レ・ミゼラブル(20周年SP全キャスト=2日目)【博多座】

博多座レミゼ公演におけるSPキャスト【歌穂さん@エポニーヌ×禅さん@マリウス】全5公演もついに本日千穐楽
博多座の収容観客数は、おそらく2001年【エリザベート】大千穐楽日に匹敵する…いや、越えたかな? 消防法ギリギリのMAXの入りだったかと…。 SP全キャスト1日目の昨日20日の当日券を求める人の状況から、博多座も限界まで頑張ったようです。
先に3ヶ月間公演のあった帝国劇場では実現しなかった【20thスペシャルキャスト揃い踏み】が博多座で、しかも2日間のみ!とあらば、チケット争奪戦は熾烈なもので、それを手にして集まった客席が開演前から異様な熱気を帯びていた事は容易に想像出来るかと。 あんな人口密度の博多座のロビー、久し振りに見ましたっ!
本篇のレポートは1日目と合せて別記事としまして、カーテンコールのお二人のご挨拶をレポート(おおよそこんな趣旨のお話をされていた…という事でご容赦!今回はダダ泣きで聞いていたので記憶がホントに怪しいです!) 進行役は岡さん。
one day more
よつばのクローバー 石川禅さん
促されて一人センターにトコトコ進み出て…「え~、今日は…ヤバいでしょう~」と、涙声で震えてます。 感極まって言葉に詰まるのと、いつものごとく熱く語ると止まらない…という感じで長いご挨拶でした。
99年にこのマリウスという役を断腸の想いで卒業しましたが、2004年の【レミコン】、2005年の【2000回】で、この度は【20周年】で…まさか再び演らせていただけるとは~。
マリウスという役で千穐楽を迎えるのいつも辛いんです。 寂しいのと切ないのと『誰にも渡したくないっ!(←ドスを効かせての叫び)』という、いろんな想いが交錯して…。 『何故こんなにもこの役と別れるのが辛いのか?』と考えたら、 自分が好意を寄せた人……役の上でですよ!、コゼット、エポニーヌ、バルジャン、アンジョルラス、学生たち皆に“自分が愛した以上に愛してもらえる”という幸せな役だから…なんですね。 一番最後、コゼットと一番幸せな思いで終わりますし。  でも…この役は若い人の登竜門なんですよね。 私もこの役のおかげでココまで来れました! 初演から20年で、一番若けぇ連中(←軽く嫉妬入り)まで入れるとマリウスは14人居るんですね。 ホントだと、20周年記念なのでココにいらっしゃるのは野口五郎さんだと思うのですが… この14人のマリウス全員の想いを込めて一生懸命大切に演じさせていただきました
(アンサンブルの皆さんを見渡しながら)よく『レミゼに出るのが夢だった』と言う人がいるけれど…そうじゃないんです。 ココがEndingじゃないから! ここがBeginingなんだから! ココからが勝負☆ 頑張って下さい!
(いよいよ本泣き。絞りだすような囁くような声で)マリウスを…鹿賀さんと、斎藤さんと、宏美さんと、歌穂さんとぉ、幸二郎とぉ、キーヨとぉ…一緒に演らせて頂いてぇ……僕のマリウスはこの方達と一緒に歩んできたんだと改めて痛切に感じました。  本当に幸せでした! 有り難うございました!

よつばのクローバー 島田歌穂さん
カーテンコールの最初の出から泣いていらっしゃったようです。 禅さんのご挨拶も終始ウルウルで、泣きながら~堪えながら~のご挨拶。
7月に8公演、そして今回は5公演【20周年記念】という事でエポニーヌを演じさせていただき感無量です。 この間に新しいカンパニーの皆さんの結束とパワーがUPしてて、素敵なカンパニーとなり愛いっぱいの5日間でした。 ずっと40代コンビでお互い励まし合いながら頑張った禅ちゃん、有り難う! 東京ではスレ違いだった方ともたった2日間でしたがご褒美みたいに、鹿賀さん、斉藤さん、宏美さん、幸ちゃん、キーヨ、禅ちゃんと全員で演れて本当に幸せでした。 このレミゼという作品は、私に多くの事を教えてくれ、導いてくれ、多くの出逢いをもたらしてくれた大切な大切な作品です。 20年、これからもこの作品が多くの人に支えられ愛され続ける作品だと信じています。 本当に有り難うございました。
恐らく、本篇で涙して一旦引いていた客席もお二人のご挨拶で再び涙腺決壊!だったはず。 印象的だったのは、このご挨拶を神妙な面持ちで、最後はやはり涙して聞いていた岡幸二郎さんでした。 役に対する熱くて深い愛着や思い入れは、きっと岡さんも同じなんだろうなぁ…と。 彼らは“共に闘った同志”なんだなぁ…と、更に泣けてしまいました~。
何度も繰り返されるカーテンコール。 最後はSPキャスト一列並んで投げキッス♪ その後、歌穂さんにおんぶを促した禅さんの背中を見て、両手にツバをペッペッとして勢いよく走り飛び乗る歌穂さん。 この二人って…なんであんなに可愛いんでしょうか? お二人のエポニーヌとマリウス、博多座で拝見出来て幸せでした。 本当に本当に有り難うございました!

