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レ・ミゼラブル(別所×禅=千穐楽)【博多座】

前期一番好きな別所バルジャンでしたが、今期初にして千穐楽となってしまいました~。 禅ジャベールとの対決は“熱い演技対決になるに違いないっ!”とは確信していましたが、本日はお二人共千穐楽という事で、なお一層気合いの入った期待を裏切らない気迫の舞台であり、役者と一緒に舞台に入り込んで、観劇後は“共に闘いきった!”というような達成感と疲労感と脱力感と…涙。 イイ舞台でした~悲しい
石川禅さん@ジャベールについては別記事で語りつくしたので、本日は別所哲也さん@バルジャンと笹本玲奈さん@エポニーヌについての感想を…。
青りんご 別所哲也さん@バルジャン
“ならでは”のセリフ?…というか、つぶやき…というか、あるんですね。 燭台を盗んで捕まった時に「もらったんだよっ!」でまず驚きました。
その後の【独白】は“魂の叫び”という感じで、すごい気迫。 ♪またっ!あのっ!地獄へ~~~っ♪の血を吐く叫びから、一転しておびえ切った…♪先も見えない~♪という流れには、19年間の牢獄生活における壮絶な苦しみと怒り、恐れと不安が伝わってきて、燭台へキスという行為は、久々に人間らしい優しい心を取り戻した瞬間だったのではないでしょうか。 仮出獄書を破り捨て叫ぶシルエットに、映画【ショーシャンクの空に】の脱獄に成功したティム・ロビンス@アンディのあの両手を広げて空を仰ぎみて叫んでいるシルエットが重なりました!!(イイ映画だ…)
法廷のシーンでは、自分と間違えられて裁判にかけられている罪人を抱き起こして、ハグするんですね悲しい 他バルジャンはタイを投げ捨てて正体を明かすシーンから暗転までは、ジャベールに挑みかかるような目線というか、表情が多いと思うのですが、別所バルジャンは表情は険しいながらも目が悲しくおびえているような感じが、これまた印象的でした。
病院での対決は気迫と気迫のぶつかり合いで息を呑みました。 別所バルジャンは、最初の方はもしかしたら事情を正直に話せば解ってもらえるかも?と、ジャベールに切々と訴え始める感じで、次第に「あ…この人には何を言っても無駄なんだ」という諦めに変わっていく…という、という気持ちの変化が感じられました。
コゼットと森で出逢って、宿屋までの帰路の二人はどのバルジャンでも大好きなシーンですが、この二人はホントに楽しそうで微笑ましい。 遇った時からすでに父と娘な感じ。 テナルディエ夫妻との取引の場の芝居が細かいっ! ちょっとした笑いが起こる事も特筆すべきかと。 コゼットにお着替えさせてグルグル~の後は「おじさん、目が回っちゃったよ~」となって優しい笑顔でニッコリ。 きっとコゼットは母親以外に今まであんな笑顔を向けてくれた大人は居なかったんじゃないかな? それで一気に安心してお父さんとして胸に飛び込んでいったんじゃないかな?と思える“神が使わした人”の笑顔です。
別所バルジャンの、コゼットに対する父性愛はちょっとした仕草や表情にも溢れていて、愛情を一身に注がれて育ったんだろうなぁ…と思われるコゼットが、より一層素直で可愛らしい娘に見えてきます。 どの人間にも…弱者に対しても、砦で戦う学生に対しても、そしてジャベールに対しても平等に慈悲と愛を持って接している様が10年後パリ冒頭から溢れているので、すでに悟りを開いたような聖者くさい所が気にもなった事も確かです。
砦でのジャベールとの対決は…あんな哀れみを持ったような目で見られると、ジャベールはどんな罵倒よりも耐えられないだろうなぁ、と思う。 彼の孤高のプライドをズタズタにする懐の深い男・バルジャン。 “北風と大陽”みたいな…相手を折れさせるのに刃は要らないんだなぁ、と。
学生の中にマリウスという青年の存在に気がついた時「マリウスっ?!」と小さく叫んで、その後声をかけようとしてタイミングを逃す様とか…細かい(好きな人への告白のタイミングを伺ってる青年みたい♪) 【Bring Him Home】は、ただ歌が上手くて聴かせる…というより、牧師さんが教徒に教えを説いているような深い暖かさ。 そして砦で倒れた若者の残骸を目にして首を振りながら「ばかものっっ!」と叫ぶのは衝撃的! 「若い命を祖末にしやかって~っ」という父性愛溢れる叫びに涙、涙悲しい
下水道でマリウスを担いで歩くシーンでは天から差し込む僅かな明かりを見上げて「神よ!」と呟くのも印象的。 あの僅かに刺し込む一筋の光りに、地上の空の広がりと希望の光りまでをもイメージさせられたのは驚きました。
【エピローグ】では役者も観客もダダ泣き。 コゼットのおでこにキス。 別所バルジャンは命を終えて、次の世界に「はい、今、入った!」という瞬間が判るのですね。 フッと体が持ち上がったような感じで、「ああ、この人は旅立ったんだ…」と。 あなたはジャン・バルジャン、でした
青りんご 笹本玲奈さん@エポニーヌ
今期は“乙女度UP”なイメージ。 マリウスの事が本当に好きで好きで!という感じが溢れていて切なさ度は増しているものの、前半の“やさくれ度”というか、はすっぱな感じが薄くなっていてちょっと残念。 声も意図的に押さえ気味にしているのかな? それが“元気がナイ”ように取れた時もあり…。
その分…といいますか、表情がすごく良かった! 帽子を被ったてコートに身を包んだ様はまさに男の子って感じで、幼さが残りながらもマリウスからの言葉に一喜一憂する様は切ない。 初めて彼から頼まれた用事は恋敵への手紙の伝令と知る下りの表情の変化は素晴らしかった~!!
藤岡マリウスの「どうしたらこの君を助けられる?!」という必死さとアセリが【恵みの雨】を一層泣けるせつない感動的な最期でした。

青い旗キャスト
バルジャン:別所哲也/ジャベール:石川禅/エポニーヌ:笹本玲奈/ファンテーヌ:渚あき/コゼット:富田麻帆/マリウス:藤岡正明/テナルディエ:徳井優/ テナルディエ夫人:瀬戸内美八/アンジョルラス:坂元健児

青い旗男性アンサンブルキャスト
グランテール:松村曜生/クールフェラック:麻田キョウヤ/ジョリ:中本吉成/コンブフェール:菊地まさはる/フイイ:石井一彰/レーグル/司教:中井智彦/バベ:櫻井太郎/ブリジョン:藤田光之/プルベール:野島直人/モンパルナス:赤座浩彦/クラクスー:五大輝一/ガブローシュ:原田光
青い旗女性アンサンブルキャスト
買入れ屋:わたりあずさ/マテロット:清水彩花/ファクトリーガール:浅野実奈子/ジベロット:歌納有里/マダム:井上珠美/少年1:穂積由香/少年2:吉岡里奈/かつら屋:本田育代/リトルコゼット:田村遥果/リトルエポニーヌ:弓木野綾架

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  • 博多座文楽公演(3・4日)

    ●昼の部/11:00〜13:40
    ●夜の部/16:00〜18:10

  • akko-3(あっこさん)
    歌舞伎・ミュージカルを中心に舞台観劇好きな福岡市民でリゾートダイバー
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