通し狂言《木下蔭真砂白浪》【南座】

翌月は同じメンバーでの演目が博多座で上演というのに…新作とあれば、我慢できずに遠征しちゃいました☆ だって、もし博多座であるとしても来年は絶対ナイ訳だし…待てません!

演目のコピーが…五右衛門もの通し狂言の決定版! 「魅せます。 宙乗り、大立回り、ほんのり涙」「美貌の女盗賊“お峰”」と くれば、期待はおのずと高まるでしょう?  翫雀さん、扇雀さん、橋之助さん、染五郎さんというメンバーによる三度目の通し狂言ですが、私は今回が初観劇。 いつもの歌舞伎よりはお客さんもリラックス…というか“楽しもう!”という感じで客席で構えていらっしゃるようで、笑いを取る場面、見せ場では、やんややんやの大喝采! こんなにニコニコしながら笑顔で歌舞伎を観たのって…初めてかもしれません!

さて…今回は“翫雀さん遠征”だった訳ですが…。 いや~、遠征してよかった…。 だって翫雀さん【サルティンバンコ】なんですもの!!!

翫雀さん@蓮葉屋与六(実は足利将軍に仕える武将)は、主君の名刀と一緒に崖から落ちてしまうのですが、 辛うじての途中の木の枝に刀と共にひっかかります。  枝の先の刀を取ろうと手を伸した瞬間、枝が「バキッ!」「ああっ!」 翫雀さん、谷底にまっさかさま~!  …と、そこでブランコ状態で体がフワッと宙に浮き、クルクル~と前転するんです!!!  動きに合わせて後ろの書き割りも回転していたような気がしましたが…あやふやです。  途中回転が止まると翫雀さんはピヨピヨ~って感じで手を羽ばたかせると体がちょっと浮いて…また落ちて回転~。  下手に引っ込む時はバイバ~イって手を振ったりして♪ ビックリするやら、笑えるやらでもう大変!
で、また下手より宙乗りの状態で足をバタバタしながら次の場に登場されまして、 羽ばたきながら、馬の背中にチョコンと着陸。 もう涙を流して大爆笑! 馬の背中から降りても、しばらく足元がフラフラしててセリフがおぼつかなく、 「いつもより多めに回っちゃったよ~」ってアドリブが! それを相手する染五郎さんは 必死に笑いをこらえて対応されてました~。  スーパーラブリーな翫雀さんにまたもやノックアウト!

豪快なお役の橋之助さんって初めて観たので、その迫力と“歌舞伎絵”のような見得での表情にはビックリでした! 五右衛門の葛籠抜けはもちろんですが、3階から花道に降り立つ逆宙乗りは圧巻! 雪玉(くす玉状態)を蹴破って五右衛門が登場すると同時に雪がバサーッと降ってきて、花道そばの人は真っ白! 客席大盛り上がりで、橋之助さん気持ち良さそうでした~♪

ホントはもっと演目全体の感想文をUPするべきなんでしょうが…何せ“翫雀さん遠征”。 お許しくださいませ…。