キレイ〜神様と待ち合わせした女〜【博多座】

2000年、2005年、2014年に続いて4度目の再演だそうですが、松尾スズキさんの作・演出の舞台を観劇するのも私、初めて。 再演を重ねる人気作故か?千穐楽だからか?出演者故なのか?【満員御礼】。 ザッとあらすじを頭に入れて観劇に臨むも…難解過ぎる! 今まで私が観劇した舞台作品の中で山海塾公演や【毛皮のマリー】に続く難解さだった!! 前回の福岡公演の会場は西鉄ホールで8割程の入りだった(松尾氏:談)そうだが、今回の再演では博多座で上演!という事は相応の人気作であろうと思うのだが、いかんせん私には難し過ぎた…。(どの辺りが人気なのか?教えて欲しい) 

出演者は、大人計画のメンバーの中にもちらほら、神木隆之介さんも…と、博多座初お目見えの方が多かった。テレビでよくお見かけする役者さんが多くご出演されていたのも大入りの要因のようで、客席はいつもの博多座とはちょっと違う客層で、男性の年齢層も幅広いのが特徴的に感じた。

ミュージカル…というよりは音楽劇なんだろうか。 耳に残って口ずさめるような、メロディーが頭の中をグルグルするような曲はナイものの、ミュージカル作品にご出演の役者さんは難しい曲でも「あ、歌ウマいなぁ」と思わされる歌唱力。個人的には小池徹平さん@ハリコナ(青年)のちょっとイッちゃった感じの表情が怖くも引き付けられたし、皆川猿時さん@カネコ キネコには、そのインパクトにどうしても目で追ってしまう存在感。 橋本じゅんさん@ダイズ丸には笑いを、鈴木杏さん@ダイダイ カスミと麻生久美子さん@ミソギには芝居を観た!という印象。

ダンス オブ ヴァンパイア【博多座】

今年はなんと!元日が“2020年観劇はじめ”です!…って、博多座の元日公演は開業以来初ではナイかしら? 「元日からわざわざ観劇する人は少ないんじゃ…」という根拠のナイ推測のもと劇場に行くと…【満員御礼】の札がお出迎え。 「みんな好きやねぇ〜(お前もな!)」と思いながら館内へ。 正月公演で更に気合いが入るのか?博多座ロビーはいつにも増して大混雑・大盛況☆

V観劇は前回の博多座上演時以来ですが…ビックリするくらい内容を覚えていなかった! 印象的なシーンが断片的にヴィジュアルで覚えていたものの、曲も今ひとつ「こんなのあった…ような?」状態。 すでに帝劇観劇を経ての観客も結構いらっしゃったようで、アドリブやお笑いポイント、ダンスなどの反応は先導される印象を受けたかな〜。

前観劇時にはサラだった大塚千弘さんがマグダでご出演とはなんとも感慨深い! 博多座へのご出演も久々。 吉野圭吾さんのTバックが強烈な印象で残っているヘルベルトは植原卓也さんに代替わり…で、劇中は大人しい印象が否めなかったけど(衣裳も含めて)カーテンコールのダンスはキレッキレで美しかった! 期待していた森山開次さん@ヴァンパイア・ダンサーは思いの方印象に残らず、ヴァンパイアシンガーの皆さんの半端ない眼力の熱い魂こもった迫力ある歌唱の方に目が持っていかれました!

要所、要所ではショー的に楽しいけれ、作品全体として観た時にみると…次回再演があっても観ないかなぁ…という感想。 私は、ストーリーに入り込んで観劇するタイプの作品が好きなようです。

終演後は【お年玉プレゼント企画】として、山口さん、神田さん、禅さん、相葉さん、駒田さんが登壇して、くじ引き抽選大会。 当たりくじを読み上げる山口さんは老眼鏡を取り出して慎重に読み上げていらっしゃいました☆

キャスト
クロロック伯爵:山口祐一郎/サラ:神田沙也加/アルフレート:相葉裕樹/マグダ:大塚千弘/シャガール:コング桑田/レベッカ:阿知波悟美/ヘルベルト:植原卓也/クコール:駒田一/アブロンシウス教授:石川禅/ヴァンパイア・ダンサー:森山開次
劇場
博多座
日時
2020.1.1(水曜日)/14:00〜

十二月大歌舞伎・昼の部【歌舞伎座】

今回、昼の部は【Aプロ】と【Bプロ】があり、私はBプロで、梅枝さん@阿古屋で観劇。

たぬき

私、この演目を観劇するまで【らくだ】と勘違いしていて、途中まで「ん?こんな話だったっけ?」と軽く混乱。ほら“ひらがな三文字”だし、“棺桶お笑いもの”だし〜。 「朝イチで、らくだをかけるなんて珍しいなぁ…」と、途中まで疑いもしなかった間抜けでございます〜。 おそらく初観劇の演目。

初演は昭和28年という新作歌舞伎なので、セリフ回しは現代口語に近いためか?中車さん@柏屋金兵衛の芝居がひっかかる事なく、気持ち良く観れた印象。放蕩三昧で終わった『最初の命』のダメっぷり、『二度目の命』を生きる生真面目っぷりという二面性を観れる可笑し味と悲哀の緩急が良かった! 特に成長した息子に遭遇するシーンは印象的。 彦三郎さん@太鼓持の蝶作と笑也さん@芸者のお駒のコンビも良く、また児太郎さん@妾のお染は若いながらにその器用さに驚いた。

