二月花形歌舞伎・昼の部【博多座】

昼の部は6日と前楽の22日、2回観劇しまして…昼の部のご挨拶は【渡海屋・大物浦】に唯一出演のナイ勘太郎さんが公演期間全て勤められました。 ネタ切れにならないのかしら?と思っていたら“今日は○○の日”という記念日ネタを取り入れていた模様。 私、ご挨拶のスタイルって『緞帳が上がると定式幕の前に口上スタイルで』と勝手に思っていたので「やぁ~、こんにちは~♪」と鳥屋口からスタスタ花道を歩きながら登場のラフトークにはビックリしました! 私は残念ながら拝見出来なかったのですが、夜の部で担当されていた亀鶴さんは“舞台~客席へトンボを切ってダイブする”パフォーマンス付きだったそうです。
今公演は不思議な狂言立てとなっていて、朝イチからド~ンと重い2時間の時代もの+所作事2本。 ま、軽やかな気持ちで劇場を後には出来ましたが…昼夜どちらか1つ世話物を入れて欲しかったなぁ。 登場人物が多くなるから人数的に難しいとか?
船 渡海屋・大物浦
以前の浅草公演で大変好評だったと聞いていた獅童さん@渡海屋銀平実は新中納言知盛、とても楽しみに拝見。 『悪くはない』総体的には失礼ですが、ホントにそういう印象でした。 浅草公演時もご覧になった方は、今公演はどのような感想を持たれたか伺ってみたいです。 矢を受けた血染めの白装束の迫力と姿の美しさにざわ付く客席に「獅童さん、やっぱり歌舞伎役者なんだなぁ」「さすがに華がある」と感じました。
今演目で一番立派で驚いた…と言ったら、これまた何様で失礼ですが七之助さん@女房お柳実は典侍の局! 好演☆ 今まで七之助さんは苦手意識が先行して受け付けられなかった部分があったのですが、このお役では女房と局の切替も見事で、特に局の高貴さと無念さとが実に上手く表現されていて引き込まれてしまいました。 恐らく、こんなに若い役者さんがこの役を演じているのを拝見したのが初めてだったので驚いた事も大きく作用しているかと。
愛之助さん@相模五郎×亀鶴さん@入江丹蔵の前半の“魚づくし”に代表されるおかし味の部分は、博多座のお客さん大喜び♪ 「うまかねぇ~」「面白かねぇ」と隣席のおばあちゃんはしきりと拍手されてました。
手負いの傷ながら局に注進に駆けつけた亀鶴さん@入江丹蔵に斬り掛かる武士に翫政さん! 今公演の翫雀さんのお弟子さんのご出演を知らなかったのでビクッリ嬉しく、力いっぱい拍手しちゃいました。 翫政さんGJ☆
そしてこの度、珍しい四天王を拝見しました…松之助さん×勘之丞さん×山左衛門さん×松三郎さん)。
でもって私、よ~やく海原に浮かぶ船の松明が消える様子を見る事が出来た~(いつもこの美術さんのナイス仕掛けを見逃すの~)
桜 高坏
勘太郎さんは、前回の博多座勘三郎襲名披露公演【雨乞狐】(2006.6)では怪我をして、千穐楽間近で降板…というご本人にとっても博多座観客にとっても残念な事がありましたので、今公演はリベンジです!
今公演の演目が発表された時、一番嬉しかったのはこの高坏です。 と~っても楽しみにしてました♪ が、故に初日明けて間もない観劇日に拝見した時は…正直ガッカリ冷や汗
公演開幕前の【ザ・博多座】インタビュー映像で「下駄タップなんて練習すれば誰でも出来るんです。難しいのは桜の下フワフワと酔っぱらって心地良くなったほわ~んとしたピンク色の空間をお客様に感じていただけるように演じる事」と勘太郎さん。 そこでいざ拝見してみると…出来て当たり前と豪語していた肝心の下駄タップが「あれれ~?」。 こういうお役の時はなおさら勘三郎さんの声にソックリな勘太郎さん@次郎冠者なので“お手本を忠実になぞってる”感が増々見えてしまって「ん~…汗」となった1回目の観劇。
「期待し過ぎた自分も悪い」と思いながらも肩すかしを食ったやるせなさを抱えたまま前楽を観劇。 驚きました! 格段に良くなってた! ふわふわピンクのニコニコ空間になってた! 前観劇時に感じたもやもやが全てクリアされていたんです。
今公演全ての演目において回を重ねて良くなったのは【高坏】が一番だと思いました。 芝居はやっぱり“生もの”だと改めて思わされました。
ラスト大名×太郎冠者との三人の連れ舞いでは客席から手拍子が☆ それほど観ていてウキウキと楽しい舞台となっていたんです~♪
七之助さん@高足売も飄々としていてチャッカリ者の様子が増し、太郎冠者との駆け引きは本当に楽しく、最初から安定していた亀鶴さん@大名某×國矢さん@太郎冠者は終始好演☆
博多座で上手にも五色幕がかかった演目…って多分初めてでした。
団子 団子売
こちらも博多座では2回目の上演(【團子売】2006.2=扇雀×翫雀)。 この時の背景も今公演と同じ太宰府さんでしたネ。
愛之助さん@杵造×亀治郎さん@お臼。 私、このコンビの夫婦って…初めて観たような? なんだかとても新鮮に目に映りました。
ツンとお澄ましが過ぎて表情に愛嬌のナイお臼は、とても団子屋のおかみさんには見えませんでしたが…所作、特に指先の動きや形が美しい。
杵造は…と言うと、そんな女房にベタ惚れ、という感じで女房に対して甲斐甲斐しい様子にニッコリ☆
でも~、二人が作る団子ってあ~んまり美味しそうに見えなかったなぁ汗(翫雀さん@お臼が特別美味しそうだったもの♪)

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