美女と野獣・千穐楽【キャナルシティ劇場】

キャナルシティ劇場で、3月13日に開幕した劇団四季【美女と野獣】、8月28日の千穐楽公演に行ってきました。 今公演回数158回ので観客動員数15万人超、だそうです。 私は、お目当ての役者さんの登板がなかったので、初日と千穐楽、2回のみの観劇となりました(10年前の公演時はバカみたいに通っていたのに!)

「もう見飽きた…」と思いながらも、観るとやっぱり楽しくて素敵な作品! 10年前に観劇しすぎた弊害で、その時に演じていた役者さんの芝居のリズムがデフォルトとなっている為、ちょっとした違いが自分の感覚にフィットせずにむず痒いところがあったりするのですが…。

お久し振りの佐野正幸さん@ビーストは、10年前に衝撃を受けた2幕ラストの【愛せぬならば】の、劇場がビリビリ震えるくらいの声量と迫力と細かな芝居、王子に戻ってからの全く変わらないスリムな風貌に驚かさせました! あのコンディションを保ち続けている佐野さん、スゴイ…プロって凄いなぁ〜! 王子の姿に戻ってルミエールとコッグスワースにハグする時、思いっきり背伸びしている足元がキュートでした♪

“ザ・ガストン”な田島亨祐さん@ガストンとの再会は嬉しい、嬉しい♪ アニメから抜け出てきたかのような、観た人みんなが「ガストンそのもの!」と思うだろう田島ガストンの健在ぶりに感涙。

千穐楽特別カーテンコールは、メインキャラクターによるリレー挨拶。 公演期間中に相次いで九州に起こった、豪雨や熊本地震などの災害に対し「楽しい舞台の感動を届けて、少しでも皆様のお気持ちが和らげれば」という趣旨と、来年からの上演予定をアナウンス。 「もうイイだろう?」という四季恒例のエンドレスカテコで幕を閉じました。

公演期間中、細かなキャストチェックはしていなかったので分からないのですが、きっと福岡公演を完走されたキャストもいらっしゃるんでしょうね。 今夏の福岡の暑さは異常でしたから後半、なおさら体に堪えたかと〜。 お疲れさまでした、素敵な舞台を有難うございました!
来年2017年6月から3年間、劇団四季が専用使用のキャナルシティ劇場。 まずは【リトルマーメイド】を楽しみにお待ちしております!

あと一言、吉賀陶馬ワイスさん@ムッシュー・ダルク、メイク激しすぎ!!  大和貴恵さん@タンス夫人、コミカルで楽しい♪

キャスト
ビースト:佐野正幸/ベル:平田愛咲/モリース:種井静夫/ガストン:髙橋基史/ルミエール:岩城雄太/ルフウ:村山 剛/コッグスワース:青羽 剛/ミセス・ポット:遠藤珠生/タンス夫人:大和貴恵/バベット:荒木美保/チップ:澁谷陽香/ムッシュー・ダルク:吉賀陶馬ワイス
劇場
キャナルシティ劇場
日時
2016.8.28(日曜日)/13:00〜

王家の紋章(キャスト感想)【帝国劇場】

作品の感想に続いて、キャストの感想を。

浦井健治さん@メンフィス 浦井さんの王子=シャルル王子(by新感線)の印象が強烈な故に「エジプトの王子?!」と扮装を目にするまで唯一違和感を感じたキャスティングだったけど…納得! 激しい気性と勇猛果敢さ+残忍で冷酷という様は、怒鳴りながらバタバタ動くだけで、高貴な感じは薄いけど“若く美しい少年王”にハマる。 私自身、浦井さんの歌をここまでガッツリ聴いた事がなかったので、まず声の高さに驚いたのと、思っていたより歌唱が不安定で、聴いていて息苦しくなる箇所が多い印象。 蠍の毒に侵されて意識が遠のいていく時の表情、現代に帰りたいと泣くキャロルを後ろから包みハグして「泣くな!」というシーンが◎! 「愛いやつ…」が聞きたかった!

