平成22年・博多座船乗り込み

昨年は悪天候(強風?)で中止となり記念式典のみでしたが、今年は2年分のお天気を取り返すような(←日本語、変?)雲ひとつナイ五月晴れ! わりとヒンヤリとした強めの風も吹いていたので、炎天下でクラクラ~というような暑さではなく、沿岸からの見物には絶好の“船乗り込み日和”。 11回目の今年は17人の歌舞伎役者に加え、初めて公募で選ばれた市民20人も乗船♪(市民公募は吉田市長の提案らしく来年以降も続けていくとの事) 快晴+日曜日、という事で主催者の発表では約4万人の人出だったそうで。
船一号船:藤十郎・吉右衛門・梅玉 船二号船:東蔵・歌六・歌昇
船三号船:染五郎・福助・松緑 船四号船:翫雀・亀鶴・亀寿
船五号船:松江・種太郎・歌江 船六号船:由次郎・桂三 

以下、下船後に博多リバレイン・フェスタスクエアで執り行われました式典の各役者陣の挨拶をご紹介。 ちょ~っと聴き取りづらく、正確なものではありませんが『おおよそこんな趣旨の事を言っていた…』という程度でご了承ください。

あじさい藤十郎さん 爽やかでとても気持ちが良かったです。 千穐楽まで大入り満員になりますように、今度は舞台の上からお待ち申し上げております。 本日は有り難うございました。
あじさい吉右衛門さん 博多に来るのが7年振りでございます。 昼の部は市川五右衛門…あ、市川は染五郎ですね。 “石川”五右衛門を、夜の部は鬼平、そして藤十郎のお兄さんに習いながら毛剃を務めますので、昼夜共にご観劇ください。
あじさい梅玉さん 博多座へは2年振りでございます。 昼夜共に“歌舞伎らしいお芝居”ですので、ぜひ博多座へ足をお運びください。
あじさい東蔵さん 私も2年振りでございます。 本日いただいた応援に負けないよう一生懸命務めてまいります。
あじさい歌六さん 今年2月に続いてまた戻って参りました! このように嬉しいことはございません。
あじさい歌昇さん 私も博多座へは7年振りでございます。 皆さんの声援を背中にうけながら千穐楽まで一生懸命務めますので宜しくお願い申し上げます。
あじさい福助さん 博多座はいつもお客様が熱いですね。 本日のこの暖かい声援を受けて…きっと皆様博多座に来てくださるものと信じております。 一生懸命頑張りますので是非とも応援宜しくお願い申し上げます。
あじさい翫雀さん 博多は大好きです。 本日も沢山の方から「翫雀さん」と声をかけていただき『そろそろ私も覚えていただけたのかな?』と嬉しくなりました。 歌舞伎公演を盛り上げて、2月・6月と言わずもっと博多座で歌舞伎公演が出来るように盛り上がれば…と思います。
あじさい染五郎さん 私も2月に続いて出演させていただきます。 私は母が博多出身なので半分は博多の血が流れております! 故郷に錦を飾るつもりで頑張ります。
あじさい松緑さん 私も2年振りに出演させていただきます。 本日の応援に負けぬよう努めて参りますのでどうぞ宜しくお願い申し上げます。
あじさい由次郎さん 私の家内は、昔、住吉神社の近くにあった近藤耳鼻科の娘でございます。 ですので子供達には博多の血が半分流れております…(壇上の役者さんも含め会場がドッと湧いた為、後半聴き取れず~)
あじさい桂三さん (全く聴き取れず~)
あじさい松江さん 2年振りでございます。 昼夜共に出ておりますので、千穐楽までどうぞ宜しくお願い申し上げます。
あじさい亀寿さん 昨年の10月以来の出演です。 昼の部は【紅葉狩】の右源太で、夜の部は【勢獅子】等に出演いたします。
あじさい亀鶴さん いつも思う事ですけど、こいういイベントには皆さん大勢の方が来られますが、果たして何人の方が切符を買って劇場に来てくださるか? このステージ横で切符を販売しておりますので、まだご購入でない方は是非お買い求めください。
あじさい種太郎さん 一生懸命務めますので宜しくお願い致します。
あじさい歌江さん 一年振りに寄せていただきます。 どうぞ宜しくお願い申し上げます。