青い旗キャスト
バルジャン:今井清隆/ジャベール:鹿賀丈史/エポニーヌ:島田歌穂/ファンテーヌ:岩崎宏美/コゼット:辛島小恵/マリウス:石川禅/テナルディエ:斉藤晴彦/ テナルディエ夫人:田中利花/アンジョルラス:岡幸二郎

青い旗男性アンサンブルキャスト
グランテール:伊藤俊彦/クールフェラック:清水裕明/ジョリ:横田裕市/コンブフェール:近藤 大介/フイイ:松原剛志/レーグル/司教:港 幸樹/バベ:丹宗立峰/ブリジョン:佐嶋宣美/プルベール:上野聖太/モンパルナス:田中裕悟/クラクスー:梶雅人/ガブローシュ:横田剛基
青い旗女性アンサンブルキャスト
買入れ屋:荒井小夜子/マテロット:折井理子/ファクトリーガール:藤咲みどり/ジベロット:深野琴美/マダム:児玉奈々子/少年1:岡村さやか/少年2:稲田みづ紀/かつら屋:亜久里夏代/リトルコゼット:田村遥果/リトルエポニーヌ:弓木野綾架

レ・ミゼラブル(20周年SP全キャスト=1日目)【博多座】

歌穂さん@エポニーヌ×禅さん@マリウスは別記事にて語りつくしましたので、他のSPキャストを中心に…。
私にとっては2005年5月帝劇【2000回達成記念SP】公演以来の再会キャストとなりました。

青りんご 鹿賀丈史さん@ジャベール
お芝居において役者の個性が強すぎるのもいろいろと弊害があるでしょうが、鹿賀さんに至っては、いつも“クセになる魅力”を感じます。 独特の鹿賀節炸裂☆で“ザ・鹿賀丈史”なんですが…“ジャベール”なんです! 法を犯す者には容赦はしないという絶対的な威圧感・存在感に「この人に目を付けられたら絶対に逃げられないな」という恐怖心を一番強く感じた鉄壁ジャベールです。 故に…バルジャンを逃がし~自殺、という経緯の崩れっぷりがやや唐突な印象を受けました。

青りんご 岩崎宏美さん@ファンテーヌ
工場での第一声に「へっ?!こんな声だったっけ?」という驚きがありました。 【夢やぶれて】は記憶よりもパワフルな印象でこれまた驚きが! 病院とエピローグでの澄んだ、清らかな歌声は健在+α☆ 人の気持ちを落ち着かせ、諭し、包み込むような…なんて素敵な歌声なんでしょう♪

青りんご 斉藤晴彦さん@テナルディエ
こちらも“斉藤晴彦さん…なんだけどテナルディエ”!なんですね♪ プリュメ街の襲撃では自分の娘・エポニーヌに容赦なく両頬にビンタ張る所とか、足蹴りする所とかに空恐ろしさを感じました。

青りんご 岡幸二郎さん@アンジョルラス
岡さん、この役がホントに好きなんだなぁ」と思える、やたら嬉しそうなアンジョルラスの活き活きした表情が印象的。 華やかでリーダー然としていて『アンジョルス=岡幸二郎』という人が多いのも納得の存在感。 禅さん@マリウスとの二人での並びだけでウルッと来るものがあり、お互いの細やかな演技のやり取りには「そう、そう!そうでなくっちゃ☆」と嬉しく拝見。 学生の中にあっては落ち着き過ぎて…と思っていたらグランテールにくってかかる青臭さもあり◎ 砦の上で撃たれる瞬間はその衝撃で一瞬客席の方を向くんですね。 ドラマティックに花のように散っていきました。

青りんご 今井清隆さん@バルジャン
今まで拝見した今井バルの中で、一番感動しました! 2005年に拝見したSP公演のバルジャンも今井さんでしたけど、今回のSPの方が…今公演の中でも、とにかく一番感動しました。 ご自身の気合いも相当入っていたかと思われ最初から熱く飛ばしていらっしゃいましたが、今井さんは“ジャン・バルジャン”その人でした。 特に改心する前のギラギラとしたワイルドさは今井さんに感じた事がなかったのですが…迫真でした! 【Bring him home】は完璧☆
個人的に今井バルで好きなのは♪名前を 教えて~♪と森で出逢ったコゼットに手を差し伸べて「ねっ☆」と小首をかしげる所なんです。 可愛い…。

