乱鶯【北九州芸術劇場】

久し振りに“真面目にカッコイイ古田さん”を観た!(いのうえ歌舞伎《黒》BLACKですものね!) 脚本は倉持裕さん。
ちなみに“乱鶯”とは『春に鳴くはずの鶯が夏になっても鳴いているさまを表現する言葉』だそうで、「そいつぁ、往生際が悪くてイイや…」と、つぶやく古田新太さん@十三郎に惚れる。

ストーリーは…
古田新太さん@鶯の十三郎は盗賊の頭だったが、押し込み強盗に失敗し瀕死のところを居酒屋の夫婦(粟根まことさん@勘助+稲森いずみさん@加代)に助けられる。 勘助が病で逝った後、加代を助けて居酒屋で板前として働く十三郎の元に、昔の仲間、橋本じゅんさん@火縄の砂吉が、過去の素性をネタに協力を迫ってくる…。 ここへ十三郎と加代の恋模様が絡んだり、十三郎の更生を信じて罪を見逃した山本亨さん@小橋貞右衛門(幕府目付)の、息子・大東駿介さん@小橋勝之助(御先手組組頭)の立身出世に恩返しの為一役買おうと十三郎が奮闘…というのが大筋。

オープニングはいつもの大音量ヘヴィメタBGM…からの毎度激烈にカッコイイ“芝居タイトル”の表現にシビレていたら、いきなりの大人数の大立ち廻り! 舞台上で所狭しと展開される立ち廻りは、怪我しないかハラハラするほど超高速の殺陣と迫力圧倒される!

火縄の砂吉を追っている大東駿介さん@小橋勝之助が、彼らが押し込み予定の呉服屋へ送り込んだ引き込み役を探る為、十三郎と共に身分を偽って潜入するも、あからさまに不審者で思いっきり空回りする様がいろいろ可笑しい。 高田聖子さん@呉服屋女将のお幸に思いっきり尻に敷かれている逆木圭一郎さん@呉服屋主人・丹下屋総兵衛があんまりな扱いで笑える。 ちょっとくらい話し聞いてあげても〜。 そして…出た! 村木よし子さん@お照中谷さとみさん@お夏親子の面倒臭い客。 河野まさとさん@奉公人太兵衛の飄々とした様を持っても回避できないクドさで迫ってきます!! 笑すぎて、顔痛い…。 でもって要所要所で登場する粟根まことさん@勘助の幽霊。 「あれ?コレいのうえ歌舞伎BLACKだよね?」と途中まで心配になりますが、ラストは畳み掛けるような怒涛のシリアス展開!

橋本じゅんさん@火縄の砂吉の絵に描いたような“蛇のようにねちっこい悪党”ぶりがハマり、大東駿介さん@小橋勝之助の道化役から一変する最期、そして幕引き間際、ラスボスの登場vs十三郎の花火の映像演出が余韻を残して唸るほどカッコイイ! 大谷亮介さん@黒部源四郎(奉行所与力)、山本亨さん@小橋貞右衛門がビシッと締めていらっしゃいました。

いや〜、面白かった! 殺陣、スゴかった!

