アラビアン ナイト【スペース・ゼロ】

お誘いをいただきまして、私“初・文学座”。
…と言っても、今回は『子供も楽しめる大人の芝居』をコンセプトに企画された“文学座ファミリーシアター”という作品のひとつを観劇。 …なので、いつもの文学座のお芝居とはちょっと趣が違っていたでしょうね?
今作品【アラビアン ナイト】は4年前に好評を博したとの事でそれからの再演。

便箋 あらすじ
最愛の妻から裏切られた国王は、その妻の替わりに毎夜若い娘を妻に迎えては翌朝処刑するという残忍な人間に変わってしまった。 そこで国の娘と国王自身を救おうとシャハラザードという娘が自ら王の妻となる。 初夜“世にも不思議で面白い物語”を語り聞かせると、王は興味を示しその続きを聞きたいが為に、彼女の翌朝の処刑を延期する。そうして千日間、夜毎ひとつずつ語った物語も尽きる時がきた…。
有名な千夜一夜物語から【アリ・ババと四十人の盗賊】【ある乞食の物語】【船乗りシンドバッドの冒険】【アブ・ハサンが屁をした話】【ものを食べない奥さんの話】【妹をねたんだ二人の姉】を、目黒未奈さん@シャハラザードが、早坂直家さん@国王に次々と語り聞かせる。
舞台美術は傾斜がついた板目の丸盆のみ、が基本で、その上に木が差し込まれたり、切り穴から小道具を取り出したり…という、至ってシンプルなもの。
役者の衣装も全員全身白で、物語ごとに多少+α小物がある程度。
巧みな語りで物語とキャラクターの状況説明で舞台は進み、観客のイマジネーションにゆだねられる部分が大きく、それはなんの苦もなく皆、アラビアの世界へと誘われる
音楽は4人のミュージシャンによる生演奏で、使われる楽器は民族楽器も入れて30種もあるそうで、独特な世界観を演出に一役買っていたのも興味深かった!
“ファミリーミュージカル”という類いの作品は他劇団でも観劇したが、それは完全にその物語の世界を美術や衣装で造って見せるもの。 見たままのものに対して子供たちは各々に何かしらの感動を覚えるのだろうが、それに対し、シンプルに徹したこの舞台は“想像する力を育む”という作用が大きく働くと思う。 これはとても大きな魅力であろう
語られる話の中には初めて聞くものもあり、忘れかけていたものが鮮明になったり、面白かったり、怖かったり、リアルだったり…。
中でも【妹をねたんだ二人の姉】ではマスクプレイで、ますますイマジネーションをかきたてられ、人間の愚かさについて深く考えさせられ印象に残った!
とにかく初めて観るタイプの芝居だったので、とても新鮮に感じ大変面白かった♪

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