ミス・サイゴン(駒田×知念×上野×岡×三森×泉見)【博多座】

2009年に“博多座初の3ヶ月ロングラン公演”という無謀チャレンジな上演期間を経た後の、今回の再演はアッ!と言う間に終わった1週間という短さ。 極端! 市村正親さんが病気療養のため降板し、筧利夫さんがピンチヒッターでの奮闘公演(…と言いつつ駒田エンジニアのみ観劇)

私、この作品は苦手演目につき“新演出を観たことナイキャストで観る”というスタンスで観劇。 で、自分にビックリ! まさかの落涙!この作品で初めて泣いてしまいました〜! 前回の観劇時と自身の環境は何ら変わりがナイと思うのですが…何がツボに入ったのだろう?

舞台セットは中央にキュッと寄ったコンパクトな感じになってるんですね。 プロジェクターを使ったヘリコプター演出は映像と演者との位置が絶妙に計算されていて、前演出に引けを取らない功名さに拍手☆ “ アメリカン・ドリーム”のMissアメリカはレディ・ガガみたい? すでに完成されて馴染みのある美術や演出の全体の印象を変えずにガラッと新しいものとして生み出す手腕に感嘆!

サイゴンキャストキャスティングされた時から一番の楽しみにしていた駒田一さん@エンジニアは、予想した通りにさすがにソツなく上手い! ん〜、けど…ん〜、なんだろう? 思ってたよりは、残るものがナイというか? 上手いんだけど響くものがナイというか。 回数観ればまた違った印象になるのかもしれませんが。

知念里奈さん@キム あれ?知念ちゃんってこんな声高かったっけ? 最初は10代の幼さを表現するから余計に…なのかもしれませんが、ちょっとキンキンする感じで耳に入ってきづらい。 対して演技で泣かされてしまった! クリスを心から愛して信じ待ち続ける一途さと、裏切りを知った時の絶望の大きさに感情が揺さぶられ、気づけばポロポロと涙が〜。 タムに向ける母の愛もより強くなった印象。 今公演、実は昆夏美さんのキムが観たかったんだけど、日程的に×で、やむなく…でしたが、知念ちゃん失礼しましたっ!

上野哲也さん@クリス アメリカ人というよりはベトナム人にどうしても見えてしまう。 エレンへの愛情の方が深い印象を受け、薄情な奴に思え、キムの亡骸を抱いて慟哭する様が唐突に感じた。 歌は…印象に残らなかったけど、後半のグレーのポロシャツが汗で色が変わってしまうのが激しく気になった! 衣装さん、考えあげて〜。

岡幸二郎さん@ジョン どのくらい振り?お久し振りに拝見の岡さん。 声量が増した印象で劇場がビリビリと震える迫力が! 年相応の容姿の劣化は今回初めて感じましたが…(役柄もあるけど)。
三森千愛さん@エレン 元四季さんなんですね。 在団中は…多分拝見した事がナイのですが、エレン、特筆すべき事はなく。
泉見洋平さん@トゥイ 軍服の前ボタン、パツパツじゃね? ふくよかイズミンでしょうか? トゥイの粘着質の不気味さは前演出の方が印象が強くて良かったかな。 よって今公演では今ひとつ印象に残らず。
池谷祐子さん@ジジ 急遽?シングルキャストで奮闘。 前衣装よりはベトナム女性に見える…かな。 クラブのお姉さん方は露出が多いうえ、際どいポーズも多いので体のケアがいつにも増して大変そうやな〜、と観てしまいました〜。