宮澤佐江さん@キャロル 考古学好きな16才の女の子、というキャピっとした感じは◎ 失礼ながら歌も思ったよりも…だし、タッパがあるので舞台映えする!けど、小柄に見せようとしている為か?姿勢が悪いのと、表情のバリエーションが少ないのが気になった。 しかしミュージカル作品において今後の活躍が期待させるような好演。

新妻聖子さん@キャロル 歌になんの不安要素もなし。 16才設定が痛いのかと思えば、かなりの頑張り! 周りのキャストが背が高い人が多いのも手伝って、その懐にスッポリ収まるサイズ感が愛らしいキャロル。

宮野真守さん@イズミル 映像も含めて“唄うマモちゃん”を初めて拝見。 デカい、声もデカい…。 熱い、とにかく激アツなイズミル王子。 あのイズミル衣装はタッパがナイと着こなせないですね〜、似合ってる! 芝居は自分に酔っている感じで見ていてちょっと恥ずかしい…かな。 歌唱は『それ、イズミルが歌ってナイよね?』という感じの“宮野真守オンステージ”な印象。 しかし、とにかく舞台映えするし歌える方なので、今後も是非ミュージカル作品で拝見してみたいと思いました。

平方元基さん@イズミル 気高く静かに熱いものを胸に秘めた…という作品のイメージに近い王子。 歌も記憶よりは格段に上手くなっている印象。

濱田めぐみさん@アイシス キャスティングの第一報を聞いただけで「絶対ハマる!遠征決定!」 ファンとしては嬉しいものの、作品全体としてみた時に『ちょっとアイシス曲、多くね?』 いや、どれも期待以上だし、キャラクターとして語り生きる圧倒的な歌唱力には大満足で濱田さんにはなんの不満もナイんだけど。 鑑賞後、猛烈に【アイーダ】観たくなった!

山口祐一郎さん@イムホップ あの歌唱スタイルは…もう治らないのかなぁ? アイシスを国の為と諭すシーンは静かな説得力が良かった!

伊礼彼方さん@ライアン キャラクターの再現率、ピカイチ☆ あまりにも孤独過ぎて同情するレベル。「キャロル…。」の一言で幕…という斬新な幕切れ。 劇中、何度「キャロル…。」とつぶやいたのだろう?

愛加あゆさん@ミタムン ダンスが得意な元ヅカさん? ゾンビ状態になってからの方が長く舞台に上がっているので気の毒。 …って、あの状態のミタムンをず〜っと出す演出が謎。

出雲綾さん@ナフテラ 慈愛に溢れていて素敵! 包み込むような歌唱も◎

矢田悠祐さん@ルカ 誰もが「誰あの綺麗な人?美脚〜」と、そのヴィジュアルに驚いたのでは? ミュージカルの歌唱ではナイものの歌えるし、舞台映えする! ルカは元々“おいしいキャラ”というと語弊があるけど、矢田ルカによって、更にルカが際立った印象。

木暮真一郎さん@ウナス 原作ではあんなに黒い肌の印象はナイんだけど…? ウナスのキャラクターを的確に演じる好演。

川口竜也さん@ミヌーエ将軍 改めて「めっちゃ歌ウマイな、川口さん!」と大変失礼ながら、ホント改めて聴き入る歌の上手さ! あのヅラは難易度が相当高いのに、川口さんの眼力でクリア。 もっと歌、聴きたかったなぁ〜。

工藤広夢さん@セチ 高橋龍輝さんが降板の為、登板とのことでしたが、とっても良かった! ダンスもすごく軽やかなうえ、情感豊かで魅せられました。 母・セフォラとの親子の様、志願して兵士になり、命を散らす様の演技はすごく胸に響く好演でした。

来年の再演で、続投しない方はいらっしゃるんでしょうか? 作品と共に、どのように変化しているのか楽しみでなりません。

 

2016.8.24(水曜日)/13:00〜
キャロル:宮澤佐江/イズミル:宮野真守
2016.8.24(水曜日)/18:00〜
キャロル:新妻聖子/イズミル:平方元基
2016.8.25(木曜日)/18:00〜
キャロル:新妻聖子/イズミル:宮野真守

 

王家の呪い

王家の呪い…(Twitterより/@design_akko3)
a: ライアン兄さんが、桝太一アナウンサーに見えてくる
b: 『敵軍に紛れたウナスがヘルメットを脱いで正体を明かしたものの、その下もヘルメット!』な事に、笑いへの忍耐を試される
c: ルカの美脚ばかり目で追ってしまう
d: イムホテップの指揮に、コーラスで参加しそうになる

王家の紋章(作品感想)【帝国劇場】

201608王家の紋章夏はダイビングに投資してしまう為『夏の観劇遠征は諦める』というモットーを初めて曲げて遠征決行☆ 「あの“王家の紋章”が、ミュージカルになる!しかもアイシスが濱田さん!がシルヴェスター・リーヴァイの曲を唄う!」という事は、私にとってそれほど強大な吸引力だったんです!

