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わが魂は輝く水なり-源平北越流誌-【シアターコクーン】

今月、歌舞伎座では團菊祭だというのに…音羽屋さんから菊之助さん&亀三郎さんがご出演とは本当に驚きましたびっくり
私、初の“生・野村萬斎”なうえ、かねてより「亀三郎さんの声の良さを堪能出来る、もっとセリフが多い役で拝見したいなぁ~」と思っていた所にきて歌舞伎以外の舞台で初めて拝見出来る…おっ♪秋山菜津子さんもご出演だ~☆…で観劇決定! 実はどうやら来月の松竹座【七月大歌舞伎】も観る事になりそうなので(本目的は別の舞台ですが)、今月~六月博多座~七月松竹座…とまるで菊之助&亀三郎の追っかけをしてるかのようであります汗(とりたててファンでもナイというのに~) でもって気が付けばコクーンat蜷川作品も間をおかずして観劇している事に気が付きました(3月公演【覇王別姫】)
菊&かめさぶ
狂言界のブリンス・野村萬斎×歌舞伎界のプリンス・尾上菊之助の初共演を蜷川幸雄が演出…という事が話題となった今舞台ですが、一番印象に残ったのは詩的なセリフでした。 フレーズの一言一言が耳に残る…というものではありませんが、等々と流れるように語られるセリフには異空間に引きづり込まれるような感じを受けました。
このお話を書いた清水邦夫さんは自分の生きた時代をその作品に重ね合わせて書く事が多いそうで、表向きは源平合戦の様子が描かれたこの作品にも、実は書かれた当時(1970年代初頭)の連合赤軍による武装闘争が根底にあるらしい。 …のですが、もはやその時代から遠く離れ、歴史の出来事としか知らない私にとって「そんなの聞かなかったら全く解らんやった~」でした。
話題のプリンス共演は…野村萬斎さん@斎藤実盛尾上菊之助さん@実盛息子・五郎という役所。 平家の武将でありながら、源氏の木曽義仲の命を助けた過去がある実盛。 対して、その敵方である義仲軍に身を投じ、そこで切り株につまづいて命を落としてしまった(コレは嘘ですが)息子・五郎。 親子ともに敵方の懐深く入り込んでしまったが為の悲運の武将であり、その死に場所(五郎はもはや死んで亡霊ですが)を求めて彷徨う姿に壮絶な執念と悲哀を感じます。
いつまでも子供のようタダっ子のな頑固さと快活さを持ち合わせた老武将・実盛はピーターパンのようで、その実盛に陰のように付き添いながら心配し助言し、時には尻を叩く五郎はティンカーベルみたい…と思ったのは私だけでしょうか?(大っきいけど) 菊之助さん@五郎のお着物のフワフワ感に浮遊して飛び回っている雰囲気もあり、ふっくらと色白の肌にパッチリお目めめのストレート黒髪には“女の子”を感じたからでしょうか? 父親にしか自分の姿が見えないと思っていた所に、弟・六郎があたかも見えるように言った嬉しさに思わず抱きつこうとした所にサッとかわされ、地面にビタン!と顔から倒れ込む爆笑シーンでは、ハラッと袴がはだけて見える白い生脚に「女の子だぁ~」と思っちゃいましたし汗

よつばのクローバー 野村萬斎さん@斎藤実盛
もっと大きい方かと思っていたら…菊ちゃんと同じくらいの背丈なんですね。 甲冑を着ているものの、細い~。 60歳という年齢設定の為、大袈裟に顔に書き込まれた皺とウェービィ~な白髪に…ちょっとドラマ【のだめカンタービレ】の竹中直人@シュトレーゼマンを連想してしまった汗(ゴメン!萬斎さん) 若き日に義仲に託し、破れた夢をいまだに求めながら死に場所を探している老武将の錯乱する様はラスト迫真となりつつ…でもちょっと笑いも混ぜて引きつけられました。 戦場で己の白髪が目立つため黒く染め、なおかつ皺を隠すため化粧を施す様は…面白いながらも、鬼気迫るものがありました。

よつばのクローバー 尾上菊之助さん@斎藤五郎
幕が上がって紗幕の奥に佇む後ろ姿は…最初女性かと思いました汗 この初っぱなの五郎の膨大なセリフの量にまず圧倒されました。 前段でも述べましたが亡霊というよりは…でしたが「この人は生前、心が真っ白で真っすぐな人だったんだろうなぁ」と思わされる透明感が印象的でした。
「生きている人間は淫らだ、淫らな夢を追いすぎます」「死人は立派すぎる、高貴な夢を語りすぎる、とくにお前のような若い死人はな」…という親子の会話は特に印象的でした。
しか~し!團菊祭を蹴ってまで出るほどの舞台だったか?」…と言われれば、歌舞伎ファンとしては「團菊祭に出て欲しかった」と思ってしまったのが正直な感想です。
よつばのクローバー 坂東亀三郎さん@斎藤六郎
とにかく歌舞伎以外の拵えで拝見する亀三郎さんが新鮮! 無精髭にウェーブがかかった長髪を後ろで束ね、前髪がハラリと顔にかかっている様に「浅野忠信に似ている?!」と思ったのは私だけ?汗 声はさすがに良く、セリフにもすご~く表情があるものの…体が止まっている。 セリフを言っている時の体が全く動かず、しかも言っている相手に思いっきり向いているので…時には舞台奥に声が飛んでいってしまったり、袖に飛んでいってしまうのは残念汗 と言っても鮮やかな口跡なのでハッキリと聞き取れるのですが~。 とにかくセリフにすごく情感がこもっているのに体がパキッと固まってしまっている事に違和感がありました。 しかしながら総体的には今後の…歌舞伎以外の舞台でのまたのご活躍を期待させる舞台でした♪

よつばのクローバー 秋山菜津子さん@巴
「何故にロングブーツ?!」と今舞台で一番気になってしまいましたが~汗 こ~ゆ~タイプの凛とした強いカッコイイ…でも陰ある女はハマリ役ですね(でもTVだとコミカル系が多いのは何故?) 実盛親子三人を翻弄させ破滅へと導く魅力と、狂気の集団と化した集団を率いるカリスマ性は説得力がありました。 印象的だったのは唯一彼女の弱さを垣間みた「その眼は絶えずこの巴を責め続けた。時には哀れむように、時には冷たく刺すような視線で…」という五郎に対してのセリフでした。

よつばのクローバー その他のキャスト
長谷川博己さん@平維盛はひょうひょうとしたおどけた面白さに引き込まれました。 セリフの間とトーンがなんとも絶妙♪ 戦術をあたふたと練る家臣に「やっと私の意見を聞いてくれた」「ほれぇ~」には大爆笑☆ 背が高い方ですね~。 津嘉山正種さん@藤原権頭は実盛とのポンポンと遠慮のナイ会話が楽しくも、ピリリと〆る重厚感もあり。
舞台は森~海とそれぞれを行き来するような場面転換ですが、その転換がなんとも鮮やか☆ 合戦後の死体うごめく戦場の惨事では天井から白馬が逆さに吊るされていて衝撃的でした。 今回は…鏡はなかったな(客席通路使用は多用だったけど)

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