青りんご アンサンブルさん
私は各キャラクターに目が行き届き名前を知っている…というレミゼファンではナイので、識別は困難なんですが…SP公演に至っては大千穐楽も近づいている事もあるのでしょうが、いつも以上にスゴイ熱気と団結力を感じ、観ていて…震えました。 革命に燃えて活き活きと語る笑顔や砦での戦闘シーンは正に“命がけ”という必死さが迫真で、だからこそ【Cafe Song】がより胸に迫るものがあったかと。 この日、特に印象に残ったのは横田裕市さん@ジョリ。 ま、私が禅さん@マリウスにロックオンだったので、一番絡むジョリに自然と目が行った…という事もあるのでしょうが汗 ABCカフェを出ての行進では満面の笑みで両手を広げてマリウスを迎え、二人とも希望に満ちたこぼれんばかりの笑顔で肩を組んで走り出す…とか、マリウスとの自然な仲良しぶりにすごく癒されました。 二人ともめちゃくちゃ可愛いんですけど~。
他の方を挙げると切りがありませんが、公演全体を通して伊藤俊彦さん@グランテールはいつも安定していて驚きましたし、近藤大介さん結婚式のオカマさんがいつも楽しみでした♪ 岡さん@給仕とは相思相愛…みたいでしたネ☆
(※私、アンサンブルB班は1回しか観劇してナイんです~)
しかし博多座で2ヶ月のロングラン公演の実現、そしてましてや20周年SPキャスト揃い踏み公演が博多座で拝見出来るとは思ってみなかったので本当にラッキーでした。 歌穂さんのご挨拶じゃありませんが『素敵なご褒美をもらった』ようなSP2日間でした♪

青い旗キャスト
バルジャン:今井清隆/ジャベール:鹿賀丈史/エポニーヌ:島田歌穂/ファンテーヌ:岩崎宏美/コゼット:菊地美香/マリウス:石川禅/テナルディエ:斉藤晴彦/ テナルディエ夫人:田中利花/アンジョルラス:岡幸二郎
青い旗男性アンサンブルキャスト
グランテール:伊藤俊彦/クールフェラック:清水裕明/ジョリ:横田裕市/コンブフェール:近藤 大介/フイイ:松原剛志/レーグル/司教:港 幸樹/バベ:丹宗立峰/ブリジョン:佐嶋宣美/プルベール:上野聖太/モンパルナス:田中裕悟/クラクスー:梶雅人/ガブローシュ:新井海人
青い旗女性アンサンブルキャスト
買入れ屋:荒井小夜子/マテロット:折井理子/ファクトリーガール:藤咲みどり/ジベロット:深野琴美/マダム:児玉奈々子/少年1:岡村さやか/少年2:稲田みづ紀/かつら屋:亜久里夏代/リトルコゼット:荒木真夕/リトルエポニーヌ:須田あす美

レ・ミゼラブル(禅さん@マリウス)=その2【博多座】

本日は安心して観れる?岸佑二さん@アンジョルラス×石川禅さん@マリウスの組み合わせです。
そして阿部裕さん@ジャベールの千穐楽でした。 最初からものすごく気合いの入りに入った阿部ジャベはちょっとやり過ぎがあったのですが、念願の役での千穐楽とあれば納得の力演。 カーテンコールでの阿部さんの素敵な素敵なご挨拶でSPキャストの感動も全部阿部さんのご挨拶に持っていかれた!といっても過言でない、もらい泣き感動の終幕でした。
…しかし【禅さん@マリウス=その2】としまして、二幕目以降を書き続けます汗
♪おい坊や お前 エポニーヌどうした?♪
笑顔スキップで近づいてぶつかってきたエポニーヌ。 禅マリは最初から気がついていたようで「また~、困った娘だなぁ(めっ!)」と笑いながら軽く叱る感じなんですね。 しかし♪一緒に居たい~♪と言われると表情が厳しく一転して怒りながら
♪行け!今のうちに 行け!危険だ! 撃たれる♪
力強く引き離して砦から離そうと体を押しますが♪心配してくれた 好きなの?私を♪と取り合わないエポニーヌ。 そこで砦から離れる口実としてコゼットへの手紙を託した…というのは考え過ぎ? あの鈍感ぶりだと…やっぱり本気で伝令を頼んだ…んでしょうね。 でもきっとこの手紙は届ける手段もなく書いたもの(遺書的なもの)だと思うんだけど、どうなんでしょう?
禅マリウス2
砦に戻ってきたエポニーヌの姿に「エポニーヌ?!」と小さく叫んだ日もありましたが…弾けるように立ち上がって梯子を降りる彼女を抱きとめるマリウス。
♪どうした君何を エポニーヌ どうしたあの娘は? 会えたか?コゼットに♪
ここまでは驚きモードなんですが…
♪何故戻ってきた?!♪
ハッ!と気が付き怒って怒鳴るように言います。 マリウスのエポニーヌを思う優しさが滲んでいて大好きな部分でした。 ココがあるので、前述したように「もしかしたら手紙は逃がす口実…」とフト思えた訳なんですが。
♪エポーニーヌ! 怪我してる!! どこも血だらけだ~♪
殆ど叫んでいる感じで♪血だらけだ~♪は涙声で震え、オロオロし砦の仲間に手を差し伸べます。
♪生きてよエポニーヌ 神様~ 愛で治せるならば~♪
目にいっぱい涙をためながら、ものすごく力強い天に向かっての叫びです。 声はうわずってます。  ♪居てね 側に♪と哀願するエポニーヌに頷く…。
♪巡り遇えたこの雨 雲は晴れて やすらか~♪と、エポニーヌが空に向かって手を差し伸べた時、後ろから支えようと手を伸ばし背中に触れた瞬間に、その手が彼女の血で真っ赤に染まったようでその手の平を見て愕然とし、顔をくしゃくしゃにしながら自分の方に抱き寄せます。 ココで涙、加速! 涙腺全開!決壊!!
♪エポニーヌ 静かに 痛くないか? 恵みの雨 辛くないか? エポニーヌ!♪
諭すように、言い聞かせるように一言一言をエポニーヌの目を覗き込んで…泣いてます。
♪ここにいる 眠るま~で~~♪
温かい…とっても安心できる包み込むような声です。 エポニーヌは彼の温かい言葉と腕の温もりを感じながら幸せになったんだろうなぁ…と思えます。
♪花 そだ… 育てる~♪
私にはマリウスからエポニーヌにキスをしたように見えました。 キスで命を繋ぎ止めようとでもするかのように。 強く抱きしめればとめどなく流れる血も止められるかのように。 彼女の本気の気持ちに初めて気付いた瞬間でもあったのではナイでしょうか?
とにかく歌穂エポニーヌ×禅マリウスの【恵みの雨】は絶品! あんなに苦しそうに息絶え絶え、哀しみに押しつぶされそうになりながら囁くように…なのに、声が通るんでしょうか? 一言一言会話を交わして、マリウスにすがるエポニーヌ、がっしりと抱きとめるマリウス。 思い出しただけでも泣けてしまう素敵で悲しいシーンでした。