そもそも【王家の紋章】を初めて読んだのは、小学生の時で…その時の既刊が果たして何巻だったのかは記憶していないのですが、その時でさえ「随分時代を感じる絵柄だな…」と感じつつも、読む手が止まらずどっぷりとその世界観にハマり、今もなお新刊が出るとレンタル読みしている唯一の作品(【ガラスの仮面】は購入継続中) 宝塚歌劇団ならなんとなく想像も付きそうだけど、東宝でミュージカル化って、どうよ?!

2泊3日で3公演、集中観劇してきました! まずは、作品全体の感想から。

ストーリーは『ヒッタイト軍に囚われたキャロル奪還の為、エジプト軍が敵地に乗り込み戦争勃発→奪還成功→キャロルは古代で生きていく事を決心し、メンフィスへの愛を自覚する』というところまで。 ミヌーエ将軍がアイシス王女に慕っている、なんて設定はすっかり忘れてた!(しかもナフテラ女官長の息子って!) 各々のキャラクターの再現率が素晴らしく、作品ファンは大満足なのでは? 但し、キャロルの“碧眼”設定はナシ(金髪、白い肌は度々セリフで出てくるけど)なのは何故? 碧眼もナイルの水や宝石に例えられ、古代エジプトで“ナイルの娘=神の娘”と崇められる一因だったのでは? そのキャラ豪華再現に比べ、セットがかなり寂しい印象

脚本・演出は『これは…再演ではかなり手が入るだろうなぁ』という、原作を知らないと「?」となる不親切な部分や、テンポの悪さ、『ここにそんな時間を取らなくても』『このキャラクターはこんなに出なくても、こっちはもっと出しても』というバランスの悪さが作品ファンとしては気になりました。 特に1幕最後の現代へ戻る〜2幕冒頭の古代へタイムスリップはひどく解りにくい!! キャロルのタイムスリップはアイシスが操作(っていうの?)している設定のはずなのに、舞台では古代のアイシスはキャロルの事は知らない設定になってるみたい??? イズミル王子がキャロルに惹かれる過程をもう少し丁寧に!いつの間にキャロルに惹かれたの?!という唐突感が否めず。 でもって『骨折治るの早すぎっ!』古代エジプトの医療技術恐るべし! そしてラスト、あれは結婚式?戴冠式? ミタムン王女やセチが生前の姿で群衆に居並ぶし…夢? ちょっと理解が及ばなかったです。(パンフレットを未購入の為、説明の記載があればスミマセン!) “古代エジプト”と“現代”の切り替え表現のメリハリを希望! ライアン兄さん一人で現代を表現するのは…ん〜(ず〜っと暗い闇に佇む感じで“現代=闇”なの?) あと、心の声が度々“録音源再生”されるのがひどくチープに感じた。

印象に残ったシーンは、メインフィスのソロのバックでセチが踊るシーンと、エジプト軍×ヒッタイト軍の群舞。 ロンリー過ぎるライアン兄さんと、セチ+セフォラ親子、ウナス、ルカの描かれ方は大満足♪ “神の娘”を目にし、驚きながら取り囲む人々の【M!】的な囁きナンバー。

曲も初見では「ストーンと心に響いて耳に残る曲がナイ」という印象でしたが、3回の観劇を経ると思わず口ずさんでしまうフレーズも。 但し、キャラクターのナンバー数のバランスの悪さも感じました。 キャロルとメンフィスのLOVE&LOVEデュエット曲や、アンサンブルさんがガーッと迫ってくるような曲の追加希望! 個人的には冒頭のキャロル曲がポップな歌謡曲みたいで、重厚感がなく、物語に入り込むのに戸惑う事に難あり、と感じました。

…と作品+ミュージカルファン故の不満ばかり書き綴ったようだけど、総じて『大河・少女漫画の世界観を見事に具現化』された舞台には感動! とにかくキャラクターの再現率の功績が大きいかと。

次はキャストの感想へ続く…。

2016.8.24(水曜日)/13:00〜
キャロル:宮澤佐江/イズミル:宮野真守
2016.8.24(水曜日)/18:00〜
キャロル:新妻聖子/イズミル:平方元基
2016.8.25(木曜日)/18:00〜
キャロル:新妻聖子/イズミル:宮野真守

 

201608王家の紋章