アンデルセン【キャナルシティ劇場】

♪ワンダホ〜、ワンダホ〜、コーペンハーゲン…♪というフレーズが観劇後、頭の中をグルグル回る〜。 昨日初日を迎えたばかりの福岡公演を観てきました。 この後、全国ツアーに出るそうで、福岡がそのスタート!
私、この演目は初観劇。 そしてココまでバレエ色が強い劇団四季の演目を観るのも初めて! バレエ公演自体、あまり観たことがナイのでいろいろと新鮮で面白かった! 『あの童話作家・アンデルセン自身の話しらしい』という漠然とした情報しか持たずに観劇。

アンデルセンと言えば、私が子供の頃【アンデルセン物語】というアニメがあっててそのイメージが強い。 ♪お〜やお〜やアンデルセン、は〜ては〜てアンデルセン、ミスタ〜アンデルセン♪ キャンティとズッコは…妖精だったっけ?…って話が脱線!

うまくハマる表現が出来ないんだけど“バレエ劇団公演”のような、そんな印象を受けるほど、圧倒的にクラシックバレエの要素が強い。【ノートルダムの鐘】で、その圧倒的なコーラスの重厚さに、さすが劇団四季!と改めて感銘を受けたけど、今作はクラシックバレエの確かな基礎があってのダンスなんだな…と今度はその踊りの美しさと、ダンサーの層の厚さに感動。 やっぱりスゴイ劇団なんだな〜と、改めて思った!

「あ!人魚姫って…そうだアンデルセン作品だった!」と、もはやディズニー作品のような印象が強くなっていたので、再認識させられたのと、8月から始まる【リトルマーメイド】福岡公演の良いPRと予習になったのでは?と思える、劇中の【人魚姫】。 海の仲間たちはコミカルに、海中での表現はそれこそ水中を舞うように優雅に…と、このお話しはやっぱり悲しいラストの方が余韻が残るなぁ〜と。 他には【みにくいあひるの子】【はだかの王様】など、劇中劇的にあってお得な感じ☆

おっとりと夢見がちな竹内一樹さん@ハンス・クリスチャン・アンデルセンとしっかり者の弟子・横井漱さん@ペーターの対比が楽しい。 小川美緒さん@マダム・ドーロは他の作品ではBBのバベットしか印象に残っていないけど、THEバレリーナですね。 そして、 松島勇気さん@ニールスですよ! クラシックバレエの松島さんが観れただけで満足☆と言っても過言ではナイけど、このニールスのキャラクターがなかなか面白い男なんで、そのお芝居も楽しめた☆ クラシックバレエの男性のタイツって…股間よりもお尻のプリリッ具合が際立つのね〜。アンサンブルで川口雄二さんもご出演だったけど、残念ながらガシガシ踊る姿はあまり拝見出来ず…。

カーテーンコール、皆で手をつないで上手から下手に長い1列で横切るのが可愛かった♪

キャスト
ハンス・クリスチャン・アンデルセン:竹内一樹/マダム・ドーロ:小川美緒/ニールス:松島勇気/ペーター:横井漱
劇場
キャナルシティ劇場
日時
2017.6.11(日曜日)/13:00〜

紳士のための愛と殺人の手引き【キャナルシティ劇場】

2014年度のトニー賞ミュージカル作品賞など4冠を獲得したコメディ作品がこの度日本初上演! いや〜、笑った!笑った!面白かった〜! 次から次へと殺人が続くのに…。 再演があったら是非また観たい作品♪

ウエンツ瑛士さん@モンティ・ナヴァーロが、ダイスクイス伯爵家の相続権を早く奪取しようと、市村正親さん@伯爵継承順位が高い親族(8人=8役!)を次々と手にかけるストーリー。 市村さん演じる、その8名の強烈なキャラクターと死に様がオモシロくって、楽しくって♪ 特に、話し方が独特で出っ歯、そして古典的に鬘のズレで笑いをとる【聖職者】と、マッチョでやたらチンポジを気にする【軍人】(あの手握手って〜)が私は好きでした! この8役をこうも見事に魅力的に演じ分けるのは、日本のミュージカル俳優さんで…他にはちょっと思い付かないくらい、市村さん最高でしたっ! 各々のキャラクターってオリジナルもあんな感じなのか? 日本オリジナルの部分もありの役作りなのか?気になる〜。