エビータ・千穐楽【福岡シティ劇場】

福岡シティ劇場杮落し公演の翌年の1997年、2作品目として上演されて以来の…福岡では実に13年振りの上演となる【エビータ】。 そしてこの度、本日の公演をもって劇団四季専用劇場としての役目を終えました
前上演作品の【クレージー・フォー・ユー】では衰退した劇場をなんとか立て直そうと奮闘する主人公で、今作【エビータ】は野心を持って挑んだが力尽きた主人公で…というのが、なんとも皮肉な巡り合わせ…。
今公演が全7公演と発表され、東京では【サウンド・オブ・ミュージック】上演中…とあらば「こりゃ夫人、来るな」と思っていたら案の定。 野村さんが福岡の舞台に立つって…何年振りの事なんでしょう? 前作で加藤敬二さん、今作で野村玲子さん…と二大看板俳優(劇団によると看板俳優というのは居ないらしいが)の登板で劇団の本気度が伺えましたが“時すでに遅し”! 最期の華と散りました。
私自身【エビータ】は2005年の新演出となった時に秋劇場で観て以来久々の観劇で、福岡で観るのは初めて。 「セリフまでも全部歌だったっけ?!」っていう軽い驚きがありましたが、意外と演出や美術は覚えているもので記憶を辿りながらの観劇となりました。 常設劇場としてのシティ劇場最後の観劇という事と相まって、自分の気持ちも感極まるのかな?と思いましたが…残念ながら2005年に観た時の感動を越えるものではありませんでした。

野村玲子さん@エビータ  野村さんの舞台を拝見したのは2005年【李香蘭】以来でしたが、その時にすでに“もう歌は厳しいなぁ~”という印象だったので、ものすご~く危惧していましたが「思ったよりはマシだった」…って失礼ですが、正直な感想です。 ヴィジュアルは「…の割には大変お綺麗」で、ドレスからのぞくデコルテや二の腕にも衰を感じる事がなく、その女優魂とヒロインオーラに感心。 いまだ李香蘭ではその少女時代に“ワカメちゃんミニスカ”で熱演されている現場を一度でも目撃してしまうと、エヴァの少女時代なんてなんら違和感はありませんぞ!(無理矢理納得) ただ目をカッと大きく見開いて一点を凝視する表情が多く「目が乾かないのかな?」って心配になるくらい瞬きも少なくて…次第に「顔が…怖いよぉ~」。 あれはエヴァの野心溢れる様を表しているのでしょうか? 【共にいてアルゼンチーナ】は、残念ながらアルゼンチン国民のような、気持ちを寄せて聴き入るには至りませんでした。

芝清道さん@チェ お待ちしておりました~! 今回の撤退は福岡出身の芝さんにとってもいろいろと考える所がおありだったのではないでしょうか? シャウト系のナンバーはホント耳に心地良い♪ 何も言う事はありません。 最後に拝見出来て嬉しかったです…。
金田俊秀さん@ペロン 野村エヴァとのツーショットは“若いツバメ”のように見えて仕方がなかった…けど、ヴィジュアルも歌も満足。 主役級の男優の退団が相次いだ現在、次々とタイトルロールを引き継ぎ演じていらっしゃるのも納得。
カーテンコールは翌朝の新聞に『12回も繰り返された』との記述あり。 しかしながらそこは劇団四季。 いかに『これにて撤退』な千穐楽といえども、お決まりのポーズをただ繰り返すだけの…いつものカテコだったのは言う間でもありません。 せめて『さようなら福岡』的な横断幕でもあるのかな…と思ったものの、そういった類いの物は劇場内にも一切なし。 赤字が脹らんだ…とは言えど『劇団四季初の専用劇場14年間の歴史に幕』なんだから、何かあっても良さそうなのに、去るとなったら一銭もかけたくナイようで…なんだかなぁ。
(終演後入場口のドア越にに芝さんと渋谷さんがサプライズ登場したらしい)
最後は愚痴になってしまったけれど、この14年間で一体何回くらい私は足を運んだのでしょう?…と思うと、完全な思い出となってしまう事に一抹の寂しさは拭えません

劇場 キャスト
エビータ:野村玲子/チェ:芝 清道/ペロン:金田俊秀/マガルディ:渋谷智也/ミストレス:高木美果