エポニーヌを看取った後の禅マリの表情はみるみると切なくて厳しい表情に変わり、覚悟が決まった様子でしたが、バルジャンとジャベールのやり取りの奥では、戦闘態勢で砦の上で構えるも悲しみに撃ちひしがれてうなだれるマリウス。 その肩を叩いて励ます岸アンジョという様子もあり、リーダーとして友人としてのアンジョルラスの懐の深さも感じて…涙。 自然と「マリウス、少し休め」に繋がって納得!
エポニーヌの死で落ち込むマリウスに近づいて肩を叩いて励ます伊藤グランテール。 その膝に軽く「大丈夫だよ」と切ない笑顔でパンチを返すマリウス。 隣に座るグランテールに近づき(初日は彼の肩に頭をもたげて)その顔を見ながら…
♪死んでもいいさ コゼットは旅に出る~♪
と諦め笑顔で語ると「ケッ!」と鼻で笑って立ち上がるグランテール。 この場の二人のやり取りがすごく新鮮だったのですが、他マリウスでも通常仕様なんでしょうか?
♪僕が行きます! 外に出たなら 死体の中で 弾も見つかる~♪
♪ここにいても同じだっ!♪

覚悟が決まったマリウスの、半ばやけっぱちのような叫びを上げての行動に「この人は死に急ぎ始めた」と感じる必死の形相。 撃たれ倒れたマリウスにもの凄いスピードで駆け寄り、キレたように砦に駆け上り赤い旗を振って倒れるアンジョルラスは原田くんも、岸さんも素晴らしかったです! 橋本バルジャンは、まだ息のあるマリウスを確認すると嬉しさのあまり上半身を抱き起こして強く抱きしめたので驚きました。 もう“我が息子”なんでしょうね。
【Cafe Song】は…禅マリで聴いて「この歌はある程度人生経験を積んだ人じゃないと、情感を表現するのは難しいんじゃないか?」とドラマティックに歌い上げる禅さんのマリウスでそう思いました。
最初は呆然自失という状態から次第に悲しみがこみ上げ、自分だけ生きている事への恥じ入るような気持ち…そして自身のふがいなさに怒りを感じ…慟哭。
♪新しい世界を~ 瞼に描いて 声も高らかに
歌った~~~歌の誓い~ そのまま~♪

