ビリー・エリオット【梅田芸術劇場】

映画【リトル・ダンサー】が大好きで、舞台化を知った時は本気でイギリス遠征を検討した経緯がある私。 舞台映像を観て「いつかは!」と更に遠征をもくろんで10数年…。まさかの日本人キャストでの上上演発表に、歓喜したのはもちろん不安も…とうのは作品ファンの方なら誰しもそうだったでしょう!

当然ビリー役は熾烈なオーディションが展開され、全国から応募総数1,346人の中から選出された4名が決定、後に1名追加! 加藤航世くん、木村咲哉くん、前田晴翔くん、未来和樹くん、山城力くん。 オーディションから開幕までの様子はドキュメンタリー番組として放映され、上演時に感じた不安は見事に払拭して、劇場に足を運ぶことに♪

私、遠征は大阪公演に的を絞っていたので、先に開幕した東京の舞台の様子をいろいろと耳にしながら楽しみに遠征でマチソワ観劇! すると…残念なことに、未来和樹くんが成長痛のため大阪公演は全て降板(前田晴翔くんと山城力くんが代役)! 個人的に熊本出身の未来君を応援していたので、残念…って、開幕までものすごい時間をかけて準備をしてきた本人が一番残念だろうけど…。 この頃の年頃は身体の変化がめまぐるしいから、順調な成長は嬉しいことだけど、複雑ですね。 未来くん、またいつか舞台での活躍に遭遇出来る機会を願ってます!

散々イギリスでの舞台録画を観たり、聴いたりしていたけれど…やっぱり生の感動は大きい! バレエガールズの子役ちゃんたちもプロ!と唸る好演で、ぽっちゃりキャラの子がとってもキュート! 炭鉱夫等の大人たちのコーラスの重厚さが、舞台であるストで重い雰囲気の立ち込めた炭鉱町を感じさせ秀逸
マチネは最年少ビリー木村咲哉くんは笑顔が最高にカワイイ! ホントそこら辺りにいる等身大の小学生ふう…なんだけど、見つけた“好きなこと=夢”に向かって一直線に進んで行く素直な“まっすぐ”という、子供の持つ無限の可能性を秘めたビリー。 対して前田晴翔くん@ビリーは、イケメン容姿も手伝って、すでに“青年”という感じでさえあるような、“青春のもがき”的な雰囲気さえも感じる…苦悩するティーンエイジャーという感じ。 あの父親にしてこの子あり、のような無口ながら内に秘めた情熱はスゴイ!印象。
持田唯颯くん@マイケルはすでに世の中を達観しているようなあっけらかんとした明るさでたくましい!頼もしい!【Expressing Yourself】はライオンキングの【早く王様になりたい】みたいな演出で楽しい☆ 一幕ラストの【Angry Dance】、これは各々のビリーで違うようですね?得意なダンスがメインに作られているようで、前田晴翔くん@ビリーはHIP HOPが見せ場に(う〜ん、だとしたら未来和樹くんのバレーVer.は激しく観たかった!)

映画ではもっと年配で「この人ホントに元バレリーナ?」というような風貌なウィルキンソン先生だけど、島田歌穂さん柚希礼音さんは納得の容姿。 ビリーを導き、鬱屈した町から送り出す強さがいずれも快活で、色気もプラスでとっても素敵☆
久野綾希子さん@おばあちゃんのキャスティングにすごく驚いたけど、とってもキュートで二度ビックリ!
そして、一番印象に残った“これぞ舞台版”という素晴らしい演出大貫勇輔さん@オールド・ビリーとのフライングシーン! 星空の元、椅子を使ってビリーとオールド・ビリーがピッタリ揃ったダンス〜からの、世界へと羽ばたく手助けをするかのような、羽ばたきを支える二人のシーンは息をのむほど美しい(照明も素晴らしい!)。 私が今まで観劇した舞台の中で“美しいシーン”の一つに加わりました! このシーンは是非バレーダンサーである栗山廉さんでも観てみたかったなぁ…。

映画ではラストシーンが本当に好きで好きで、ココだ繰り返し何度観てるんだか!な、くらいに好きなシーンなので舞台版は?と期待してやっぱり構えてしまいました(イギリスでの舞台録画は観てるんだけど) カーテンコールもすっごく楽しいですね! 最近はカーテンコールや挨拶が撮影OKって事、増えてますね。 SNS効果!

