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九月大歌舞伎・夜の部【歌舞伎座】

平家蟹

岡本綺堂作の新歌舞伎。 冒頭には物語の背景を映像を交え白石加代子さんの語りで観客に伝える等の新演出もあり、私、初見の演目。
舞台は平家一門が滅亡し、壇の浦では生き残った官女たちが惨めな暮らしをしている…という場面から。 芝喜松さん京蔵さん芝のぶさんの三人の女官達がその日食べるものを浜で採りながら己の身の上を嘆いて舞台中央へ。 「私達も若くて美しければ“女”を使い、身を売るなどして、楽出来るものを」という趣旨をつぶやいて悲嘆にくれるのですが、「いやいや、芝のぶさんは充分イケるから、一緒にしないで!」と激しくツッコミを入れた不謹慎な私汗
え~、さて…芝翫さん@玉蟲も平家の女官で源氏への恨みを深く抱きながら暮らし、日々憎悪をたぎらせ、その容貌までも鬼気迫るものが表れているかのよう。 魁春さん@妹の玉琴の恋人(橋之助さん@那須与五郎)が源氏方の人間であると知り『女性の強い怨念と執着に、おどろおどろしさがあいまった展開』となる玉蟲の行動は『岡本綺堂が、江戸時代の草双紙からヒントを得て描いたものならでは』との事。
常軌を逸して不気味に高笑いする笑い声は耳について離れません! 私は芝翫さんの“恐い女”のお役、というのに何故だか縁がなかったので、その不気味さが強烈な印象として残りました。 舞台をうごめく平家蟹のリアルな動きとラスト海の豪快な演出は大変興味深かったです。

勧進帳

吉右衛門さん、8年振りの弁慶』という事で今月の歌舞伎座遠征を決定したほど 期待いっぱいでワクワクと観劇に臨みました☆
吉右衛門さん@弁慶×富十郎さん@富樫…とあらば、口跡ハッキリ対決というかセリフがポンポンと客席に飛んでくるような、圧してくるような感じを想像していたのですが、意外にも富十郎さんが低く抑えているような感があり、“どっしり”と重厚な印象が強い。 しかしながら、山伏問答の気迫は充分で思わず息を詰めて固唾を飲んで見入る…という感じの二人の芝居。 弁慶、富樫共に“男が惚れる男”という今月の両者だったような気がします。
弁慶の花道~舞台中央への…関所へ近づくまでの緊張感が素晴らしく、その気合いが四天王にも及んで家来連中のピリピリと神経を尖らした心臓の音がドキドキと聞こえてくるようで、弁慶の主君に対する思いが芝居ではひしひしと伝わるさすが感はあったのですが【延年の舞】など踊りの部分がちょっと淡白な印象が残りました。

植木屋

私、初めて拝見した、忠臣蔵外伝の演目でした。
上方和事の主人公にありがちな、つっころばし系のおぼっちゃんでナヨナヨしてて…でもイイ男でモテモテ、という弥七実は千崎弥五郎には梅玉さん。 カッチリと真面目な印象が強い梅玉さんでしたが、【人間万事金世中(松竹座2004年1月の宇津蔵)】から「結構笑える梅玉さん」という感が強くなり、以前よりも柔らか味が増しているような。 今後も貴公子路線に加えて…で、このようなお役を拝見する機会が増えてくるのでしょうか?
この手の主人公に絡む女性は、何故だかダメ男を一途に慕いあまり幸せでない末路を迎える事が多いですが…やっぱり!な悲しいお話なんですね。
時蔵さん@お蘭の方は、愛する弥七の役に立とうと高師直の愛妾にまでなって非業の最期を遂げるのですが…そのラストの演出が印象的
ちょっと遠くのお席からでは、あまりにもさりげなくて判りにくいのでは?と思われましたが、お蘭の方の意を決して籠へ入る表情、閉め切った籠の中で小さく叫ぶ声に、「彼女は幸せだったんだろうか?」と、自らを犠牲にする彼女の悲哀に涙しました。
前半はじゃらじゃらとして笑いところがある為、後半の悲劇性が際立つような印象でしたが、ちょっと中だるみするような気も。 私は好きな演目でした♪

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  • レ・ミゼラブル

    (2019.7.29〜8.26)
    ●昼の部/12:30〜15:40
    ●夜の部/17:30〜20:40

  • akko-3(あっこさん)
    歌舞伎・ミュージカルを中心に舞台観劇好きな福岡市民でリゾートダイバー
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