとしているからか?表情の動きが小さいからか? ギラギラとした嫌らしさはナイものの「俺はどうしてこんなにモテるんだろうな~」は、ちゃんと客席の笑いが取れてました♪ 重荷になった女から逃げ惑う様は【梅ごよみ】でも上手かったので、安心して観れましたが、意外にも亀蔵さん@おそめ(丑娘)との絡みは淡白。 亀蔵さん、遠慮があるのか?いつもの弾けっぷりよりかなり控えた印象で…残念汗 段治郎×亀蔵のこの場が観たくて遠征した!と言っても過言でナイくらい楽しみにしていたシーンだったのに~悲しい
筋書きのコメントで自身も話されてましたけど“無垢で純粋・清廉潔白”の役イメージを打ち破る、もっとドロドロと人間の嫌らしさを表現する役でも今後拝見したいです!
勘三郎さん@伊之助は以前はもっと“かつては女形だった”という事を彷彿とさせる女性的な感じだったかと思うのですが、その色が薄くなっていた印象。 フグの毒が回ってジタバタする場面での花を加えてのフラメンコは健在で、着物の裾をまくって見えたのは…【TBSのキャラクター・黒ブタ柄】の襦袢でした! ラスト、彌十郎さん@又市と傘差しての引っ込みで「赤坂で傘を差す…これがホントの“あかさかさかす”」で客席大爆笑☆

棒しばり

亀蔵さんだけ、二演目ともにご出演なんですね(@曽根松兵衛)
勘太郎さん@次郎冠者×七之助さん@太郎冠者でのこの演目は何回か拝見していますが…逆のパターンって上演された事はあるのでしょうか? 観てみたい。
今公演に限って改めて特筆する事は…ありませんでした。 安定。
さて…この劇場での【赤坂大歌舞伎】、定着させていくつもりの公演なんでしょうか? 今演目のチョイスが踏襲されるようだったら、私自身は今回のようなビックリ抜擢がナイ限りちょっと足が向かない劇場かも汗

