十二月大歌舞伎・昼の部【歌舞伎座】

華果西遊記

昨年12月の再演でしたが、私は初観劇。 これでもか!これでもか!と繰り出す“蜘蛛の糸”の雨と、京劇チックな棒を使ったアクロバットや手品、子供達による孫悟空の分身に客席は湧きました。 猿弥さん@猪八戒は“ニンに合った”…と言ってイイのでしょうか? コミカルな演技で大いに笑わせてもらいました♪ 個人的な感想としては「この演目はもういい…かな?」(^∇^;)

弁慶上使

團十郎さん@弁慶の花道の出は圧巻でした! こしらえの大きさと豪華さもさる事ながら、團十郎さんの圧倒的な存在感の大きさに、客席が「おぉ~」とどよめきました。 この演目では“荒事”というような大きな立廻り等はありませんが「さすが荒事の成田屋」って感じでした!
館に腰元として仕える七之助さん@しのぶを尋ねてくる芝翫さん@母おさわ。 その母の明るいおしゃべりぶりが実に楽しいく、後半の悲劇への展開が際立ちました。 主君の為とはいえ、初対面で実の娘を殺さなければならなかった弁慶。 18年振りに夫に会えた嬉しさと同時に娘を失った悲しみにくれるおさわ。 父親の顔を知らずに息を引取ったしのぶ。 「生涯に一度しか泣かなかった」弁慶の豪快な大泣きぶりに涙を誘われました…(T-T)

末摘花

玉三郎さん@光の君の美しさと勘九郎さん@末摘花の恵まれない容姿の対比は笑いを誘うものでしたが、末摘花「心の美しさ、いじらしさ、健気さ、一途さ」が素晴らしく、光の君だけでなく観客は皆、彼女をかわいらしく思った事でしょう。 福助さん@侍従の姫様への忠誠心、芝のぶさん@侍女・狭霧の超現実的な立ち振るまい、勘太郎さん@惟光のナイスな受け答え、それぞれが役にぴったりハマって素敵でした。 3年振りの逢瀬の後、塀の陰からの玉三郎さん@光の君を見送り、團十郎さん@受領・雅国に嫁ぐ決心をするラストは…私、しばらく立ち直れないくらい号泣してしまいました!

浮世風呂

とっても観たかったんです、猿之助さんの【浮世風呂】♪ ニワトリの鳴き声と共に朝日が湯気がたった風呂場に差し込む演出が素敵! 湯気がもうもうとたつ闇から一転、明るい風呂場で猿之助さん@三助正吉が働き始める。 そこへ、三助を見染めた亀治郎さん@なめくじが現れて、口説きにかかる…という楽しい舞踏。 写真で観たり、話しに聞いたりしてはいましたけど…なめくじがあんなにセクシーとは! くねくねとした独特な動きと色っぽい視線で三助に絡む様は「きゃ~っ♪」って感じ(*^_^*) 塩をかけられてのスッポンでの引っ込みも楽しかったです(^o^)v

胸いっぱい!お腹いっぱい!って感じの“大満足の歌舞伎納め”となりました!