決闘!高田馬場【PARCO劇場】

開幕前から『三谷幸喜が初めて歌舞伎をてがける!』という事で大変な話題となっていた今公演は、チケット販売開始と同時にSOLD OUT。 自ずと期待は高まる訳で、開演前に買い求めた公演パンフレットのお洒落で凝ったデザインぶりに嬉々☆
♪パパパ、パパパ…パルコ歌舞伎、見参~♪と冒頭で唄い演奏する長唄&鳴物さん方は、舞台幅いっぱいに広がる長屋のセットの屋根の上にズラリと一列居並ぶ趣向。 劇中、セットの飲み屋内で小道具を使って演奏してみたり、登場人物の解説では…大相撲で物言いがつき、それについて審判委員長が解説をするようであったり(北の湖理事長に似てる!=東太夫)…と“演技”のしどころも多い奮闘ぶり。 実際、黒御簾内での本番の演奏は目にする事が出来ないので、コレは嬉しい趣向でした。
私は阪東妻三郎の映画やその他舞台化されたものは全く観たことがなく、実は今回が初めて接する演目でして、歌舞伎のジャンルとしては世話物って感じでしょうか?(実は三谷作品も生で観るのは初めて)
上演時間休憩なしの約130分間、次々と変わる場面転換や時間の流れが驚くほどスムーズな上、狭さも気にならない。 通常では花道位置の通路での多用は思ったより少なく、あればもっと距離感や時間の差が出せたりしたのではないかしら?とも思いましたが、これはこれで◎

総括的な感想としては…
染五郎さん@中山安兵衛が主役なんだけど弱い。 狂言回し的キャラクターなので、バーンと立つのが難しいのかもしれないけれど、弱い。
【三国一夜譚】でも思ったのですが、染五郎さんって…綺麗でカッコよく、華があり『主役を演じる為のような役者さん』と思う事度々なのですが(「人は見た目ですから」by堀部ホリ)、中心に立つと弱い印象が私は感じるのですが、何故でしょう?
ですから、観る側としては主役に感情移入して観る事が出来ず戸惑い、長屋の一員として安兵衛を応援する心持ちで観ればいいのかと観れば、ラストは安兵衛の“助太刀”為に命を落とす…その仇討ちが命に値するのかと考えさせられるやりきれない想いが残りました
とは言え、一言でいえば「さすがに面白い!!」
随所に観客を楽しませようという趣向が盛り込まれ、キャスティングも“適材適所”という感じであり、新たな魅力も発見!の楽しさもあり、今後の更なるご活躍が楽しみになりました。
特筆すべきは萬次郎さん@おウメさん。 最初に配役を知った時はこの座組へのご出演を驚き、実際に舞台で目にし「萬次郎さん、スゴ~イ」!
愛すべきコメディジェンヌ、という感じ。 それでいてきちんと世話物のおかみさん風情で、流石な印象。
染五郎さん、亀治郎さん、勘太郎さん。 三人とも私より年下なのに「お芝居が好き、歌舞伎が好き」という熱い一途な想いを持って、これほどの舞台興行を打ち立ててしまう情熱に大変刺激され、自分にハッパをかけられた舞台観劇でありました。
最後に超個人的なつぶやきとして…
『新しい歌舞伎にチャレンジ』というのであれば、従来の歌舞伎体制にはとらわれず、出演者全員の名前を告知媒体には載せてほしかった!
特に橘太郎さん@洪庵先生は、キャラ的には同じ並びでしょう? 印刷媒体や動画で一緒に走っててイイでしょう? 多分、歌舞伎に馴染みのナイ方は「あら、あのラブリーな洪庵先生は?」と思うのでは。 松竹のいろいろなしがらみで難しいのでしょうかねぇ。

便箋 掲示板にて舞々子さんからお寄せいただきました情報
『橘太郎さんは役付きの予定ではなく、稽古中に話が膨らんでいって、最終的にああいう大きな役になった』との事。 なるほど合点じゃわいなぁ~。 私、橘太郎さんファンなもので、ちょっと熱く語ってしまいました! でもあのラブリー洪庵先生のお写真、欲しかったなぁ~。

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