これは再演の度にオーディションが大変でしょうけど、何度も観たい作品なので、是非再演を重ねてほしいです。

キャスト
▼2017.11.1(マチネ)
ビリー・エリオット:木村咲哉/マイケル:持田唯颯/ビリーの父:吉田鋼太郎/ウィルキンソン先生:島田歌穂/おばあちゃん:久野綾希子/トニー:中河内雅貴/ジョージ:小林正寛/オールド・ビリー:大貫勇輔/トールボーイ:笹川幹太 /スモールボーイ:岡野凜音/アビー:夏川あさひ/バレエガールズ:チームベッドリントン
▼2017.11.1(ソワレ)
ビリー・エリオット:前田晴翔(未来和樹くん降板)/マイケル:山口れん/ビリーの父:吉田鋼太郎/ウィルキンソン先生:柚希礼音/おばあちゃん:久野綾希子/トニー:中河内雅貴/ジョージ:小林正寛/オールド・ビリー:大貫勇輔/トールボーイ:笹川幹太 /スモールボーイ:菊井凜人/アビー:香好/バレエガールズ:チームベッドリントン
劇場
梅田芸術劇場
日時
2017.11.1(水曜日)/12:00〜、2017.11.1(水曜日)/17:00〜

2017大阪ビリー

リトルマーメイド【キャナルシティ劇場】

アリエルとトリトン以外はメインキャストは前回観劇時と同じ。 開幕から1ヶ月経ち、夏休みが終わった平日夜というのに満員の客席にビックリ!(第一期発売分は完売だもんな!) ロビーの“フォトスポット”は、またもや長蛇の列で、今日もディズニープリンセスの格好をしているお子さんもチラホラで、この日をすごく楽しみにしている様が伺えてニッコリ。

開演と同時に、海中を…ステージを縦横無尽に泳ぐアリエルにまず「わぁ♪」という歓声が上がるから、自分の初観劇時を思い出し、気持ちを新たに観劇出来る感じ☆ やっぱり、改めて『良く出来いるなぁ』と、何様!な感想ですが、ホントそんな感想が思わず…な作品。 特に好きなシーンは『海に落ちた王子を助けるシーン』と『海面に向かって泳いでいると尾ヒレが取れて脚が出現するシーン』。 どちらも海面〜海中の行き来の描写なんだけど、これが俳優とスタッフさんの素晴らしいコンビネーションで“ホントの海中感”がUP!!

俳優さんは、田島亨祐さん@トリトン! ガストンを観過ぎたせいか「あれ?田島さん、激やせ?」と思うくらいスリムな印象。 そしてやっぱりトリトンは海上に上がっても髪の毛は逆立ったままなのね…。 カーテンコールのちょこちょこ歩きはとってもキュートなんだけど、衣裳さん、歩きやすいようにセンターにファスナーでスリットを入れる…とか出来ないもんですか?(ディズニーやBWのいろいろな約束事があるんでしょうけど〜) 半端ナイ回数続く、四季のカーテンコールでは、トリトン役の方はちょっとお気の毒です〜。
そして今回も私的MVPは恒川愛さん@アースラ☆ 悪役ぶりが劇画タッチで歌にはパンチがあってイイわぁ〜♪

キャスト
アリエル:齋藤 舞/エリック:上川一哉/アースラ:恒川 愛/トリトン:田島亨祐/セバスチャン:荒川 務/スカットル:江上健二/グリムスビー:松下武史/フランダー:緒方隆成/フロットサム:一和洋輔/ジェットサム:八百亮輔/シェフ・ルイ/リーワード:岩城雄太
劇場
キャナルシティ劇場
日時
2017.9.13(水曜日)/18:30〜

幽玄【博多座】

坂東玉三郎×鼓童『アマテラス(2006年)』に続く待望の共演第二弾! 前作が面白かったので今回も足を運びました。 玉三郎さんの博多座お目見えは2013年以来の事(しかし…大歌舞伎で来てくれる事はナイのだろうか?)

