マリー・アントワネット【博多座】
2006年の初演時『東宝製作の新作ミュージカルをミヒャエル・クンツェ×シルヴェスター・リーヴァイで!』と大々的にPRされ、その期待も大きかっただけに「なんだかなぁ〜」「でも曲は好きだなぁ」」という印象が強かった作品。 …と同等の感想を持った人が多かったのか?否かは判らないけど、その初演以来、久々の再演。 他の数名のメインキャラも変更があり、それによって曲の増減もあったかと(パンフレット未購入の為、不明) 栗山民也さんの初演演出からガラリと変わった再演演出はロバート・ヨハンソンさん。 物語の狂言回し的な役で回り舞台でクルクル回って、そのポージングも印象的だった山口祐一郎さん@カリオストロの存在がきれいサッパリなくなった事が一番大きな変更点。
私、今公演2回の観劇で、最大公約数で観れるキャストを熟慮して…残念ながら原田優一さん@ルイ16世のみ観れず!
12年振りの観劇というものは、こうも覚えていないものか?!と自分にガッカリしながら、いやいや演出変わり過ぎで、もはや別作品なのでは?と思ったり…の繰り返し。 曲も【100万のキャンドル】【もしも鍛冶屋なら】と仮面舞踏会の曲くらいしか耳が覚えていない悲しさ。 舞台美術は観客のイメージに委ねず、きちんと視覚化されている印象。 特に印象的だったのは、民衆の女たちが川で洗濯をするシーンと、瓦版の記事が組み立てられていく様子を映像で表現しているシーンが面白かった。 そして直近で観たミュージカル作品が【1789】で演者も被るものがあって、「あれ?コレこの前観たような〜?」な表現も見受けられた。
2回の観劇を経た観劇を総括すると『新演出になろうと、やはり苦手演目だった』。 要因は二人のMAどちらにも共感できない事かと思う。 どのキャラクターに気持ちを寄せて観ればイイのか解らない。 …故に各キャストの感想を。
Wキャストでは…
マリー・アントワネット= 久々拝見の笹本玲奈さんは、悪くはナイけど良くもなく、綺麗だけど王妃には見えず特に印象に残らない不思議。 花總まりさんの歌は不安がなくなった印象で、王妃の立ち振る舞いはさすが。
マルグリット・アルノー=ソニンさんは【1789】の時も思ったけど、自身が役に入り込み過ぎていて『私、熱演してます!』感が激しく、酔って入る印象で、観客の気持ちの置いてけぼり感がすごく強い。 セリフが聞き取りにくい。 今後は他の作品では彼女は避けるかな。 昆夏美さんはちょっとまだ上品かな。歌は安定。
フェルセン伯爵= 田代万里生さんの歌は超安定。 古川雄大さんは歌、上手くなったなぁ〜。 でもクール過ぎて王妃への気持ちの熱さはあまり感じられない。
ルイ16世= 佐藤隆紀さん(原田優一さんは未観劇)、博多座エリザにはご出演がなかったので、博多座初お目見え☆ 歌は素晴らしく聴き入る! 表情があまり変わらないから、演技が淡白にみえたかも。
吉原光夫さん@オルレアン公は、初演のキャラクターは“胡散臭い+とぼけキャラ”な印象だったけど、今演出は“真面目に悪役”。 「おぉ♪カッコいい!」 黒髪のウエーブ長髪がとってもお似合いだし、何か企んでいそうな胡散臭い表情が良い。 劇団四季退団後に拝見したお役の中で一番好きかも。
駒田一さん@レオナールと彩吹真央さん@ローズ・ベルタンはレミゼのテナルディエ夫妻のような役回りで、歌えるお二人がちょっともったいない印象。 坂元健児さん@ジャック・エベールも彩乃かなみさん@ランバル公爵夫人も歌がもっと聴きたかったなぁ。
今公演、久光製薬がスポンサーで、劇場ではサロンパスやチケットフォルダ等の太っ腹配布が♪ 【東京2020】で張り切ってる☆
- キャスト
▼2018.9.16(ソワレ) - マリー・アントワネット:笹本玲奈/マルグリット・アルノー:ソニン/フェルセン伯爵:田代万里生/ルイ16世:佐藤隆紀/マリー・テレーズ:高畠美野/ルイ・シャルル:陣慶昭
- ▼2018.9.25(マチネ)
- マリー・アントワネット:花總まり/マルグリット・アルノー:昆夏美/フェルセン伯爵:古川雄大/ルイ16世:佐藤隆紀/マリー・テレーズ:叶英奈/ルイ・シャルル:長堀海琉
- 劇場
- 博多座
- 日時
- 2018.9.16(日曜日)/17:00〜、2018.9.25(火曜日)/12:00〜
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