博多をどり【博多座】

今年は文楽公演がナイので、10月の観劇が“2008年博多座観劇納め”かな…と思っていたら、思いがけなくも観劇。 【博多をどり】初めて観てきました!
1階席だったので2~3階の入りは判りませんでしたが、視界はほぼ埋まっている印象でビックリ!(お付き合いでの観劇率高そうですが~) 客席の着物率も高く、目にも華やかでした☆ 私は…小雪がチラつく寒さにあえなく断念汗 やっぱり頑張って着物で行けば良かったかなぁ。 ここ数年で今年が一番着なかったなぁ、着物。 来年は機会を増やす努力をしよう!
公演は2日間、計4回…とは思えない立派なセットにビックリ! 松葉目モノのセットって、博多座で保存してるのかしら?(歌舞伎公演で使い回しとか?)

多摩川

現在、博多券番の芸妓さんは23名だそうで、その中の初々しい若手三名の舞い。 やっぱり若いと…綺麗ネ、うん♪ このお三方は“博多人形”と形容しても異論はありません汗
思ったのは“女性の白塗り”って、年配者はものすご~く皺シワで見た目が気になる事。 歌舞伎とか、ま、相応ではありますがあんまり気にならないのに、何故かな?

雨の四季

日本の四季に降る雨をテーマに江戸の風物を舞う、超ベテラン奴姉さんのソロ。

二人袴

能狂言【ふたりばかま】を舞踏化したもの。 私はこの演目自体初めて観たので、どの程度狂言に忠実な構成か判りませんが、客席大ウケでした♪
芝居だてとなると、やはり立方の人数が少ないので演じ手のアンバランスさが目立つのが残念。 袴の着付けにひどく手間取るのがひどく気になりました~汗 時間をかせぐアドリブがちょ~っと痛々しくて。

川比辺西東

博多ばやし日の出宝満うそまことかまわぬ獅子頭大川や障子舟博多みやげ祝い目出度
…と9つの舞踏が次々と披露。 客席にバイバ~イとお手振りしながらスッポンで引っ込むのにはビビリましたっ! ひとつひとつは短時間の舞だけどバリエーション豊な上にセット、小道具も凝っていて目に楽しかったです。
ラストの【祝い目出度】は総踊りの上、背景は大正時代?のレトロモダンな書き割りセットで豪華に〆☆
博多座、2008年も多いに貢献させていただきました…

恋ぶみ屋一葉【博多座】

思いがけず観劇。
浅丘ルリ子さんの博多座ご出演は2001年1月公演【墨東綺潭】から7年振りとの事で、私は生・ルリ子さんは初めて。
日頃のメイクから“まるで舞台化粧”のようなルリ子さん汗ですから、舞台に立っていらっしゃるお姿を拝見しても「あ、間違いなく浅丘ルリ子だ」という印象。
驚いたのは客層。 年輩の男性がすっごく多いんです! これは…ルリ子人気でしょうか???
お芝居も客席も“大人~☆”な印象でした。
私、このお芝居は全く予備知識なく観劇に臨んだので「あ、樋口一葉のお話じゃないんだ…」と幕が開いて気が付いた次第汗 実は林芙美子の生涯を描いたお芝居【放浪記】がメチャメチャ苦手なので、24才でこの世を去った一葉の生涯を描いてたら、どんだけもっとどんより~かと勝手に思い込んでたんです。 失礼!