トゥーランドット【赤坂ACTシアター】

思いがけず直前に観劇の機会を得まして、今月20日にグランドオープンしたばかりの【赤坂サカス】内にあります【赤坂ACTシアター】柿落とし公演に行って参りました♪
週末+春休みも重なってこの街全体がものすごい人出! 恐ろしいほどの人口密度にビビリました~汗 劇場内は27日が初日で開幕間もない為、ロビーや通路は花・花・花~と花が所狭しと席巻し、その香りでむせかえりそうで、館内移動のお客は花に遠慮しながら歩かなくてはいけないほど。 ロビーがひどく狭く感じたんですが…この花がなければ大丈夫なのかな?
宮本亜門演出による超豪華スタッフ・キャストが集結した全く新しいエンタテインメント祝祭音楽劇』というキャッチコピーの本作。 久石譲が全曲オリジナルで書き下ろし衣装デザインはワダエミ、そして主役のトゥーランドット姫には圧倒的な歌唱力を誇ると言われる台湾の歌姫・アーメイというなんとも興味をそそられる内容。
まず舞台セットやデザインがすごく好きでした! 私は二階席からの観劇だったのですが、これは全体が見渡せる方が楽しめると思うのでラッキーだったかも。 でも客席通路を使用する趣向も多々あるうえ、あの巨大階段の上に輝くように鎮座するトゥーランドット姫を見上げる…というのはより神秘性や抑圧された民衆の気持ちを感じる事が出来るのは一階席の方が楽しめるかも。
衣装は…館内案内スタッフさんも舞台衣装のような民族衣装で開演前から雰囲気を盛り上げてくれます。 コレがすっごく可愛い♪ 舞台衣装に関しては心に引っかかるものは特になかったのですが、色彩構成がスーパー歌舞伎【新・三国志】シリーズに似ている印象を受けました。 なんでも豪華パンフレットには衣装の布切れの一部が添付されているらしいです(購入してませんが~汗
音楽は“ザ・久石譲”でした。 メインテーマ曲は劇中リフレインされるので耳に残るのですが…全体的に通してサラッと流れる感じで“音楽劇”としての、セリフを歌詞に乗せて語る音楽としては弱い印象を受けました。 観劇後につい口ずさんでしまうような曲は皆無。
ん~、そもそも“音楽劇”であるなら、もう少し歌える人をキャスティングした方が良かったかと…。 本筋に関する重要な事をセリフとして歌っているのに、聴き取れてない事が多すぎる印象で萎えました。 アンサンブルでの大コーラスは迫力はあるものの…何を言っているか聴き取れない(席にもよるのかなぁ?)
姫メイク
青りんご アーメイ(張惠妹)さん@トゥーランドット
“圧倒的な歌唱力・アジアの歌姫”という触れ込みで本作への出演。 セリフのなまりは姫の毅然とした品格と冷たさを表現するには厳しすぎましたが、そこは歌でカバーするから無問題よね♪…と思いきや、その話題の歌唱力を発揮するには不十分な内容。 曲によるものなのか?日本語だからなのか? 聴く方も…恐らく歌う方もモヤモヤする感じがすご~く残る印象で残念。 いろんな事情での今キャスティングでしょうけど、アーメイさんでなければならなかった意味が全く感じられませんでした。 メイクはビョークを連想させました~♪
青りんご 岸谷五朗さん@カラフ
あくまでも個人的な意見ですが…王子様的なお役であるからして、もう少し若武者っぽいギラギラとしながら瑞々しい雰囲気の人が良かったような~。 氷の心を持った姫の心を溶かすような魅力が演技からも今ひとつ感じる事が出来ず。 歌は…思ったよりは。
青りんご 中村獅童さん@ワン
今ひとつトゥーランドットに対しての気持ちが薄く感じ、ただの暴君将軍のように見えてしまったような。 印象的だったのは早乙女太一くん@ミンを鞭打った後の絡み。 今作品の中で一番セクシーなシーンでドキドキしちゃいました。 が!歌がヒド過ぎました~! 全く何言っているか聴き取れない~。 獅童さん、今後も“歌舞伎以外の”舞台出演が続くようですが、もうそっちで宜しく!と思っていたのも…これも厳しいかも?汗 映像向きなのかな~。
青りんご 安倍なつみさん@リュー
客席に着いて驚いた事。 私の前一列全てアキバ系男子でした! 今までいろんな舞台を観ていますが、このような光景に遭遇したのは初めて。 どうやらココは“なっち後援会席”だったようで~汗 え~っと、なっちは…なっちでした。 全篇を通してキャンキャンとうるさく舞台進行と共に不快に感じてしまった事は正直な感想。 歌は…なっちでした。 すご~く頑張っているのは伝わってくるのですが…なっちでした。
青りんご 早乙女太一くん@ミン
実は初“生・太一”です! トゥーランドットに仕える宦官の青年役を妖しく好演。 舞の美しさは言わずもがなですが、所作と表情が美しい。 感情をぶつける様が一本調子に聞こえる事もあったのですが、思いのほか芝居が上手いので(失礼!ごめん!)驚きました。 縄に縛られて鞭打たれるシーンでは「腕、白っ!細っ!」女子でもあんなに綺麗な腕をしている人は稀かと~。 カーテンコールでは慣れないふうの初々しさがあってニッコリ。 太一くんの歌は…もっと聴きたかったな(あまり歌わないので判断出来ず~)
青りんご 北村有起哉さん@物売り
ストーリーテーラー的な役回りで幕開きから観客を引き込む訳ですが…この役は、きちんと歌える方が良かったかと。 ひょうひょうと身軽に立ち廻る様は重苦しい芝居進行の中にあって、貴重でしたが。
総勢60名にも及ぶ出演者が出そろって祝うラストは極彩色豊な豪華絵巻を観るようで圧巻。 しかしながら…“祝祭音楽劇”であったかと言われれば、このラストを除いては激しく謎。 そもそも音楽劇である必要があったのかな~と汗