二月大歌舞伎・夜の部【博多座】

角力場

團十郎さんと新之助さんがそれぞれに関取を演じ、自分のご贔屓筋に対して仁義を切ろうとするお話。
王者の風格を持つ濡髪長五郎に対し、新参ものの放駒長吉のチョコチョコした落ち着きのない動きが笑えました。 でもなんと言っても爆笑だったのは翫雀さんの山崎屋与五郎! もう最高です♪ ナイスです♪ 長五郎を贔屓にするナヨッとした若旦那なんだけど、その贔屓ぶりが常軌を逸していて?爆笑なんです~。 第三者からみると「ファンとは皆あんな感じなのかな?」と自分に置き換えて考えた場合、ちょっと恥ずかしくもありました。 古典歌舞伎の演目でコレほど笑ったのは初めてでした♪ 私はコレで! 翫雀さんご贔屓になりました。
團十郎(濡髪長五郎)/新之助(放駒長吉)/翫雀(山崎屋与五郎)

吉田屋

以前は遊廓で豪遊していた伊左衛門が落ちぶれて、でも恋仲の夕霧には遭いたくて…というお話。 遊廓の主人のはからいで2人は久し振りに再会するのですが…他のお座敷に出ていた夕霧に対して伊左衛門はすっかりヘソを曲げてしまいます。 そのスネ方ぶりが、以前はイイとこのボンボンであった事を伺わせ、もうダダッ子の域。 笑えます! お座敷を広さを表現する幾重にも重なった麸の表現がスゴイ! 宿の女将のセリフには“博多ご当知ネタ”も盛り込まれたりして「さすがサービス業! よっ、女将!」ってな感じで楽しかったです。 でも…、あんな我がままなボンボンなのにハッピーエンドでいいのかなぁ~?
鴈治郎(藤屋伊左衛門)/扇雀(扇屋夕霧)/團十郎(吉田屋喜左衛門)

雪暮夜入谷畦道

「“心中もの”しかも深々と雪が降り積もる寒~い夜の設定。 う~ん、重すぎる。 お尋ね者となった直次郎が、江戸を抜け出す前に恋仲の遊女・三千歳に会いに行く…というお話。 太鼓の音だけで静かに降る雪の情景が伝わってくるなんて鳴りもの効果 ってスゴイんですね! おそば屋さんではホントにおそばを食べていたのにはビックリ! お話は寂しかったけど、音や小道具に感動した演目でした。 直次郎がピッ!と立つポーズは…なんだか「モデル立ち」でした☆ 私はコレで!芝雀さんご贔屓になりました。
新之助(片岡直次郎)/芝雀(三千歳)