まず開演前に下ろされている芝居幕がと~っても素敵☆ 七夕の短冊のような…行書体でサラサラと書かれ文章がデザインされてるもので“しっとりとした品のある質感”を感じさせるような感じ。 あの芝居幕にいつも思う事、歌舞伎の祝幕とかもだけど…全く布の継ぎ目が見えないんだけど、一枚布って事ナイですよね? あんな大きな布を印刷できる機械ってあるの?!
セットもすごく造り込んであって素敵でしたし、次から次へと着替える着物も目に艶やかでと~っても目の保養になりました♪
樋口一葉に憧れ、荒物店主兼遊女の恋文の代筆を営んでいる浅丘ルリ子さん@奈津。 キップが良くって、可愛らしくって前向きな女性をルリ子さんが生き生きと好演。 私、彼女は“謎のあるどっしりと構えた女性”役で拝見する事が多かったので、すごく新鮮でした!
対して奈津が恋心を抱く流行作家には近藤正臣さん@涼月。 近藤さんの博多座ご出演はけっこうな回数あるかと思うのですが、このお役が一番印象的☆ バシッと立ち廻りを決めたかと思えばコミカルな感じも◎ カーテンコールでは花道2:8辺りから舞台にヒラリと斜めジャンプをした所☆ お若い!
世代的にテンション↑だったのは岡本健一さん(by男闘呼組)が冴えない書生で、小田茜さん(by全国美少女コンテストグランブリ)がしっとりとした芸者でご出演だった事。 別にファンだった訳じゃナイけど…なんだか何故だか感慨深いものがありました~
どうでもイイ情報ですが、岡本さんの息子さん、Hey! Say! JUMPのメンバーだとは初めて知りました(岡本圭人くん)汗 私も年を取るはずだわ…汗

人間になりたがった猫【宗像ユリックス】

福岡シティ劇場にて2004年夏に観て以来の観劇です。 ファミリーミュージカルの中でも一番好きな作品なので、お目当ての役者さんの出演はナイものの、久々の“素敵な友達”との対面にワクワク♪
会場は昨年のユタには及ばないものの、まずまずの入りだったかと。 しかし、床に敷き詰められたカーペットがやたらカビ臭くて閉口冷や汗 出入り口が何故かしら一カ所のみしか解放しておらず、ものすご~く人が溜まって対流が悪いうえ、係員の誘導も悪く…この会場で何度か観劇しているけど、ここまで観劇環境が悪かったのは初めて怒り
ぺろぺろスワガード
冒頭のライオネルの猫着ぐるみって…口元の部分変わりましたよね? 以前は頭の部分は口元まで完全に覆ってて、目しか開いていなかったかと思ったのですが??? 顔の下部分は完全に露出していたので驚いたのですが~。
柿澤勇人さん@ライオネルって、最近デビューですよね? 私は多分、初遭遇の役者さんかと思われます。 イイ! ピッタリ♪ 上手いっ☆ 歌はちょっと不安定な所もあるけれど、演技・ダンス…共に充分に許容範囲なので、これから回数を重ねていけばもっともっと↑↑↑かと。 お顔や髪型はかなり和風ですが“ライオネル”というキャラクターとして生きている感じ
“白鳥の王様”でスワガード達と立ち廻る際、俊敏に猫の軽やかさで机の上に飛び乗る…というのが唯一残念でしたが、すごく好感の持てるライオネルでした。
しかし柿澤さん、汗がスゴイ! 今まで観た役者さんの中で“汗っかきNo.1”でしたっ。 回転時のスプリンクラー度が半端ナイ。 汗が止まってる事が全くなくダダ流れっぱなし。 スゴイ、とにかく凄い…。
今後、他の作品で拝見出来る事がすっごく楽しみな役者さんとなりました♪
小川美緒さん@ジリアン。 広島BBのバベットでは遭遇出来なかったので、これまた初めて遭遇となりました。 ヴィジュアルはお人形さんのような完璧なヒロイン路線ですが、他は…き、厳しい~っ冷や汗 登場のソロの…まるで昭和のアイドル曲のようなお手振りふりつけは、何なのでしょうか?!  以前はホウキを手に掃除の合間に、しっとりと歌い上げてる~って感じでしたよね。 『これぞ劇団四季の開口法』というセリフ回しで、演技は…あの~、ぎこちなさ過ぎます汗

種井静夫さん@ステファヌスで、すっごくお得感が! 歌、さすがにウマ~、上手過ぎ~♪ コロンとした体型だから、群衆のドコに紛れていてもすぐに博士を発見してしまう愛らしさ☆
吉谷昭雄さん@タドベリ。 渋谷さん以外で観るのが初めてだったけど、演じる人が違うとタドベリってこんなにもニッコリ、クスリと笑えるキャラクターになるんだなぁ~と思った次第。 吉谷さん、歌、上手いんだなぁ(失礼!)と思わされた一面。
川原洋一郎さん@スワガード相変わらず最高にチャーミングで、客席多いに湧いた!湧いた! お見送り時、背がと~ってもお高かくってダンディな方だったのでビックリしました。
トリバーは…どうしても服部良子さんの面影を重ねて観てしまってしんみり~悲しい