段々と気持ちが込み上げてくるココが一番好き。 あの生き生きとした仲間達との様子が、情景がはっきりと思い浮かび(もちろん学生が背後に登場しますけどネ)マリウスが一瞬笑顔を浮かべるのも印象的
♪別~~~れを~告げた… 砦の寂しい夜明け♪
この♪砦の寂しい夜明け♪が、とにかく好きです。 鮮やかに情景が浮かび、その静寂さが孤独を一層感じさせるようでもあり。
♪ああ 友よ~聞くな!!♪
テーブルの淵をガッチリと掴んで立ち上がって叫ぶ、感情大爆発の慟哭はたまらない…。
♪空の椅子とテーブル 友はもう居ない♪
最後はつぶやきのように消え入るように…でもハッキリと聴き取れるのはすごい。 コップを手に取り亡き友に杯を上げて一気にお酒を飲み干す。 彼がどれほど仲間を愛し、愛されていたかが伺える素晴らしい涙腺決壊のドラマティックな【Cafe Song】でした。
♪忘れない あの夜のこと あの夜の誓い♪とコゼットから差し出された手の温もりを感じてすがり付き、愛するコゼットと共に生きてゆける事に、この世に生きる感謝の気持ちに気付いた様がよく判りました。
バルジャンの告白が始まると「?」と椅子に座って話を聞いていますが(バルジャンを見上げるウルウル瞳は反則の可愛さ!)、みるみる表情がこわばって目を見開き驚き、すがる様は胸が詰まります
♪傷付いた僕を砦から救い出し 返した 君に~♪
この♪君に~♪の部分のなんとも言えない優しい歌い方好き。
♪お前は愛した人が預けた子だ 私は父じゃない♪と聞き、「えっ?!」と驚き腰を上げます。 橋本バルジャンはコゼットを腕の中に抱きながら、そんなマリウスの顔を見据え頷きます。 「そうなんだよ、だからコゼットを宜しく頼むぞ」という感じで、マリウスは少し腰が抜けたような、カクンと再び上げていた腰を下ろしながら頷きます。 ここの橋本バルジャン×禅マリウスは素晴らしかったです! この二人に愛されたコゼット…いいなぁ~♪
遺書を読むコゼットを励まし、共に涙し♪鎖は切れて 皆救われる~♪という所から、今旅立ったバルジャンや砦の仲間の声が聴こえたように「ハッ」と顔を上げ、希望の光りが見えて表情が晴れていくような…そんな感じでした。
禅さん@マリウスは演技が細かく感情表現が豊かで、ひとつひとつに意味があって…今まで「?」だった所も、「あ!だからマリウスはあ~ゆ~行動を取るんだ」と初めて合点!な部分も多々ありました(って他マリウスだとココまで注視していないので比較出来ませんが~) マリウスってイイとこのおぼっちゃんで、誰からも愛されて、その間でフラフラ迷って…って軟派な感じにも取れるキャラクターかと思うのですが、心を寄せて観れる魅力的なキャラクターだったんだ…と再認識させられた、今期の石川禅さん@マリウスSP公演でした(贔屓フィルター思い切りかかってますが汗
博多座における全5公演。 無理して通った甲斐ありの感動を毎回もらえた素敵な素敵な歌穂さんと禅さんコンビのSP登板。 これで二人のエポニーヌ×マリウスが封印となったとしても悔いはありません! ものすごい集中力でしっかりと見納めましたっ!(毎度思うけどこの集中力を他に活かせないものか?私は~) …と、言いながら、またの登板を望みますし、あれば絶対絶対何処へでも観に行きます!
でもねぇ~、歌穂さんはまだ充分にイケそうですけど、正直…禅さんはヴィジュアルが~汗と思ったり、でも歌穂エポなら絶対禅マリでお願いしたい!と思いますし…複雑な心境です。 でも…歴代マリウスの中から何故、禅さんがSPマリウスとして登板だったのでしょうか? いや、嬉しいんですけどね☆

青い旗キャスト
バルジャン:橋本さとし/ジャベール:阿部裕/エポニーヌ:島田歌穂/ファンテーヌ:今井麻緒子/コゼット:辛島小恵/マリウス:石川禅/テナルディエ:駒田一/ テナルディエ夫人:瀬戸内美八/アンジョルラス:岸佑二
青い旗男性アンサンブルキャスト
グランテール:伊藤俊彦/クールフェラック:清水裕明/ジョリ:横田裕市/コンブフェール:近藤 大介/フイイ:松原剛志/レーグル/司教:港 幸樹/バベ:丹宗立峰/ブリジョン:佐嶋宣美/プルベール:上野聖太/モンパルナス:田中裕悟/クラクスー:梶雅人/ガブローシュ:新井海人
青い旗女性アンサンブルキャスト
買入れ屋:荒井小夜子/マテロット:折井理子/ファクトリーガール:藤咲みどり/ジベロット:深野琴美/マダム:児玉奈々子/少年1:岡村さやか/少年2:稲田みづ紀/かつら屋:亜久里夏代/リトルコゼット:弓木野綾架/リトルエポニーヌ:田村遥果