劇場
北九州芸術劇場大ホール
日時
2016.5.11(水曜日)/12:30〜

ラ★カージュ・オ・フォール【北九州芸術劇場】

今公演が発表された時から『9年振りの再演』『市村ザザ☆ファイナル!』に加えて、相手役のジョルジュが鹿賀丈史さん、とあって大人気公演間違いなし!と容易に予測は出来たものの、それをはるかに上に行く、初日~千穐楽まで連日スタンディングオベーションの大盛り上がりだったと聞く東京公演を経ての北九州公演。 よっ、待ってましたっ!
マジーハンナ…と、言っても実は個人的には真島茂樹さん@ハンナが一番のお目当て♪ 以前より事あるごとにマジーはこの作品のこの役について語る事が多く「それほど愛着のあるキャラクターって一体どんな役なんだろう?」と常々気になっていたもので「やっと観れる♪」と期待大☆
幕が上がり【ありのままの私たち】が静々と…でも何かものすごいワクワクする期待感が沸き上がってくるような、不思議な高揚感を感じました。 が、まだこの物語の入り口に立ったばかりなので、グロイ顔が凄い形相で(失礼!)でガバッと振り返っても、まだニガ笑いで戸惑う感じ汗 でも舞台が進むに連れて、どのダンサーさんも最高にチャーミングに見えてくる不思議♪ 新納慎也さん@シャンタルって一体何頭身?! めっちゃ脚線美人さんで華やかで目が奪われちゃいます。
鹿賀丈史さん@ジョルジュ、私、今まで拝見した鹿賀さんのダンディ系のお役の中で一番好きかも♪ 長年、夫婦として連れ添ったアルバンの…彼女?彼?の可愛いわがまま振りも甘んじている様にニッコリ。 アルバンへの眼差しがなんとも愛が溢れていて素敵です。 彼女をなだめて、おだててて、奮い立たせて~、「愛してるんだなぁ」とよく解る♪

キッチンからエプロン姿で登場の市村正親さん@アルバン(ザザ)は…おばちゃん、にしか見えない。 しかもと~っても可愛いオバちゃん(めっちゃ褒めてます!) でもジョルジュに対しての甘えっぷりは、未だに乙女☆で見ているこっちが照れちゃうくらい汗アルバン
ザザに変身しながら歌う【マスカラ】では、つけまつ毛を事も無げにサッと付ける様に見入っちゃいました!(私、付けた事ナイんで) 手慣れていてスゴイ…。
パンツスーツを着ていても、どこからみてもオバちゃん。 しかも、いちいち可愛いオバちゃん(褒めてます) だからこそ愛する息子ジャン・ミッシェルの真っすぐな言葉に傷つく様に涙が誘われました。
衝立てを隔て、ジャン・ミッシェルと婚約者アンヌの両親が来るパーティーへの欠席をジョルジュからお願いされる時、着替えの衣装が次々に衝立てに掛けられるそのテンポで、アルバンの心の同様っぷりが解り「一体どんな顔をしてるんだろう?」とせつなくなる。 「僕はその晩だけ彼ら向きの人間になる…」と、辛そうに振り絞って言うジョルジュの表情も苦く、トドメはジャン・ミッシェルの純真無垢な「アルバン、ごめんなさいっ!」という一言で落涙。 続く【ありのままの私】で心情を吐露するかのように気丈に歌うザザの姿に一気に心を鷲掴みにされました。 涙、涙…。
だからこそ後半の無理無理感のある“アルバン叔父さん”とノリノリの“アルバンママ”のコミカルさが抜群に活きるんだろうな♪ 観ていて顔が自然とほころんじゃいます。
ジャクリーヌの店でのジョルジュ&ジャン・ミッシェルの…アルバンママをはらはらと見守る親子っぷりがなんともイイ! 「ママ…やった方が良さそうだよ…」と観念してつぶやく息子の頭をバチコーン☆と思いっきり叩く父親に爆笑。 そしてまたまただからこそ【見てごらん(リプライズ)】が泣ける、泣ける~。 なんて素敵な親子なんだ!!! 心が綺麗な人たち…っていう感じを受けました。
他キャストについて…
山崎育三郎さん@ジャン・ミッシェルは、すっごくイイですね♪ 純真無垢で真っすぐな好青年が嫌み無くピッタリで、歌もかなり上達されたのでは?という驚きがありました(私、レミゼのマリウスしか拝見してませんが) エクボ、可愛いし♪ 今後のご活躍がすご~く楽しみ。
真島茂樹さん@ハンナは…そ~ゆ~お役でしたかぁ~。 鞭は本格的にバチバチ打っててビックリ! サバンナの女王?ショーでのハイレグ+美半ケツにビックリ! めちゃめちゃ輝いた表情で生き生きと演じていらっしゃる様に元気をもらいました。 マジー、最高♪ 満足、満足☆
香寿たつきさん@ジャクリーヌは、パンフのキャスト紹介扮装と全く違ったので、最初「誰?」 スタイルいい~♪ そして思いっきりパーンと弾ける明るさで素敵にノリノリ☆ 香寿さん、更に好きになっちゃいました。
今井清隆さん&森公美子さん@ダンドン夫妻は想定内のハマリっぷり。 島谷ひとみさん@アンヌは…いろいろ残念。 花井京乃助さん@ジャコブはセリフが聴き取りにくく、一人で芝居をしている感が否めず、うるさく感じてしまったのが残念。
やっぱり素敵な舞台に出逢えると“仮想世界を疑似体験”って解っちゃいるけど…本当にハッピーな気持ちになれます☆ ♪泣いた~ 笑った~ そして~感動~(ん?作品が違ってきてる汗

