放浪記【博多座】
森光子さん主演の放浪記を博多座で過去2回観劇しましたが、ストーリーがあまりにも暗く、観劇後にど~んよりした気持ちを引きずる作品なので、もう二度と観ることはナイ!…と思っていましたが、主役の芙美子をバトンタッチで演じるのが仲間由紀恵さん、とあらば「ここはマルッと観なくては!」
博多座初お目見え、私も“初・生・仲間由紀恵さん”、作品の印象も変わるのでは…と期待して観劇。
仲間さん主演という事で、周りのキャストもガラッと若返えって、以前感じた…もっとジメッとした湿気のような、救いのない僻み根性のような、人間の荒んだ気持ちを広げてみせられるような色は薄れていた印象。 それでも、舞台転換の合間にスクリーンに写し出される写真と朗読される詩に、何度も暗い気持ちに引き戻されるのだけれど…。 羽場裕一さん@白坂五郎が口にする「芙美子の詩はゴミ箱をかきまわして、ぶちまけたような作品」というのは、ウマイこと言うなぁ…と。 この詩に触れると、救いのナイ深みにどんどん沈んで浮上出来ないような暗い気持ちにされられます。
仲間由紀恵さん@林芙美子は、カラッとした陽の部分は弾ける感じで公演。 作品名物“でんぐり返し”→“側転”のシーンでは、喜び爆発の様子を体いっぱいに表現している様が自然でイイ感じ☆ だけど芙美子がブサイクな女性として揶揄される様には、どう見たって美人なだけに説得力がナイなぁ〜!
若村麻由美さん@日夏京子は好演! 私、大好きな女優さんでもあるので多少贔屓目ですが、この役柄にすごくハマってる! 次々と変わるファッションも目に楽しく、全体的にどんより〜としたカラーの作品の中にあって、鮮やかに華を添える感じ。
村田雄浩さん@安岡信雄が好演で、彼の提供する笑いに随分救われました。 窪塚俊介さん@福地貢は、体も精神も病んでいる様が見事に表現されている暴君ぶりで印象深かったです。 他の主なキャストは永井大さん@藤山武士、福田沙紀さん@悠起。
作品の全体的な感想は「どうしてこんなに暗い作品が何度も再演を重ねる人気作なんだろう?」と私の理解の範疇を越えるものには変わりはありませんでした。
- 劇場
- 博多座
- 日時
- 2016.1.23(土曜日)/16:30〜
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