笑って、笑って…さて、自分は?と考えさせられた。

保名
玉三郎さん@保名は今回で三度目との事で、私、初観劇。
「こんなに美しい男が気を違えるほど愛した榊の前は一体どんな女性だったんだ?!」と興味を掻き立てられて、その登場を今か今かと待機していたら…玉三郎さんのソロで終幕。 「あ゛…」 キャスト表を全くチェックしていなかった私。 玉三郎さん演出なら、そりゃそ〜なるわな、という静謐な悲しみと美しさに満たされた保名でございました。
阿古屋
私、玉三郎さん以外で拝見するのは初! 梅枝さん@阿古屋です。
児太郎さんも共に今回で二度目だそうですが、素晴らしかった! ヴィジュアルはホントに浮世絵に描かれているような美しさがあり、その線の細さに容疑をかけられた様に同情と、応援の気持ちを持って観劇する感じの阿古屋。 三味線、琴、胡弓の演奏では、特に胡弓の見事さに息を詰めて聴き入り、手がいたくなる程の拍手喝采を送った!! これからも上演を重ねていくであろうお役の厚みを見守りたいと思えた感動の演劇でした。(児太郎さんも拝見したかったなぁ〜)

十二月大歌舞伎・夜の部【歌舞伎座】

神霊矢口渡
梅枝さん@娘お舟と松緑さん@渡し守頓兵衛は共に初役との事ですが、凄くイイ! 梅枝さんさんは『一見おとなしくて控えめそうなんだけど、強い意志をもって行動に移す女性』を演じたら凄くハマる方なんだな、と認識。 歌舞伎演目でありがちな「一目惚れでそこまでするかよ!」という突っ込みを弾き飛ばす行動力は、強欲非道な父親に立ち向かっていくには充分であり、人形ぶりも見事!

本朝白雪姫譚話
実は今回の遠征【歌舞伎版“風の谷のナウシカ”】観劇が目的だったものの…チケット取れずに断念。 そこへ『玉さんが白雪姫!』という朗報を得て、やっぱり遠征となった経緯が…。

継母は児太郎さん@野分の前(25才なのに69才の母親役って!その69才が16才役って!←そこが歌舞伎だ!)は、何度も自分の美しさを梅枝さん@鏡の精に尋ね、地団駄を踏む様は滑稽で笑いを誘い、また段々と狂気を増してくる様は解りやすかった。 対して梅枝さん@鏡の精の硬質な感じもまた良き◎ 二人の掛け合いと鏡写しの舞踏は美しい☆ 

玉三郎さん@白雪姫は、ちょっとこそばゆくなるほどのポワポワとした天然の可愛らしさを振りまき、そのちょっとズレされ感じられる受け答えの様に笑いも起こる…というキャラクター設定に驚く。 白雪姫のライティングが「かぐや姫か?!」と突っ込んでしまうほどのキラキラ具合で、そこは…ちょっと…なんだろう?“美少女戦士の変身もの”を連想してしまったのは何故だろう?

七人の小人は子役さんたちが大活躍! セリフや踊りやなかなかのボリュームで、おばちゃん、大変感心させられました!

演目として、ここまでメルヘンな演出とは思わず戸惑ったものの、児太郎さんの達者振りに感嘆した観劇となりました。

カモメに飛ぶことを教えた猫【福岡市民会館】

劇団四季、久々の新作ファミリーミュージカル作品!
【人間になりたがった猫】が大好きな私は、ポスターも同じイラストレーターさん?が描くネコだし、四季のファミミュは全般に好きなので、観劇をすごく楽しみにしてました(の、わりにはチケット発売日を忘れて出遅れた席だったけど!)

ファミミュ恒例のような、開幕前のお約束のような語りも歌もなく、カモメの群れの群舞でスタート。序盤でいきなり“母カモメの死”という重いシーンが展開されるけど、彼女が何故瀕死状態なのか?という事をもう少し解りやすく重きを置いて伝えた方がイイのでは?と思う(油による海洋汚染などは更に深刻度を増している現状なので)

何処かで観たことがあるシーンや演出、あの作品のあのキャラクターに似ている…という既視感を感じながらも『エエ話や〜』『面白かった』と観劇後は心温まる可愛らしい作品でした。 前田更紗さん@フォルトゥナータが飛ぶシーンの演出は当然宙乗りかと思っていたら…そうか!全国公演仕様の必要があったか! ひな鳥期間の体勢は辛そうだった〜。 厂原時也さん@ゾルバ、人望?猫望?

終演後のキャスト出口お見送りは健在だったけど、四季のミュージカル化に合わせて原作本が改版として出版されているようなので、読んでみようと思う。


キャスト
ゾルバ:厂原時也/フォルトゥナータ:前田更紗/大佐:志村 要/秘書:三宅克典/博士:青木 朗/ブブリーナ:宮澤聖礼/マチアス:町田兼一
劇場
福岡市民会館
日時
2019.12.7(土曜日)/13:00〜