ペテン師と詐欺師 【北九州芸術劇場】

日本のミュージカル界を常に牽引し続けている2大スター・鹿賀丈史さんと市村正親さんがガップリよつに組んで話題となった2006年秋からの再演。 地方公演があるのはこの再演が初めてでしょうか?  映画【ペテン師とサギ師~だまされてリビエラ~】も観たコトがなく、この度初観劇♪
洗礼された手口で女性を虜にする凄腕詐欺師ローレンス鹿賀さん。 バイタリティと愛嬌に溢れるペテン師フレディ市村さん。 息ぴったりのお二人の軽妙なやり取りは観てなくても容易に想像出来ましたし、実際それを目の当たりにし充分堪能♪
鹿賀さんって…私、舞台ではジキル&ハイドとジャベールでしか拝見した事がナイので、このようにニコニコ笑顔溢れる明るいお役にまずは衝撃☆ Dr.と身分を偽った際、一旦舞台袖に引っ込んだかと思うと、めちゃめちゃ高い跳躍スキップで舞台中央に進み出て(すっごい笑顔)、足が不自由である事を偽った車椅子の青年(=市村さん@フレディ)の足をパッコーン☆と弾みを付けて殴打。 も~う、笑った笑った~♪
市村さんは、この所、父親役で拝見する事が多かったので、Gパンとスニーカー姿で軽やかに歌い動き回る若々しさに感嘆。 設定ではローレンスとは年齢の差がかなりある“若者”なんでしょうけど…市村さん、OKです。 客席に下りての客いじりや、ルプレヒトの弾けっぷりは“パワー120%”という印象で、その奮闘に拍手喝采☆
…で、私、実はこのお二人より3人の女性キャストに強く印象に残ったかも? というのも前段で述べたように、お二人は想像通りの範疇だったので、想像がつかなかったソニンさん、香寿さん、愛華さんの方にインパクトが。
ジャッカルasクリスティーン
ソニンさん@クリスティーンは【スウィーニ・トッド】での好演ですごく期待していたのですが…裏切らないですね~♪ 可愛いし、芝居も歌も上手いし☆ ラスト大変身~のパンチの効いた歌声は痺れました! スカッと壮快な幕切れに大きな役割を負っていると思います。 パラソルを支柱にしてクルリとターンを決めて真っ赤な唇でニカッと笑う演出。 コレ、すっごく効いてますね! 上手いっ☆
香寿たつきさん@ジョリーン・オークス。 私【M!】の男爵夫人でしか香寿さんって拝見した事がナイので「役者さんの化けっぷりって凄い…」と思わされました。 三の線もなんなくこなせる方なんですね~(そばかす可愛い!) ♪オクラホマ♪でセンターでバシバシ踊る様が妙に格好良く決まってしまうのは、さすが元ヅカ!の所以でしょう。
愛華みれさん@ミュリエル・ユーバンクス。 初めて愛華さんを拝見。 歌が…でしたが、キャラクターを的確に演じてらして、笑わせていただきました~。
あと~アンサンブルでひのあらたさんがご出演だったのですが「背高っ!顔小さっ!足長っ!」で、すぐ見つける事が出来ましたが、カーテンコールで「あれ?居ない?!」 消去法で考えると…サングラスをかけたアラブ装束男性がそうだったようで~。 タンゴを情熱的に踊るシーンが素敵でした♪
舞台美術がすごく好きでした。 特に、ローレンスの屋敷に押しかけたフレディが歌い踊るシーンで、赤ラメのナイアガラの滝のような糸幕(って言うのかな?)がヒラヒラしながら降ろされた時は「うわぁ~綺麗☆」と思わず声を上げちゃいました。 ゴージャス!
最後の最後に大どんでん返しが用意されていて、ローレンスとフレディと…観客も一緒になって「すっかり騙された~」と笑えてスカッ☆と出来る楽しい舞台でした♪
そういえば…ちょうど一年前もこの劇場に市村さんとソニンさんの舞台を観に来てたんだわ(スウィーニー・トッド