レ・ミゼラブル(禅さん@マリウス)=その1【博多座】

20才くらい歳の違う、息子とコンビを組んでいるような貴重な公演!」と原田優一くん@アンジョルラスとの今回の共演を楽しみに?恐怖に?先日のラジオで語っていらっしゃった禅さん。 その貴重な公演の2日目です。
まず、その原田優一くん@アンジョルラスですが…1日目(17日マチネ)では、“アンジョルラス×マリウス”というには、ヴィジュアルも含めてさすがに違和感がありながらも『精一杯頑張ってるな』という印象で硬さが見受けられましたが、本日2日目(18日マチネ)は…驚きましたっ! 禅マリウスとの共演、たった1日を経て、ものすっごく成長してましたっ! 原田くんにとってはこの日のソワレが千穐楽なので力が入っていた…という事もあったのかもしれませんが、堂々たる頼もしいリーダーぶりと演技の細やかさに目を見張りました! 故に昨日「やっぱり無理が…」と多少感じた禅マリとの違和感も激減。 エポニーヌを失って落ち込むマリウスを慰める兄貴ぶりに頼もしさも見てとれて◎ 今日はガブローシュが投げた鞄をアンジョルラスがキャッチしたのですが、その鞄を振りかざして♪立つのだ 仲間よ~ 世界に~自由を~♪は圧倒的な存在感! そしてその鞄から弾を取り出して銃に込めて次々と敵に向かって遮二無二発砲する様に…涙。 原田アンジョルラス。 次の再演での登板を心待ちにさせられる好演でした。
青りんご 石川禅さん@マリウス
再度お断りしておきますが、私、現役マリウスについては、これほど注視していないので「そんな事は現役もやってるよ!」という部分がありましたら…重ねてお許しを。
【囚人】ガッツリつるはしで掘ってます。 作業中、結構私語が多いような?
【労働者】チョビ髭で髪は後ろ一つ結び(←工場まで) ぬぼ~っとした感じで遠巻きに観ている
【旅人(まともな宿屋)】つかず離れず…だけどバルジャンの鞄をヒョイと投出し「怖い、怖い」って感じで一目散にスタコラ仲間と肩を組んで走り去る
【見物人】治安官のすぐ後ろの背に隠れて覗き見て、去り際に治安官の背中をつついて質問するも怒られて、仲間の背中を押しながらアタフタ退散
【失業者・労働者】チューリップ帽とショールをまとって【一日の終わりに】。 工場では…手首が痛いようで支払いの際に係に懸命に症状を訴えてる。 騒ぎもぬぼ~っとみて、ファンテーヌの後ろに回り込んで、ニヘラ~笑顔で顔を覗き込む
【治安官】ぬぼ~っ感が一番高い。 人のイイ庶民派な感じで、やたら見物人から話しかけられる。 出世とは縁遠い事なかれ主義のような感じ。市長がつばを吐きかけられた際の驚き顔の落差に笑える。 ファンテーヌを抱きかかえる去る様は機敏。
【裁判官】特筆すべきものはなく…トントントントン☆
原田アンジョ×禅マリウス
♪何かが起きなきゃおかしいぞ いつか いつか いつか…♪
オペラグラスが一斉にザッと上がって…パーンとしたキラキラな原田アンジョルラスが橋の上に登場☆…に続いて、お父さん登場! ウソです…禅マリウス登場。
♪誰が導くか~ 誰がこの国を~♪
“声”やっぱり若っ! 先月までのジャベールに耳が慣れていたので、より一層改めて驚きます。 ヴィジュアルは想定内だけど…髪型はソレですか(1日目は舞台進行と共にどんどん膨張していって…あの~♪それじゃ あんまり~♪汗
♪ラマルクは重病だ 7日と持つまい~♪
ビラを配りながら下を向いたまま歌うんですね。 アンジョを見上げる信頼の熱視線と力強い頷き。
♪下向け 恵んでくれ 下向け 仲間を見ろ~♪
原田アンジョ×禅マリが並んでセンター正面でバシッと見据えると…背丈の差も手伝って「こ、これは…想像以上に厳しいかも~汗」と不安半分、楽しみ半分での親子の登場(コラッ!)でした~。
♪エポニーヌ元気か? 何処へ隠れてた?♪
エポニーヌが絡むと禅マリは学生運動に立つ厳しい表情から一転して、優しいお兄さん(おじさんではナイ…コラッ!)の笑顔。 本当に可愛く思ってる妹なんですね。 本をマリウスから取り上げる歌穂さん@エポニーヌの“スリ手口”は鮮やか!
♪この本は君の知らない事ばかり~♪
「も~う、君には無理だよぉ~。困った娘だ(めっ!)」と軽く叱りも入る感じ。
♪この髪 好きだわ♪と触られてる時はちょっと硬直する堅物マリウスですが…
♪ん、なぁ~んだよ!(あはは)ふざけてぇ~♪
タレ目笑顔全開!「嗚呼、禅マリだぁ~☆」とココで改めて実感!
♪解って~ くれない~♪ ホントにねぇ…エポニーヌ、ご同情申し上げます。
♪ごめん 気付かないで~♪
まさに恋に堕ちた瞬間…というような表情。 あっけに取られて籠を拾う前からコゼットの顔に釘付けで手元も怪しげ。 テナルディエ一味に襲われた際、彼女を庇うために抱きしめてしまった後に驚いて飛び退き「ゴメン」「いえ、そんな…」で、二人ともきっと頬真っ赤!だろうなぁ…って感じ。 ポ~ッとなったまま彼女の姿を目でず~っと追う表情もウブさ全開! 彼女が姿を消した事が判ると「へっ?」で、足がこんがらがって転ぶんじゃナイかってなくらいの勢いで走り出し、エポニーヌに方角を聞き満面の笑顔で応えます。 禅マリの笑顔は曇りのナイ、疑う事を知らない純真さ…イイとこのおぼっちゃんで愛されて育ったんだろうなぁというような感じに満ちている、と思うのは贔屓目? エポニーヌの指差した方角は逆ですものね。