世阿弥が見た世界を【羽衣】【道成寺】【石橋】など能の代表演目を題材にして表現することに挑戦!との事で、今回も“圧倒的玉さんワールド”。

一幕目は【羽衣】。 これが…あまりにも、あまりにも“静”と“闇”の世界で、鼓童は20人以上が太鼓を奏でているというのに“静寂”という感じで【お能】っぽい(イメージ、イメージ!) 鼓童の演奏ってダイナミックに動くイメージだったので、座ったままひたすら『コトコトコトコト…』と奏でる音色と、まさかの“謡(うたい)”もあり、不思議な空間に誘われる印象。 舞台もほぼ闇に覆われていたので、え〜っと睡魔が…。玉三郎さん@天女花柳壽輔さん@白龍に、ワキツレが登場して「船、波、風などを表現」、との事。 ちょっと私には難解な世界だった。

二幕目は【道成寺】+【石橋】。こちらは歌舞伎で馴染みがあったので、様式の違いを楽しめた。 “蛇舞”は長崎くんちの“蛇踊り”を彷彿とさせる迫力で引き込まれ、玉三郎さん@清姫の霊を鎮めようと畳み掛け、押さえ込むような太鼓の音に「頑張れ!頑張れ!」と応援してしまう感じ。 霊が収まると、玉三郎さん@獅子の精が出て皆で祝う…という筋立てで「玉さんの毛振りが観れるとは!」という思わぬ特典付き、に歓喜♪ ご自身、舞台で披露される機会は少ないと思うのですが「体幹がしっかりしてるんだろうなぁ…」と感嘆させられるブレのなさ。

今作を観て総評。 私にはかなり難しく、観劇に忍耐を要した…以上。

デスノート THE MUSICAL【梅田芸術劇場】

初演時は濱田めぐみさんのご出演で心が動いたものの、原作の内容を漠然としか知らずに遠征を見送り。 その後、濱田さんのライブでレムのソロナンバーを聴いて「これはどういうシーンで歌われる曲なのか?!」と気になり、ソロCD【Campanula】も入って何度も繰り返し聴いていたら…「これは是非舞台作品中で聴かねば!」という使命感?に駆られ、この度の再演で遠征☆(実写映画で予習して臨んでみた)

そしてそして石井一孝さん@リュークというのも遠征の大きな決め手☆ 「もうメイクなしでもイケるんじゃ♪」と。すっごく楽しみにしていたら…なんということでしょう! 体調不良でまさかの休演で泣。 代役は俵和也さん。 俵さんは『亀三郎(現、九代目彦三郎)に似てるアンサンブルさん』という認識で、顔と名前が一致していたアンサンブルさんだったので、また違った楽しみが。

原作人気なのか?唯月ふうかファンなのか?男性お一人で観劇、という感じの方をミュージカル作品の上演劇場内で非常に多く目にした印象。

浦井健二さん@夜神月は、自分に絶対の自信があって他者を見下している“いけ好かない頭のイイ奴”ぶりが、イッちゃってる目と常にイライラしているような言動ぶりから、よく伝わってくる好演。 歌はやっぱり不安定に聴こえる…。 いや、この役は危ういフラつきが正解なのか?!
別所哲也さん@夜神総一郎、舞台での別所さんを拝見したのはものすご〜く久し振り! すっかりフケ役が板に付いた…というか体格もそうだけどドシッとした貫禄が。
俵和也さん@リューク。 今舞台に代役に立つまでにも想像も出来ないほどのご苦労と努力、そして今なお大変なプレッシャーの中、舞台に立っていらっしゃるだろうと思うとせいいっぱいの声援を贈りたくなった! 今まで俵さん個人の声を認識して聴いたことがなかったけど、今回の抜擢に納得出来る好演。お役的にも大変魅力的なキャラクターだけに、役に振り回されそうだけど、ご自身の印象よりも“デッケェ”感じで舞台上に存在し、コミカルな部分はしっかりと笑いが起こってた! カーテンコールで手が痛くなるほど目一杯拍手して…ちょっとウルウルきてしまった。 今後、他の作品でのご活躍が楽しみ! …で、そうは思ってもやっぱり「カズさんで観たかった…」ごめん、正直な気持ち。
唯月ふうかさん@弥 海砂は、つい2週間前に初めて博多座でエポニーヌを拝見して、二度目まして! 全く違ったキャピキャピのお役で…細い。 アイドル曲でも安定感があって歌詞がハッキリ聴き取れるのはさすが! 来年3月、博多座でお待ちしてます♪
小池徹平さん@L、今年は5月にウエンツ瑛士さんの舞台も初観劇、そしてこの度、小池さんも初観劇…と元WaTのお二人を拝見出来た! こちらも歌ウマー!でビックリ。 お二人とも色んな事が器用に出来るんだなぁ…と、今更ながら感動。 今後一緒に拝見出来る機会は少ないだろうけど、各々の舞台でのご活躍への期待が膨らむ〜♪
そして濱田めぐみ@レム。 満足☆ …だけど、今ひとつミサミサに対する母性がどこから溢れるものかが解りにくかった印象。 手を上げてワーッと舞台に引っ込むシーンで笑いを取る演出に驚いた。