ウエンツ瑛士さん@モンティ・ナヴァーロ。 カーテンコールの挨拶で「ミュージカル作品で福岡に来るのは初めて」との事で、私、初のウエンツくん。 クルクル巻き毛が外国の坊ちゃんって感じでと〜ってもお似合い!色白い!目の色、キレイ!と容姿にひとしきり見入っていたら、歌も演技も「これからどんどん、ミュージカル作品を拝見してみたい!」と思う好演。 市村さんの強烈キャラクターをそれぞれに受け止める間合いも抜群☆
シルビア・グラブさん@シベラ・ホルワードはまるで“キューティー・ブロンド”なみのショッキング・ピンクのドレスを次々に着替えて、目にも楽しい♪ こんな奔放な役で拝見したのは初めてだったかも?なので新鮮!
宮澤エマさん@フィービー・ダイスクイスは、ウブなのか?大胆なのか?優しいのか?空気が読めないのか?…というキャラを嫌味なく魅力的に好演。 シルビアさんとの対比が良い! 歌は…声が高すぎてセリフとしての歌詞が聞き取れず残念。
春風ひとみさん@謎の女(って役名?)は、1月の博多座【天ラブ】の時も思ったけど、表情がマンガみたい! コミカルな演技がいつも秀逸だなぁ、と思う。

残念なのは、私が観たい作品はいつも柿澤勇人さんはWキャストで「もう一方のキャストの方が観たい!」事がず〜っと続いてて、未だに劇団四季退団後のカッキーを観れていない事。 さて…いつ観れるんだろう?

キャスト
モンティ・ナヴァーロ:ウエンツ瑛士
劇場
キャナルシティ劇場
日時
2017.5.14(日曜日)/12:00~

 

紳士のための愛と殺人の手引き

石井一孝・博多ただいまコンサートPart.3【Gate’s 7】

今年1月の博多座公演【天使にラブ・ソングを ~シスター・アクト~】で汗っかきエディを好演した石井一孝さんが、早くも来福! 天ラブ、私は1回しか観劇しなかったけど、出演者の皆さんが博多ライフを満喫されている様子を見るのが楽しく、公演中はSNS等を見てたら…疑問が。 「石井さんは、何故そんなにも博多が好きなんだ?!」 よく博多座ご出演の役者さんはリップサービスで、劇場はもちろん街や人、食のことを褒めてくれるけど、石井さんからは口先だけではナイ、本気の“博多愛”をヒシヒシと感じ謎は深まるばかり…。 って事で、友人のライブ参戦に便乗させてもらい、その熱い想いを確かめに行ってきた! ピアノは松田眞樹さん。

Part.3とあるからは、3回目な訳で友人は皆勤賞、私、初参戦。 1日限り、昼夜2ステージ+トークショー&サイン会って、一人でどんだけ歌って喋るんや! 凄いノドだな!  Gate’s 7は初めて行ったけど、カズさんの濃い顔は後ろの席でもハッキリ認識出来る手頃な広さで良い空間。 残念なのはあの硬い椅子で結構な長時間はちょっとお尻が辛かった…。

大きく分けて【ミュージカル曲】【九州出身アーティストメドレー曲】【オリジナル曲】という構成で曲紹介やそれにまつわるエピソードも、もちろんご本人がしゃべって…歌って…しゃべって…。 タフ過ぎるだろ!
【チェス】、再演があったらぜひ観てみたい! 「安蘭けいちゃんと亡命して…」、【花嫁付き添い人の秘密】では「戸井勝海がヒドイ男で…」と役と役者が混同して話してるのが笑えた〜。 【スカーレット・ピンパーネル】の再演、今年こそ観るぞ!
前日に博多入りした後は、九州出身アーティストの動画をチェックしたというメドレーの郷ひろみ【マイ レディ】は似てた! チェッカーズの【ギザギザハートの子守唄】だったっけ?福岡市内の地名を取り入れた替え歌だったのは? いやはやそのサービス精神には恐れ入った〜。
私はシンガーソングライターや音楽監督としての石井さんを全く知らなかったので、オリジナル曲を聴けたのは良い機会♪

