四月大歌舞伎・昼の部【歌舞伎座】

私は残念ながら歌右衛門さんの生の舞台を拝見する機会には間に合いませんでしたが、歌舞伎にスコーンとハマった時に頻繁に映像を拝見する機会に多く恵まれました。
で、今公演は【六世歌中村右衛門五年祭】(神道は○○回忌ではなく○○祭…なんですね)であり、六代目中村松江襲名披露&五代目中村玉太郎初舞台。 歌右衛門さんの得意とされた演目を拝見出来る嬉しさと、おめでたい舞台に立ち会える喜びを感じながらの観劇。 しかも…【伊勢音頭】以外は全て初めて観る演目でいつも以上にワクワクして歌舞伎座に足を運びました♪

狐と笛吹き

久々に歌舞伎の演目でダダ泣きしてしまった悲しい 両隣の席の人の視線が痛いくらいグズグスさせてしまい…失礼致しました汗
北條秀司が『今昔物語』のエピソードに想を得て書いた大人のファンタジー”…という事で、時折気恥ずかしくなるような台詞もあるけど…せつないお話。 ちょっと映画【キャット・ピープル】を思い出させる。
舞台の進行にあわせて四季の移り変わりの美術が美しく、目に鮮やかで楽しい
苦悩する貴公子を演じたら私の中ではNo.1な梅玉さん@春方は、相も変わらず爽やかな台詞まわしで、嫌みがなく、その苦悩と葛藤に心を寄せて観ることが出来、さすがな印象。 狐を抱いて帝に別れを告げる花道の引っ込みに号泣。
対して、福助さん@ともねは、スネたり甘えたりする様がやりすぎな感があり、狐である事を打ち明けた後も春方が永遠の愛を誓ってくれた事に喜ぶ姿と笑顔が…ニタリ、って感じで怖い(なぜキャイ~ンポーズなんだ?) しかし春方が絶望にうちひしがれるラストでの葛藤は、思いっきり涙を誘われる熱演。

高尾

久しぶりに雀右衛門さんの舞踏を拝見。 これって… 上演時間中の移動距離って、六畳くらいなもんですよね?(前席の人の頭がかぶって殆ど見えず~悲しい
自分の墓の前に亡霊として現れた遊女高尾太夫が、恋のときめきやつらさ、地獄の責め苦を表現…していたらしいのだが…見えなかった 荻江節にのせて。

沓手鳥孤城落月

国生くん@石川銀八(裸武者)は…その出で立ちに…豊満な胸にビックリでしたが、驚くほどしっかりとした立廻りで、身長に合わせたサイズなんだろうけど?長刀の扱いも決まっていて、二度ビックリ! ここまで一人で見せる舞台は初めて拝見したので、その成長ぶりに感慨深いものが。 演じるご自身も嬉々としたものがあり、最期の階段落ちにも度胸の良さが見受けられ、沢山の拍手が。
淀君は五世と六世の歌右衛門の当たり役…との事で、この度は芝翫さんが。 発狂してゆく驕慢な女は恐ろしく、人の判別も出来ない様で家来に色目を使う様は薄気味悪く…ちょっと【平家蟹】の玉蟲が思い出された。
しかし~、この発狂の様をなだめつづける女官役の皆さんは長~い時間、手を上下させて…お疲れさまです汗

関八州繋馬

近松門左衛門の浄瑠璃をもとにした舞踊劇で、六世歌右衛門さんが心血を注いで復活上演した大作との事。 この度は如月姫実は小蜘蛛の精実は土蜘蛛の精魁春さんが演じる注目の舞台であり、松江さん@源頼平玉太郎くん@里の子梅松…での襲名のこの演目では、東蔵さん@里の女小百合が若い女の役(娘でビックリ)で花を添えていたおめでたさも。 梅丸さん@里の子も好演。
時蔵さん@伊予の内侍は、このところ艶っぽい姉さんで拝見する事が多かったので、目に新鮮。 改めてクールビューティーです。
仁左衛門さん@将軍太郎良門は、久々に藍隈・仁左さんを観てそのカッコ良さに惚れボレ☆
魁春さんは三役って事になるんですかね? その変化の演じ分けで大奮闘に拍手~でしたが、土蜘蛛の精は…なんであんなに隈が汚いの? ず~っと気になって、気になって…気になって~汗
何故だが演目全体の感想、といよりは役者さん個々の印象が強く残った観劇だったが、ラストは“ザ・歌舞伎”な趣向で大満足な演目。

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