劇場 キャスト
ステファヌス:種井静夫/ライオネル:柿澤勇人/ジリアン:小川美緒/タドベリ:吉谷昭雄/トリバー:菅本烈子/スワガード:川原洋一郎

文楽を知る・愉しむ【イムズホール】

毎年末、博多座では恒例となりつつあった文楽公演ですが、今年は年明けのあのミュージカルの仕込みのせいで中止怒り 1日限り2回公演のイムズに行ってきました。
以前、博多座公演の際に「毎年同じ時期なので来れるメンバーが決まってしまう」と登壇された方がおっしゃってて、遠征すると初めてお見受けする太夫さんや人形遣いさん、三味線の方に「なるほどな~」と思ったもんです。 で、今公演ではやはり年末の博多座公演ではお見かけしない方もいらっしゃって「博多座公演が…」とションボリしてましたが、これはこれでこじんまり~と楽しめました♪

一. あらすじ

豊竹睦大夫さんから「今回はあまり上演されない…十郎兵衛が実娘おつるを誤って手にかけてしまうくだりの部分に注目~」と、あらすじの紹介。

二. 傾城阿波の鳴門 十郎兵衛住家の段

「ととさんの名は十郎兵衛~、かかさんの名はお弓と申します~」で有名ですが、文楽では初めて観たので興味深く引き込まれました!
女房お弓(吉田和生さん)の、しっとりとした女房ぶりがなんとも素敵☆ 巡礼おつる(吉田玉翔さん)は娘…といえども三人遣いの大きな人形なんですね。 観ている側は母親の心情に沿ってホロリとさせられるいじらしさに感嘆。 髪を梳いてあげる細かな動きはもはや人形という事を忘れてしまいました。
(前=竹本津駒大夫さん×鶴澤清友さん
前段でおつるの親を恋い慕う心情を強く伝わって心撃たれていたので、実父の十郎兵衛(吉田幸助さん)に、事故的に命を奪われてしまう悲劇が殊更際立つように思えました。
こんなに劇的なくだりがあまり上演されナイ…というのは、あまりにも悲劇的で救いがナイからでしょうか? 娘の亡骸を人手に渡すまいと障子を倒し被せて火を放つ様は衝撃的でした。 煙もちゃんと出る演出だったし。 文字久大夫さん、すっごく聴きやすくて感情移入し易くて好きです。
(奥=竹本文字久大夫さん×鶴澤清二郎さん

三. 解 説

義太夫=豊竹睦大夫さん、三味線=野澤喜一朗さん、人形遣い=吉田和生さん、での解説。
博多座公演では解説する人が固定化しちゃっているので、お話も毎度同じ内容の繰り返し…でちょっと飽きていたのですが、今回はどの方も初めてお話を聞いたので「へぇ~」と初めて知る事も多く、とっても面白かったです。 皆さん、大阪ご出身の方が多いのでお話お上手ですよね~。
中でも三味線の皮は表裏とも犬の場合と、表が猫の場合で音色の余韻が違う、というお話はビックリでした。 「人形や三味線で使われている素材は現在ではワシントン条約的に厳しいものが多いんですよね~汗」というお話が印象的でした。

伊達娘恋緋鹿子 火の見櫓の段

昨年の【文楽いろはレクチャー】で観たばかり(ばかり?)だったので、その時とのお七(吉田清三郎さん)人形遣いさんの表情の違いが面白かったです。
豊竹睦大夫さん×野澤喜一朗さん

エリザベート・“禅”楽【博多座】

MY初日の5日マチネ観劇を終えて…チケット追加になる事はなく、本日の“禅”楽が今公演二回目の観劇で見納め~、となりました。
本日ソワレ前楽は、山口トート、朝海エリザ、禅フランツ、ちびルド(名前判らず)の四名が楽…だったのですが、カーテンコールでは山口&朝海のみのご挨拶。 時間的余裕は充分あったんだから、禅さんにも挨拶させてあげてよっ悲しい村井さんっ(←進行役)怒り
山口さん「無事一ヶ月を楽しく終える事が出来て、おじさんは幸せです!」
朝海さん「公演は明日までありますので、どうぞ宜しく」
…ってな感じの簡単なご挨拶の後、全員で2回、山口&朝海で2~3回の登場。 “満員御礼”の客席はほぼスタンディングオベーションだった…かと思われます。

