六月大歌舞伎・夜の部【歌舞伎座】

今回は…母親が「私を一度歌舞伎座へ連れて行け」と、いつも遠征している私に兼ねてよりスネていたので、親孝行遠征でした。…とは言うものの、私、今月の演目は何故かしら映像でも観たコトがなく、殆ど初見のもので母親そっちのけで大満喫でした。

盟三五大切

冒頭の川の船上での場。 舞台一面に貼られた川布は圧巻で美しく目を見張りましたが、それ以上に?時蔵さん@お六(芸者小万)と仁左衛門さん@笹野屋三五郎の夫婦のイチャつきぶりに目を見張りました?! だって…三五郎がお六を背後から抱きしめて、堂々と乳揉んでますから! いや、すんまっせん ココまではっきりと露骨な表現って…歌舞伎であまり観たコトなかったから、ですネ。
ま、このようにお互いに惚れ合っている夫婦にあって、金の為のその策略にハマったとはいえ吉右衛門さん@薩摩源五兵衛が時蔵さん@芸者小万に入れあげて身を滅ぼしてゆく様の滑稽さが際立ち、源五兵衛の“人の良さ”が前半は丁寧に描かれているだけに哀れに思えます。
【五大力】→【三五大切】と彫り直すシーンがなんとも色気が。 時蔵さん@小万の彫り終わった後に痛みを押さえるところとか、仁左衛門さん@三五郎に対して「しょうがないねぇ。けど嬉しいよ」というような風情がなんとも。
復讐の鬼と化した吉右衛門さん@源五兵衛は、黒い着物と裏地の赤の色彩が残忍な美しさを放ち、殺した小万に向かって「身どもを鬼には、おのれら二人がいたしたぞよ」と首を斬り落とし帯で包んで持ち歩く様は怖い、けど美しい。 彼は心底、小万に惚れていてこうする事によってようやく想いが遂げられたのでしょうね。 首を眺めて酒を飲む心情は恐ろしいながらも悲哀に満ちている様が強く伝わってきました。
仁左衛門さん@笹野屋三五郎は愛嬌のある悪党ながら凄みも持ち合わせ、時蔵さん@お六(芸者小万)はクールビューティーな部分が、源五兵衛にすまない気持ちを持ちながらも夫一途な女を感じさせ、吉右衛門さん@源五兵衛は無骨な人の良さが出て、それぞれ良く、この豪華な顔合わせと力量にお腹いっぱいになりました。

良寛と子守

富十郎さんの長女・愛子ちゃん初舞台
富十郎さんのお気持ちを思えば「早く舞台で共演を!」というのも解りますが…2歳ですか? もちろん可愛くて目が行きますし、ホンワカな気持ちにさせられましたが…「いかがなものか?」という気持ちが強く残りました。 はるばる福岡から出向いて、高い観劇料を払って、コレですか?という憤りにも似た気持ちがフツフツと湧いてきて…怒り 長男の大ちゃんも出演。
尾上右近さん@子守のおよしの踊りが、私的には救いでした(富十郎さん@良寛は愛子ちゃんが気になって観れてナイです)

教草吉原雀

「夜の部ラストにコレがあって良かった~」と思いました。 華やかで艶やかな舞踏だし、梅玉さん&魁春さん@鳥売りの夫婦歌昇さん@鳥刺しの男…と安心して?舞台を堪能できましたから。
【團子売】とか…こういう夫婦お揃いの拵えで踊る舞踏って好きなんです。 当時の風俗も解りますし楽しいですから打ち出しにピッタリですよね。

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