髑髏城の七人 Season花【IHIステージアラウンド東京】
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その他観劇おぼえ書き ステージアラウンド東京, 劇団☆新感線, 観劇レポート, 髑髏城の七人
劇団☆新感線の代表作のひとつ【髑髏城の七人】シリーズが『花・鳥・風・月』の4シーズンに分かれて1年3ヶ月のロングラン公演に挑戦!という事で「これはしばらくオラが町で新幹線は観れない訳ね…」と第一弾“花”に行って来た!
開場した新劇場【IHIステージアラウンド東京】は、豊洲市場が予定通り移転営業してれば周囲はもっと賑わいもあったんだろうけど、ガラーン、ポツーンと建ってる。 気候が良い時期は豊洲駅から歩けるけど、夏の炎天下や風雪で凍える日は行き倒れそう…。 初日開けてからの劇場の造りに対する感想は、芳しくないものばかり(ロビーとか、売店とか、動線とか)耳に入ってきたので、心配しながら早めに入場。 問題のロビー等は思いっきり簡素で狭く、腰を落ち着ける場所もなく、幕間は人が溢れる〜。 これまた気候が良い季節は外に出て一服…も出来るけど夏や冬、雨の時はどうなるんだろう? 早めに入場しても食事を買うとこも、食事する場所も館内にはほぼナイので、天候が厳しい日は事前にお腹を満たしてから、劇場に行った方が良いかと。2階が全てトイレというのは新しい!数も多くて安心…(もちろん1階ロビーまで溢れて並ぶんだけど!)
肝心の舞台と客席は…円形の劇場内に複数の舞台セットが組まれ、スクリーンで仕切りながら客席が回転することで舞台転換!というスタイルで、これは世界で2つ目との事。 私の今回の座席はCブロック下手寄り後方だったけど「あ!今、回ってる♪」という時もあれば、スクリーンに映し出させる映像が奥行きのある動きをしているので「ん?今どっちが動いてる?」「上下に動いてる?」と混乱したり…。 『バーチャル映像に合わせて座席が動くアトラクションって感じ』ってのが一番近い感覚かも。 幕間にロビーに出ると「確かに動いてる!」 ロビーに掲示してある座席表も回転した状態の“現在位置”が示される。 これはサイド席の方が“回転をより体感出来る”かと。 構造上、仕方がナイのかもだけど、座席は造りは簡素で、千鳥なれど傾斜も思いの外なく前席の人の頭が結構かぶるので、座ったり足下の演技はさっぱり見えずストレス。 せっかくの本水を使った大かがりなセットも、水しぶきが見えて「あ!本水なのね」と気付く始末。 でも“百聞は一見にしかず”で、一度体感する価値はあり! 面白い! 舞台美術さん、創り上げるまでがすっごく大変だろうなぁ…。 セットしかり、映像しかり! あの奥行きある映像を何層にも左右のアール上のスクリーンに映し出す技術も凄い!(プロジェクションマッヒング的な感じ?)口をポカーンと空けて天井のプロジェクターを見入ってしまった!(そこ?) 演出家はこの舞台機構をフル活用してお芝居を組み立てなくちゃいけないから、更に大変そう。 ここでかかった芝居を他の劇場で…ってなると、どの作品でも大幅な改定が必要でしょうね〜。
さて、本題?のお芝居の感想を。 私、実はゲキシネを含めて“髑髏城の七人シリーズ”には縁がなく、今回が初観劇。 シリーズを見続けている方、今回の4Ver.を制覇予定の方は“同じ役を違う役者が演じる”楽しみ方があるんだろうけど、今回は劇場自体の舞台機構の目新しさに気を取られすぎて1回の観劇じゃ、芝居のあれこれを語るには私の許容量には収まらず…が正直なところ、なので“観劇レポート”とは言えない今記事、ご容赦!
作品自体は「ん…、ビミョ〜」が正直な感想。 個々の役者さんや舞台美術、各々の演出方法は素晴らしく見せ場があるんだけど、1本のお芝居として、作品として観た時の感想は「う〜ん。う〜ん…」そんな印象。 新感線の舞台でいつも思うのが客演が豪華な故、その各々に見せ場を用意する為か?それによって印象が散漫になる感じが更に強く感じた今舞台。 詰め込み過ぎなのか? 聖子さん、じゅんさん、粟根さん、右近さんの不在は、豪華客演を持ってしても補えないことを痛感! “らしさ”も足りない。
相変わらずタイトルの出はカッコよくてゾクゾクする! それを背にT.M.Revolution並みに風を受けて一人スッと立つ小栗旬さん@捨之介、アレ、小栗さん気持ちイイだろうなぁ〜♪ 舞台での小栗さん、初めて拝見したけど顔ちっちゃくて(舞台ではもうちょっと大き方が…)タッパがあって舞台映えする!、けどセリフがクリアに聞こえ辛い。赤褌をガッツリ見せての大立ち廻りの殺陣はキレがあるけど、いかんせんココの客席、足元の芝居が見にくくて残念。 観終わっての感想は「ん?主役だったよね?」というサラッとした印象。 役自体が強烈だからなおさらだけど、一番印象に残ったのは成河さん@天魔王。 ご本人は小柄なのに、存在感が凄く“でっけぇ”。 相変わらず声がスコーンと通る! 今回を含め、ルキーニ(エリザベート)、真悟(わたしは真悟)と特異なエキセントリックな役でしか拝見していないので、ごく普通の青年役とか観てみたいっ! 山本耕史さん@無界屋蘭兵衛への【夢見の酒の口移し】、大切なシーンだけにもっと“た〜ぷりと!”とお願いしたい。 『兄者!』が何故か耳に残る。 舞台のりょうさん@極楽太夫も初見。 びっくりするほど声がクリアで表情も大きく役にも舞台にもハマってる! 太夫姿も艶っぽくて良かったけど、武装姿がキリリと男前! 新感線の準劇団員の予感♪ 清野菜名さん@沙霧のアクロバティックな立ち廻りも舞台手前でさせると全く見えないよぉ〜。沙霧の気持ちの動きが解りずらかったなぁ。青木崇高さん@兵庫は“人懐っこい大型犬”という感じで、いろいろ空回りしているように見えるのは狙いだったのか? 古田新太さん@贋鉄斎はズルい。 出だけで、一人で持っていく。 ローラースケートも足元がよく見えないから、遅れて笑った! 河野まさとさん@三五、安定のいつものまさとさん♪ 村木よし子さん@およしが近年稀にみるおとなしい役でパンチがなく寂しい〜(私、思いっきり毒されている?!) 逆木圭一郎さん@安底羅の猿翁のお尻はいつも通り?キュート。
この劇場の舞台機構を余すところなく使う演出に新感線の“いのうえ歌舞伎”作品は最適☆ 各キャストが各々の見せ場セットにスタンバイしている舞台を客席が回転しながら見るカーテンコールは最高にカッコ良かった! 劇団以外の作品でどのようにこの劇場が活かされるのかを是非観てみたいと思った。
- キャスト
- 捨之介:小栗旬/天魔王:成河/無界屋蘭兵衛:山本耕史/沙霧:清野菜名/極楽太夫:りょう/兵庫:青木崇高/贋鉄斎:古田新太/狸穴二郎衛門:近藤芳正
- 劇場
- IHIステージアラウンド東京
- 日時
- 2017.4.12(水曜日)/18:30〜
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