私は最初にして最後の朝海ひかるさん@エリザベートだったのですが…
「思ったよりイイ」というのが率直な感想。 彼女のヅカ時代の作品を映像で何本か観た事があるので、何様で大変失礼ですが、もっと歌がダメダメかと思ってました。 ヴィジュアルは、正直「ミラクルメイクで大化け美女か?!」と想像していたのですが、いわゆるヅカメイクではナイ故か?素の朝海さんのお顔立ちが見えて…扮装写真の方が綺麗だったなぁ~な印象汗 失礼!
歌は…ホントに思ったよりは…ですが、葬儀での♪ルドルフ~何処なの~♪と【夜のボート】はドスが効いて、声もめっちゃ力強くて萎えました。 もう少し感情によって声量を加減していただけナイものかと~汗
演技は“孤高の女王”然とした感じは良いですが、絡む他キャストと噛み合ず一人で演技している(歌ってる)感じを強く受けました。 よって蟄居を命ぜられ母親にすがってくるルドルフを拒絶する様は本当に驚くほど冷たく、ルドルフが絶望の淵へと突き落とされ死を選ぶ気持ちが良く伝わってきたように思えました。 …なので葬儀での“大音量の慟哭”ぶりに違和感が強く「は?」と感じたのかと汗
トートダンサーズと絡む際のちょっとしたダンスの部分は、ほんとにちよっとした所作でも流石に綺麗でしたので、“朝海仕様”で踊るシーンを入れても良かったのでは?と思ったりしました。
山口祐一郎さん@トートは、すご~く久し振りに拝見しましたが、歌、好調だったのでは? 【最後のダンス】で、あれだけスカッと決められると聴いている方も本当に心地よいです♪ やっぱりフケたなぁ…という印象が随所に見受けられたのですが、だからこその包容力が増しているようにも思えました。 【闇が広がる】で久々に聴いていて震えがきました!
石川禅さん@フランツ・ヨーゼフ。 MY初日でも驚愕しましたが…皇太子時代のあの“若返りミラクルメイク”は、なんなんですか?! 前公演時よりも確実に若返ってますよね?!
今回は“走り方”と“はけ方”がツボでした。 お見合いの席で銃を撃って走り出る所とか、悪夢で絶叫しながら小走りで閣下に近づいていく所とか…つんのめり…そうで可愛いです。 “はけ方”の一番のツボは【最後のダンス】前で踊りながら一人ワルツステップで上手にシレっとはけて行く所。 なんなんですか?その踊りは?!
今回印象的だったのは成長したルドルフに対する演技。 意に沿わない息子に対しての腹立たしさが、今まで以上に明確に強く、怒りの沸点が高い印象。 プルプルと怒りに震えながら忠告している感じで「これじゃルドルフも取りつくしまもナイわな~」という感じ。
大好きな【夜のボート】では、毎回もれなく泣かされます。 禅フランツは本当に“シシィLOVE”なんですよね。
大熱演【悪夢】では、またしてもオモロ~髪型になってて、目が釘付け~♪
浦井健治さん@ルドルフは…またしても何様感想ですが、上手くなりましたね。 個人的に残念だったのは、馬車が「トゥ!」と戦隊ヒーロー名残りを残したカッコいい飛び降り方じゃなくなってたのと、上手から下手にトートに向かって攻めのダンスで近づいてくる所で滑ってしまった所汗 どっちも“私的・浦井ルドルフ萌えポイント”だったので残念でした。
あと…気になったのは今回から新キャストで加入されている南海まりさん@ヘレネ(シシィ姉)が好きでした。 以前のヘレナって、玉の輿狙いのギスギスした感じが苦手だったのですが、今回の南海ヘレナは、ぽわわ~んとおっとりした感じが憎めなくって可愛らしくって好きです♪
先月の中日劇場、今月の博多座を経て来年1月まで続く今公演。 どんな進化をしていくのか楽しみですね♪

劇場 キャスト
トート:山口祐一郎/エリザベート:朝海ひかる/フランツ・ヨーゼフ:石川禅/ルドルフ:浦井健治