青い旗キャスト
ローレンス・ジェイムソン:鹿賀丈史/フレディ・ベンソン:市村正親/クリスティーン・コルゲート:ソニン/ミュリエル・ユーバンクス:愛華みれ/ジョリーン・オークス:香寿たつき/アンドレ・チボー:鶴見辰吾

スウィーニー・トッド【北九州芸術劇場】

東京公演を観劇された方からの「面白い! 再演があったとしても市村×大竹の共演なんて何年先になるか判らないから、今公演絶対観ておくべき!」との大プッシュを受けて、北九州公演、行って参りました。
観劇を終えひと言…「勧めてくれてアリガトウ♪」
ミュージカルと言うには、曲が難しすぎて(セリフの延長的な歌多し)耳に心地良く残り、観劇後もつい口ずさんでしまう…というものでもなく、だからと言ってストレートプレイとして舞台にかけると…それもまたヘヴィ過ぎていただけナイような。 『ミュージカル=歌を堪能』という人には不満が残るでしょうが、芝居として素晴らしい娯楽作品となっていて『ミュージカルとは芝居あっての歌』なんだ…と思いました。 役者の歌唱力はもちろん必須ですが、演者としての表現力の重要さを改めて知ったと言いますか…。 今主演コンビの演技は絶賛に値するのではないでしょうか?
かなりブラックなお話ですが、どこかしら“河竹黙阿弥もの”に似た印象を受け、ヘヴィなんだけど後味が悪くナイ…とでも言いますか。 いや、悪いけど…後を引かずカラッとしている…と言いますか???
ロンドン市内の?工場の…耳を突ん裂くようなサイレンの音は、終始観る側に不安定な落ち着きかない気持ちにさせ、なんとも言いようのナイ暗い影を助長するかのような印象的な使い方。 設定は18世紀末のロンドンだけど、陰鬱とした湿気と悪臭が立ちこめているようなセットは、19世紀以降の産業革命での大気汚染のような…そんな淀んだ空気が支配しているような印象。 ここに登場する人々は活気や大陽の光からは無縁のようであり、顔色が悪すぎる~!…って、このメイクは『死者の怨念』というテーマなんだそうで。
舞台上のセットの位置を、方向を替えるだけで、次々とシーンがスムーズに転換し、観る側にその情景イメージの膨らみを持たせ…『これが宮本亜門が称される訳か?!』と感嘆(実は私“初・宮本亜門”)
しのぶ@ミセス・ラヴェット市村正親さん@スウィーニー・トッド 理不尽な理由で、幸せな家庭を引き裂かれた上、15年間の流刑。 復讐の鬼と化した男の怒りと悲しみを静かに、そしてある時は爆発させ…それでもお笑いも忘れずに、という緩急自在とでも言うのでしょうか? 歌で、というよりは“演者”としての市村さんに感動
大竹しのぶさん@ミセス・ラヴェット ご覧になった方誰もが「大竹しのぶ、ってスゴイ役者なんだ!」と思ったはず! 私“初・生・大竹しのぶ”だったのですが「こういう人の事を役者と言うんだ」と感嘆しきり。 ガサツで、品がなく、貪欲で残忍…なのに、なんであんなにキュートなんですか~??? しまいには、あっけらかんとした逞しい生命力を持った魅力的な女性として観客の心をガッチリと捉えてしまいました。 歌は思ったよりは…でしたが、そんな事よりとにかく演技が~、役者ぶりが~凄いです、この人!
ソニン@ジョアンナ
ソニンさん@ジョアンナ 評判は聞いていましたが…「驚いた!」 高すぎる声と独特の歌い方でセリフとしては聞き取りにくいものの、上手いです。
この歌唱法は『ジョアンナ=籠の中の鳥=小鳥のさえずり』みたいな、世間から隔離された不安定な精神状態を意図している…んですよね?多分。 ちょっと…なつメロ【月がとっても青いから】の菅原都々子さんを連想しちゃいました~冷や汗 ですから、彼女の普通の歌い方?を是非聴いてみたい!と…今後、他のミュージカル作品へのご出演が楽しみになる好演でした。
あとは…
武田真治さん@トバイアスは、そのキャラクターを的確に表現! 城田優さん@アンソニーは、登場人物の中で唯一“正常値”にあり、かえって難しい役所だったかと。 立川三貴さん@ターピンの鞭での自虐は【ダヴィンチ・コード】のシラスを連想させて、マジ恐かった~。 キムラ緑子さん@乞食女の、実は…に「ハッ!」と胸を鷲掴みにされました。  斉藤暁さん@ビードルの眉がツボでした!

