2007・松井誠奮闘公演【福岡市民会館】

初・マコ様…でした
女形の美しさから【生きる博多人形】と称され、ショーでは自身が博多人形となり人形ケースから出てきて舞う…というのが人気の演目。
私、失礼ながら…マスメディアで拝見する限りにおいては松井誠さんの女形って、綺麗と思った事はなかったんです汗 だから【長谷川一夫の再来】というのは頷けても、美しい女形…ってのは「はて???」だったんです。 で、この度“生・マコ様”を拝見し…「綺麗!」です、ハイ。 ショーの途中に客席通路を何度か練り歩いてくれるのですが、間近で観た方が艶っぽくて綺麗~! 遠目より近くで観た方が美しい…ってのはスゴくないですか?!
只今、大河ドラマ【風林火山】で北条氏康を演じているマコ様なので(私、全く観たことがナイんです~)、ガッシリした武将体型でもあるのですが、これには歌舞伎の女形にはナイ“肉感的な色っぽさ”があるんですね~。 今後控えている舞台【乾いて候】の為に減量の必要があるそうですが、あまりヤセちゃうと女形をする時に困るとの事(体重の5~7kg増減は常時コントロール可能らしい)
総括。 先日、大衆演劇デビューした私。 再度言いますが…大物演歌歌手の豪華座長公演より断然面白いっ! “お客を楽しませる趣向”を存分に心得た演出と満載のサービスで、泣いて、笑って、目の保養をして…理屈抜きで楽しめる! 人気に納得☆の初・マコ様でした。

【第一部】娯楽時代劇:男涙の子守唄

あらすじ
とある温泉旅館の大切な一人娘が父親知れずの子を生んだ…という事で、家人らがその父親探しに躍起になっていたところに、一年に一度の贅沢!と温泉宿でくつろいでいたヤクザ者の旅人・時雨の半次朗がひょんな事からその父親に仕立て上げられる。 生まれたばかりの乳飲み子を押し付けられて「この子はあっしの子じゃねぇが、これも何かの縁。おいらが立派に育てらぁ。後で返してくれと言っても返さねぇ。後悔するな!」と子供を引き受ける。 太郎吉と名付け、男手ひとつで苦労を重ね育て上げ、親子の情も厚くなった太郎吉8才の時、生みの両親と思わぬ再会となる。 息子の将来を考え断腸の思いで身を引く半次朗であった…。
1時間弱のお芝居でしたが、私、最後はダダ泣きでした…悲しい 大衆演劇の王道・これぞ人情芝居!という感じで、会場のあちらこちらから親子の情愛に心を寄せてすすり泣きが漏れてました。
松井誠さん@時雨の半次朗は第二部のショーとの落差も計算されているのか?すご~く小汚い人足風情のむさ苦しい男を情愛深く熱演。 女優の五十嵐めぐみさんが客演されており、半次朗の務める大工店の男勝りな女親方お熊でピリッ!と締めます。 半次朗とのクスッと笑える演技のやりとりは絶妙☆ 驚いたのは子役ちゃん達の達者な演技! 近藤海太くん@太郎吉と、近藤杏海ちゃん@お弓は実際にも本当の兄妹らしいのですが…ウマイっ! あの涙を誘うあどけない無垢なセリフ回しに、私、ダダ泣きに拍車がかかりました~。
立ち去ろうとする半次朗にすがる太郎吉。 しかしその太郎吉の手を幼い妹・お弓が「兄上さま~」と手をとって引き止める演出の幕には大拍手拍手

【第二部】ショー:華・艶・舞 誠版レビュー

マコ様通常このような二部構成の場合、芝居の方が長い…というイメージがありましたが、マコ様はショーの方が長い! 和洋折衷の上、美はもちろん笑いも随所に織り交ぜてあり見応え充分!ってか、おつりが来るくらい大満喫・大満足のショー。 マコ様のお召しになる着物は全てご自身がデザインされたもので、この着物を観るだけても楽しい、楽しい♪ チラリと見える襦袢や八掛、掛け襟の細部に渡ってこだわりのデザインで、チェックに忙しく、その遊び心溢れる独自のデザインセンスに感嘆しきり。 す、すごいよ…マコ様。 途中、舞台上でお着替えタイムがあったのですが…その衣装替えの早さと、お尻を振ったり、表情で笑いを取りながらも完璧なお太鼓をご自身で美しく結び上げて…ハイ、鬘チェンジの素早さで拍手喝采! これはTVで観たことありましたが…舞台で観た方が数倍面白くてその手際の良さに驚きましたっ!
第一部の芝居で活躍した子役ちゃん兄妹が【壺坂情話】で夫婦役で舞踊る様は可愛いのはもちろんの事、すっごく、ものすっごく上手いっ! もうホントに驚き! どこぞの歌舞伎の御曹司よりよっぽど…上手いかと~汗
男性ゆえタカラジェンヌへの夢を諦めた…という客演ダンサー・神崎順さんが中心となった“タカラヅカ讃歌”ともいえるレビューショーも綺羅やかで楽しい! 神崎さんも洋装の女形で披露する一幕もあったのですが、チャイナドレスのスリットから覗く脚線美に「あら?ホントは女性?」と疑うほどの美しさ~。
大衆演劇の劇団には“三枚目女形”って定番なんでしょうか? お名前が判らないのですが…芝居、ショー共に客席ドッカン☆ドッカン☆湧く大活躍でした♪
終演後は、マコ様が拵えのまま出口でお見送り。 ココまで大きな人気劇団となった今でも、大衆演劇の原点にいる姿勢に驚き、マコ様人気に納得した奮闘公演でした。

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