考えてみると“日本の学園もの”って感じのミュージカルを観る機会ってあんまりナイですよね? 制服とか、社会で働いている人の服装とか…日常一般の日本人がシャキシャキと突然歌い躍る様は、忘れていた「突然歌い出す違和感」を思い出したかも。 美術や衣裳はあまり印象に残らず…だったけど、構成が上手く出来てるなぁ、と素人ながらに思いながら帰路についた。

キャスト
夜神 月:浦井健治/L:小池徹平/弥 海砂:唯月ふうか/レム:濱田めぐみ/リューク:俵和也/夜神総一郎:別所哲也
劇場
梅田芸術劇場
日時
2017.8.21(月曜日)/12:30〜

リトルマーメイド【キャナルシティ劇場】

残念ながら福岡公演の初日観劇が叶わなかったので『開幕キャストが居るうちに!』と、11日初日から間を置かずして行ってきました!
私、世間の夏休みをなめていた! 平日マチネがこんなに賑わっているとは!という事に驚き、とにかくとにかく親子観劇率が高くて、肩身が狭く感じる〜! アリエルをはじめ、他のディズニープリンセスのドレスを着た可愛いお客さんもチラホラで、客席2階に設置されたフォトスポットでは愛らしいポーズをとった笑顔に、いかに観劇を楽しみにしていたかがよ〜く解ってニッコリ。福岡の劇団四季公演の物販コーナーで、あんなに人がたかっているのは…久々目にしたかも。

今作の観劇は3年振り3度目の観劇(そんなに経ってたなんて!)。驚くほど覚えていないところもあって…まるで初見のように堪能。きっと客席の可愛い反応につられて楽しくなったのも大きな要因かと♪ 海劇場だと舞台空間がガラーンとして寂しい印象があったけど、キャナルシティ劇場はコンパクトな分、海の様子が凝縮された空間でより華やかな印象が強く感じた(気のせい?)

村俊英さん@トリトンは陸に上がっても、髪型は水中浮力時のままなのね…ってラストシーンで思ったわ。そしてカーテンコールのちょこちょこ歩きの愛らしさに観客皆がズキューン! ちょっと末娘を贔屓し過ぎでは?な愛溢れる優しいパパ♪

恒川愛さん@アースラ今まで観た中で一番好き! パンチがあってコミカルで、いろんなものが緩急自在で素晴らしい! そして、改めて8本の足さん達の演技の細やかさと息ピッタリの動きに感嘆! そしてウミヘビ’Sは暗い所でローラースケートって怖くないのかなぁ…と(夢醒めで慣れてるのか?)

荒川務さん@セバスチャン! 嗚呼、開幕キャスト!有難う、開幕キャスト! 荒川さんは初めて拝見したけど、特に“荒川さん”ならではの印象は残らなかったけど、アリエルに振り回されて右往左往する様が非常にコミカルで客席が湧いた〜。 でもそれ以上に湧いたのは岩城雄太さん@シェフ・ルイ♪ こんなにキレがあって面白かったっけ?!と思うくらい強烈なキャラをチャーミングに〜で、子供達にドッカン!ドッカン!ウケてた。 そして若奈まりえさん@アリエル。 他の四季作品でも拝見した記憶がナイけど、ファミリーミュージカルの主人公でもイケそうな、解りやすいクルクルと変わる表情が魅力的。歌は伸ばすところがひどく苦しいけれど、その愛らしさでカバー。元気いっぱいの可愛いアリエルに客席のリトルプリンセス達は釘付けだったみたい♪

しばらく『月イチ、リトルマーメイド』の予定の私。 次のキャストが楽しみ♪

キャスト
アリエル:若奈まりえ/エリック:上川一哉/アースラ:恒川 愛/トリトン:村 俊英/セバスチャン:荒川 務/スカットル:江上健二/グリムスビー:松下武史/フランダー:緒方隆成/フロットサム:一和洋輔/ジェットサム:八百亮輔/シェフ・ルイ/リーワード:岩城雄太
劇場
キャナルシティ劇場
日時
2017.8.16(水曜日)/13:30〜