鉛筆今年12月全米公開予定で只今撮影中の映画【スウィーニー・トッド】! またしてもティム・バートン監督×ジョニー・デップ主演の強力タッグとあらば、面白くない訳がナイですし…今舞台と見比べて観るのが今からすっごく楽しみ♪
そう言えば…大竹しのぶさん@ラヴェット夫人を観ながら「ヘレナ・ボナム=カーターみたいな髪型だなぁ(@ジェームス・アイボリー監督一連の作品)」と思っていたら…映画では、なんと!そのヘレナがミセス・ラヴェットを演じるそうで☆ うっふっふ~♪

ピーターパン【北九州芸術劇場】

これって“ブロードウェイミュージカル”なんですね…って事は会場に行って初めて知りました!(ホリプロのオリジナル制作かと~)
昨年の公演における石川禅さん@フック船長の熱演は「再演があれば絶対観るべき!」というお薦めの声を多数いただいていたところ、今年の再演では北九州までやって来てくれるではありませんか~! この作品自体、九州初上陸ですよね?
2日間2公演でしたが…もちろん?両日行きましたよ。
初代ピーターパンは榊原郁恵さん(→沖本姉妹→相原勇→宮本裕子→笹本玲奈→中村美貴→宮地真緒)という事と、フライングがある…という事以外は舞台に関しては全く知識がなく、作品自体も今回が初観劇。 昨年がこの作品の日本上陸25周年という事でリニューアル公演され、演出の松本祐子さんは第47回毎日芸術賞・千田是也賞を受賞。 今年はその受賞作を更にグレードアップ!という事であれば期待大☆
ロビーには着ぐるみのピーターパンとフック船長が居て一緒に写真を撮れたり、『君も勇者になろう』と劇中に出て来るインディアンのような化粧を施してくれるコーナーもありで、開演前から子供達はすでに大喜び♪
ファミリーミュージカル特有の会場の様子や客席の反応、そして「みんなも一緒に!」な演出、目にも楽しいセットや衣装の数々。 可愛くて和みます~。
ティンカーベルの見せ方って…今まではどのような方法だったのでしょうか? 「なるほど、そう来たか!」と思って観ていましたが。
目玉のフライングですが…「こんなにスゴイとは思わなかった!」です。 もはや“ワイヤーアクション”です! 舞台を左右上下に頻繁に飛び回り、アッという間にワイヤーが外れて立ち廻ったかと思えば、いつの間にやら再びワイヤーに吊られて…と裏方さんと役者さんの見事な連携プレーで、本当に軽やかにピーターパンが空を飛びまわるので、次第に『宙乗りやってます!』という事を感じさせなくなるほど。
圧巻だったのはダーリング家からウェンディ、ジョン、マイケルを窓の外へ連れ出し、共にネバーランドに飛んで行くシーン! 屋内~屋外~夜空へ…という移動が、見せ方が素晴らし~い! スケール感があって観ている方も一緒に空を飛んでいるような気分♪
カーテンコール、客席真上を妖精の粉を振りまきながらのフライングは心構えがあったものの、想像を越えた大迫力で大歓声!! ホント「こんなにスゴイとは思わなかった!」 私、妖精の粉、浴びちゃいました~♪