トークショーでは【ミス・サイゴン】でのオーディション〜サイゴンスクールでのエピソードに爆笑。 市村正親さんからもらって今もなお持っているという“パンタロン”、是非どこかで披露してほしい。 そして坂本龍一が、その時代に流行っている歌謡曲を研究して作った曲が【テクノポリス】という話は初耳だった!(山下達郎【硝子の少年】のエピソードは有名なんだ知ってたけど)

歌は揺るぎない上手さで、トークも素晴らしく達者な事を再認識したものの『何故そこまで博多が好きなのか?』は、よく解らないままだったなぁ。 カズさん“ゴマ鯖”はイイけどアニサキスに気を付けてね! 最近、流行りのように当った人の話を聞くから…。 そして、またの博多へのお帰りをお待ちしております

会場
Gate’7
日時
2017.5.13(土曜日)/17:00〜

王家の紋章【帝国劇場】

昨年夏の初演から早くも再演。「再演では結構手が入るだろうなぁ…」と素人ながらに思ってはいたものの、「ここまで変わるとは!」というビックリな変わりようで「驚いた!」というのが一番の感想かも。 セットも頑張ってバージョンUP!!

総括すると、サブキャラのサイドストーリーはバッサリ切って、新妻聖子さん@キャロル×浦井健二さん@メンフィスのラブラブ度をUP(キャロルの碧眼の設定はやっぱりナイ)。 そしてすご〜く解りにくかったイズミルがキャロルに心を奪われる様が解りやすくなっていた。 そしてロンリー過ぎる伊礼彼方さん@ライアンに何故か救済の手が入り、出番も仲間も増えていたっ!(ブライアン教授、お疲れ様!) でもって「キャロル…。」という斬新な幕切れはカットされてラブラブ大楕円の、まるでライオンキングのラストのようになってた(プライドロックに登ったシンバとナラのようだ!) 新曲もあり。 そして「これ、要らんやろ?」と勝手に思っていた演出がことごとく残っていた事にもビックリ〜! 荻田さんと相性が悪いのかなぁ?

1幕目の“アイシス無双”だった印象はかなり薄れてた。 古代へキャロルを引きずり込む演出は、あの上段から圧倒的な歌唱で客席まで威圧する感じが良かったのに、舞台をクルッと一周しただけになってしまって残念! とはいえ濱田めぐみさん@アイシスの歌は聞き惚れますわ〜♪ ミヌーエ将軍がアイシスに心を寄せていたエピソードも、ソロナンバーもカット! 唯一、メインキャストが再演で変更になった川口竜也さん→松原剛志さん。 この演出の変更に松原ファンはガッカリだったでしょうね〜。 矢田悠祐さん@ルカは、キャロルのそば近くに仕える設定も変更になった為、出番がかなりカットされ、楽しみにしていた市場での“ウナス×キャロル×ルカ”の三人ダンスが無くなっていたことに涙(今回は木暮真一郎さん@ウナス×出雲綾さん@ナフテラ+新曲)。 名場面“腕ポキッ”が、まさか無くなるなんて〜。 代わり『私を見て、初めて笑ったな。もう一度笑え、私の腕の中で』『愛いやつ』の萌えセリフが追加!

初演では全く感じられなかった“ナイル川”、水の表現の演出が大きな変更点のひとつで、1幕ラスト、キャロルが現代に戻る様子が解りやすくなっていた(ライアン兄さんよ、キャロルの身につけている服装に驚きはナイのかい?) リード財閥の一人娘が収容された病室があまりにも簡素で気の毒なうえ、看護さんが“思いっきり日本の看護婦制服”で笑える!  キャロル、どこに収容されてんの?! そして…古代へまた戻る様子はやっぱり解りにくい。

キャロルに心を奪われる様が解りやすくなった以外、唯一あまり大きな変化を感じなかったのはイズミル。 初演ではハッキリとした違いがあったWイズミルが面白かったけど、平方元基さん宮野真守さんにちょっと寄った感じを受けた。 そして宮野さんは相変わらず歯が異様なほど白い!見事な歯並び!