ABCカフェに向かう足取りもフワフワ。 遅刻だと気付いて慌てて階段を駆け下りるものの、恋の熱に浮かされているポーッとなっている表情で…
♪彼女は 幻 僕に微笑んで 夢のように消えた~♪
いかにあの瞬間にストンと墜ちたかという事がよく判る恋する青年マリウス。 冷やかす仲間とからかうグランデールに「も~う」という困惑顔で軽く睨みます。 アンジョルラスから♪僕らには大きな使命があるのだ 自分の事より 民衆のために前進する時だ~♪と両腕をガッシリ掴まれて、意見されるとハッと気付き学生運動の一学生の顔に戻り、コップの酒をグッと飲み干します。 仲間達の友情の絆を確かめ合いながら、意欲に燃えた行進もエポニーヌの登場で恋する青年に逆戻り~。
♪燃える~ 大陽の矢が胸に飛び込んだ~♪
まさに♪そんな感じ~♪ 柱の影からコゼットの姿を確認してドキドキしながら覗き見て、彼女しか目に入ってません! 柱にもたれて高揚した顔で空を見上げています。
♪エポニーヌ 君のおかげだよ 僕をここに連れてきてくれた~♪
ガシッと凄い力でエポニーヌを抱きしめます。 この時の歌穂エポの表情と離れがたそうに彼の背中に回した手をそのまま差し伸べる姿に泣けます、本当に泣けます。 マリウスが憎らしく思えるほどココでエポニーヌに気持ちが動かされます!!
♪君を困らせた ああ 君の名前も知らない 教えて どうか僕に♪
困らせた…と一旦帰ろうとしますが「ああっ!」と思い出して慌てて戻り、名前を恐る恐る尋ね…
♪僕はマリウス・ポンメルシー♪
“気をつけ!”の姿勢で直立不動で固まります。 ウブさ全開!
♪愛に 夜さえも まぶしいよ~♪
夜空を仰ぎ見る瞳は嬉しさに満ちあふれてキラキラです☆☆☆
♪いつも 夢ではない 夢ではないよ~♪
「いつも」で左手を上げると、同調してくれないコゼットに一瞬「あ、ダメかな」と不安がよぎる表情で手を降ろそうとしますが、コゼットが♪いつも♪とその手に重ね合わせてくれると…みるみる満面の笑顔に。 この表情の変化はたまりません! が…その喜び爆発の故か?エポニーヌも加えたせっかくの美しい三重奏がやたらマリウスの声が大きくて残念。
♪誰かの足音 隠れ~よぉ~♪
着地の音が響くのは…飛び降りる高さがあるから…でしょう汗 禅マリウスに限っては、思わず手に汗握るシーンです。 バルジャンから隠れてコゼットと門越しに離れ難そうに見つめ、突然の別れを知って愕然と空を仰ぎ見る姿に哀れみが。
♪巡り遇えたのに ようやく遇えたのに 明日は遠ざかる でもあなたが全て♪
想いが通じた次の瞬間、別れが訪れ哀しみ苦しむマリウス。 その背後に佇む歌穂エポの絶品ぶりは別記レポート参照
♪彼女と行くか? 仲間と行くか? 二つにひとつ♪
目にカッ☆と力が入って、彼女と仲間との間で苦悶する姿は…さっきまでのウブな恋する青年から一転、キリリと男らしい!
♪私は 闘お~~う♪
意を決してエポニーヌと共に行進に加わり、アンジョルラスと力強く頷き合い…天を仰ぎ見る目は…ちょっと涙目でキラリ☆
ふ~っ…これでやっと一幕終了冷や汗
恐ろしく長文になったので二幕は【レ・ミゼラブル(禅さん@マリウス)=その2】として別記事に改めます汗

青い旗キャスト
バルジャン:橋本さとし/ジャベール:阿部裕/エポニーヌ:島田歌穂/ファンテーヌ:今井麻緒子/コゼット:辛島小恵/マリウス:石川禅/テナルディエ:駒田一/ テナルディエ夫人:瀬戸内美八/アンジョルラス:原田優一
青い旗男性アンサンブルキャスト
グランテール:伊藤俊彦/クールフェラック:清水裕明/ジョリ:横田裕市/コンブフェール:近藤 大介/フイイ:松原剛志/レーグル/司教:港 幸樹/バベ:丹宗立峰/ブリジョン:佐嶋宣美/プルベール:上野聖太/モンパルナス:田中裕悟/クラクスー:梶雅人/ガブローシュ:横田剛基
青い旗女性アンサンブルキャスト
買入れ屋:荒井小夜子/マテロット:折井理子/ファクトリーガール:藤咲みどり/ジベロット:深野琴美/マダム:児玉奈々子/少年1:岡村さやか/少年2:稲田みづ紀/かつら屋:亜久里夏代/リトルコゼット:荒木真夕/リトルエポニーヌ:須田あす美