宮地真緒さん@ピーターパン ヴィジュアルはバッチリなんです! ヴィジュアルは。 空気のようにフワリフワリと飛ぶ、体重を感じさせない軽やかさは、宮地さんの細~~~くて、長~~~い手足と、小~~~さいお顔で、より人間離れしている…妖精感たっぷり。 ちょっと低めの声は永遠の少年であり“ボク”という言葉に違和感が全くなく、クルクル変わる表情は豊かで、笑顔も魅力的。 しかし、しかし…です。 ミュージカルなんですよね、この作品。 CDデビューもしてるんですよね?宮地さん。 “ホリプロのアイドルが主演”という伝統があるにせよ、子供相手の作品であるにせよ、ミュージカルの主役としてはあまりにも、あんまり!(昨年よりは上達してる?) ヴィジュアルはバッチリ!なんだけど…ミュージカルだもんなぁ~、歌って踊ってナンボだもんなぁ~。
岩崎ひろみさん@ウェンディ この方の映像での演技を知らないのですが…舞台だから、子供相手だからあのような過剰な演技だったのでしょうか?(ちょっと…寒っ!て感じのはしゃぎようで…謎) 私の持っているウェンディ像とは全く違っていて、お話が進むにつれてこのキャラクターがよく解らなくなってしまいました。 物語のヒロイン、という位置付けですよね? う~ん…。
佐藤瑠花ちゃん@マイケル 恐ろしく演技も踊りも達者! 「実は大人なんじゃないか?!」ってなくらいダンスが上手くて…ちょっと恐くなってしまいました~。 今後どんな活躍をしていくのでしょう?!
蘭香レアさん@タイガー・リリー ヴィジュアルも踊り(動き)もキレイ♪ 元・宝塚の男役だそうですが、美人さんですね。 セリフらしいセリフ…ってそんなにナイのですが、インディアンのリーダーとしての気丈さがとても良く出ていて好演。
村木仁さん@スミー ラブリーすぎ♪ マンガにそのまま出てきそう! 欽ちゃん歩きや「ヨッコイ…しょ~いち」など父兄のウケも狙ってましたっ。 今公演、一番のお気に入りキャラ☆ (髪型がカワイイんだけど…難しくってイラストあやふや~です)
石川禅さん@フック船長/ダーリング氏 「噂には聞いとったばってん“想像をはるかに越えた特濃”やったばい!」…って感じです。
ダーリング氏は…ちょっと情緒不安定気味?で気弱と神経質な部分が交錯していてその変化が面白く、飼い犬のナナとの絡みもキュートで笑えます。 ラスト「なんとかなるか。あと5人くらい!」って…冒頭ではネクタイの結び方ひとつで仕事ができなくなって収入を失う~!と言っていた気弱さが一転、超楽天家に! 子供8人って…。
フック船長は「ホントに禅さん?」な極悪非道・最低最悪メイク。 閃いた悪巧みを子分の海賊たちに何故か?唄って聴かせるフック船長☆ 【フックのタンゴ】【フックのタランテラ】【フックのワルツ】と海賊たちと唄い踊るシーンは「嗚呼、やっとミュージカル!」 いろんなカラーの禅さんの歌声を堪能できるし、周りで船長をもり立てる海賊たちも個々にいろんなフリをしていて楽しい、楽しい☆ パシッと恐ろしくカッコよく決まったところで…♪カンコンカンコン♪と時計の音が聞こえてくると表情が一変、声も裏返り「ワ、ワニだ」と態度が豹変して固まっておびえる様は子供達に大ウケ!
大袈裟で、熱くて、濃くて…禅さん、ピッタリ~♪とウケていたら、「子供達はピーターパンごっこをする時に、フックの役を演りたがらない。どうしてだ?!」と叫び訴える場面では、客席シ~ン。 ただ恐くて、ちょっと間抜け…だけじゃナイフック船長の悲哀が皆に伝わり、やっぱり上手い方だなぁ…と思いました。
フック船長
疑問:子供たちも、ピーターパンも「お薬を飲みなさい」「お薬をのまなくっちゃ」とやたら出てくるんだけど…何の薬なんだろ?