お話が整理されて解りやすくなった、豪華キラキラ☆ハッピーエンド演出の幕切れに「再演で解りやすくなって良くなった」という声が幕間や終演後に聞こえてきたけど(何故か【ガラスの仮面】という単語もかなりの確率で聞こえた!)、私は「この演出なら、次の再演はもう観劇しないな」という感想。 これなら宝塚で演じた方が作品が活きると思うよ…。

2017.4.14(金曜日)/18:30〜
キャロル:新妻聖子/イズミル:宮野真守
2017.4.15(土曜日)/13:00〜
キャロル:新妻聖子/イズミル:平方元基

フランケンシュタイン(中川×小西)【キャナルシティ劇場】

昨日に続いての観劇で、今ツアーにおいて中川×小西の組み合わせは本日が最後との事。 カーテーンコールで本人達も気が付いたようで、熱い抱擁を交わしてた♪
この記事は各役者さんの感想。

中川晃教@ビクター/ジャック。 あれ?こんなにセリフが聴き取りにくかったっけ?という出だしから、キャラクター故なのか?歌もすごく抑えている印象で「ん〜?あれ〜?」と戸惑っていると、ソロ曲で「アッキー、来タァァァァァァァ!」 やっぱアッキー、歌ウマ〜♪ 突出した才能や先進的な考え故に周囲に理解されず苦悩する姿や、孤高の様は似合うなぁと改めて魅入られる。 そしてジャックの弾けた残忍さは【時計のじかけのオレンジ】を彷彿とさせながらも、観ていて楽しい。 今回、柿澤Ver.が観れなかったのは悔やまれる!

小西遼生さん@アンリ/怪物の舞台を拝見するのは…それこそマリウス以来だから、これまた数年振り。 失礼ながら「上手くなったなぁ〜」という驚きが! 小西怪物は“悲しみ”が強い印象。 最初の出で死体から復活した時の声の出し方とか、すごく痛々しく、無の表情でありながらも「これは…ビクター、可哀想な事をしたんじゃね?」と思わせる雰囲気。 ほんの少しの間、カトリーヌと心通わせるシーンは凄く切ない。 たどたどしくしゃべっていたけど歌うとめっちゃ流暢…って【吃又】か! 階段上からビクターを見下ろして対峙するシーンは…闇が広がってた!

音月桂さん@ジュリア/カトリーヌ。 博多座【フットルース】でしか拝見した事がなかったけど「こんなに歌える人だったんだ!」という驚きが。 高音で伸ばす所とか不安定な部分もあるけど、総じて「これからドンドン東宝ミュージカルに出て欲しい!」と思った好演! お芝居もすごく丁寧。 お嬢様ドレス姿もすごくお似合いで可愛らしいけど、断然ジュリアが良かった! 彼女が歌う自身の悲惨な人生を語る曲が一番心に残った! しかし歯が真っ白で綺麗だな、音月さん!

鈴木壮麻さん@ルンゲ/イゴール。 この前から「せっかく◯◯さんが出てるのに歌が堪能出来ないなんて!」という不満がまたしても鬱積。 歌が聴きたかったよぉ〜。 しかし「ぼっちゃん」という美声にルンゲの人柄が素晴らしく表現され、またイゴールでは「こんな軽やかステップ健在なんだ!」と目で追ってしまう存在感

相島一之さん@ステファン/フェルナンド、何故のご出演? “シリアスなミュージカルは初めて”との事ですが“相島さんでなきゃ”という印象は受けなかった。 …って他のキャラも強烈過ぎるからなぁ。

濱田めぐみさん@エレン/エヴァ、は安心して聴いていられて、ひたすら耳が幸せ♪ エレンの時は【ラブ・ネバー・ダイ】のクリスティーヌっぽい、オペラっぽい歌唱で、エヴァは【アリス・イン・ワンダーランド】の帽子屋のようなパンチの、ドスの効いた歌唱で、歌においての二面性は一番あるかと。 この二役を演じるなら、うん!濱田さんだな!

難波拓臣くん@リトル・ビクーターは最初「今日は女の子が演ってるんだ」と思ったくらい声が高い! 昨日に続いて齋藤さくらちゃん@リトル・ジュリア、声がスコーンと通る。

舞台美術や衣装に特筆すべき事はナイけど、常に鬱々とした闇の中を模索している重い空気が感じられた。 再演は…きっとあるでしょう! ぜひ柿澤さん@ビクター+ジャックを観てみたいから続投お願いします♪

キャスト
ビクター+ジャック:中川晃教/アンリ+怪物:小西遼生/リトル・ビクター:難波拓臣/リトル・ジュリア:齋藤さくら
劇場
キャナルシティ劇場
日時
2017.2.11(土曜日)/12:00〜

 

福岡フランケンシュタイン