レ・ミゼラブル(歌穂さん@エボニーヌ)【博多座】

まさか博多座でSPキャストが観れるとは思いませんでした。
本当に有り難う、博多座! しかし困ったぞ、博多座!
私は仕事と時間と懐のやり繰りが、とんでもなく大変な事になってしまったじゃナイのよぉ~冷や汗 …いや『地元の劇場で歌穂エポニーヌ×禅マリウスが観れる』だなんて、もうこんな機会は二度とナイだろうから「後悔せんごと、無理しても行っとけ!」と、自問自答の末、ご決断! 「この二人の5公演、全制覇するばい!」 反省は後から充分します、ハイ汗
私、SPキャストは2005年帝国劇場【2000回達成スペシャル公演】以来の再会でした。 各々書いていたら…恐ろしく長くなったので、まずは博多座初お目見え!の島田歌穂さんについて。
最初にお断りしておきますが、私、現役エポニーヌとマリウスについては、これほど各々に注視していないので「そんな事は現役もやってるよ!」という部分がありましたら…お許しを。
青りんご 島田歌穂さん@エポニーヌ
歌穂エポニーヌ総括として…前回拝見した時は『歌の上手さに聞き惚れる』という印象でしたが、今期は『演技の細やかさに驚嘆&感涙』のエポニーヌ!
労働者~見物人~失業者・労働者の歌穂さんチェックの余裕は全くありませんで…娼婦は結構威勢のイイ、サバサバした「ほらほら、ちょいと兄さん」って感じの女の子。 バナタボアが現れると、サッと仲間の娼婦を抱き寄せて隠してあげたりして…仲間内でも姉御格でしょうか?
そして…パリの登場時から以下エポニーヌ。
「うわぁ、華奢!小柄!…少女だぁ~♪」と、そのヴィジュアルは何の違和感もなく、若さに、少女っぷりに改めて驚嘆。 絶対、確実に、前回のSP公演時よりも更に若返ってますよね?!
はすっぱな、やさくれ度も程よくありながら、マリウスとのやり取りでは腕を引っ張ったりする様はすがるような、胸を押し返したりする様はそっと大切な物を押し戻すように触れるような感じで…健気さ二倍増! 思わずマリウスが抱きしめられた時や手が触れた時に、離れ難そうに手をそのまま差し伸べたり、触れた感触を味わうように手を置いてみたり…本当にマリウスの事が好きなんですね。
♪惨めな今の私を見て~♪ではバリケードの隅に小さく体を寄せて座り込み、スカートをギュッと両手で握る様に、悲哀と羞恥心が滲み出てて思いっきりエボニーヌに気持ちを持って行かれました。 …なので、これ以降のマリウスの言動に対するエポニーヌの…見かけとは違い純粋な乙女心を持つ片思いのせつなさが痛いほど解り、泣ける、泣ける…。
自分が案内したとは言え、マリウスとコゼットの互いに想い合う様を目の当たりにし、切なさと哀しみに押しつぶされてながら佇む姿の、その周りに醸し出す空気感が見事。 見つめ合いラブラブに語り合っている二人の有頂天ぶりが本気で憎らしく思えたもの!
One Day More】、仲間とコゼットの間で気持ちが揺れ動くマリウスにそっと寄り添って、せつなく見つめる様は絶品! 肩に触れて、慰め励ましたい…けど…。 何も言わなくてもエポニーヌの声が聞こえてくる感じで、劇中唯一力強くマリウスを引っ張って学生達の行進に加わった時の、強い眼差しが印象的
マリウスの手紙をバルジャンに渡す時は、大好きな人から初めて頼まれた事を懸命に遂行しようとする様、恋敵への手紙をだというのに彼から預かったモノとして大切に大切に持ってきた様が伺え、涙。
On My Own】は、“あの人”をただひたすらに想いながら、でもその想いが決して報われない事を知っている孤独感と絶望の様が胸に痛く響いてくる。 “人から必要とされない自分”という…人間としての存在価値(意味)までも失ってしまったような喪失感を自覚したようでもあり。
マリウスという存在は、厳しくすさんだ時勢にあって彼女の生きて行く希望の光のような存在なんでしょうね。 その光りが自分に降り注ぐ事はなく、コゼットという方を向いて一身に輝き始めた今、彼女は再び暗闇に怯え、孤独に震える【On My Own】です。
♪幸せの世界に縁など な~~~い♪からの長い間に「嗚呼、歌穂エポだ☆」
♪愛してる 愛してる 愛してる でも独りさ♪…号泣。 絶品。
死に瀕しながらも、愛するマリウスの腕の中にいる事、自分の為を想って涙を流し、抱きしめてくれるマリウスに人生で一番の幸福な時間を感じ、微笑むエポニーヌ…良かったね、望みが叶ったね。 【恵みの雨】は、正に息絶え絶えで苦しみながらも一言一言、彼の目を見ながら訴えるように♪何も言わないで 抱いてほしい♪と、力を振り絞って彼の腕にすがる様に…号泣。 ♪遠い道のりを辿り着いた…♪やっと夢見てた事が、彼の光りが自分に注いでるんだね…と涙。
最期のキスを受けての絶命は彼の腕を硬くギュッと掴んでいた力がフッと抜ける感じ。 「こんなに一生懸命掴んでなくても、これからはずっと側に居てくれるのね」と安堵したよう…とでも言いますか。
幸せの絶頂でこの世を去ったエポニーヌ。 故に彼女はエピローグでは、幸福に満たされた清らかな聖女の微笑みを浮かべているんですね。
私は歌穂さんの現役時代の舞台を拝見していないのですが…自分の中で思い描いているエポニーヌ像をココまで完璧に演じられてしまうと、他の方が各々の個性と工夫でエポニーヌを演じられても、歌穂さん@エポニーヌを私の中では越える事はナイだろうなぁ…と思った次第です。 『○○は○○さんのアタリ役』というものに関しては、双方に呪縛にも似た何かがあるような気もした、今期SP公演です。
青い旗キャスト
バルジャン:今井清隆/ジャベール:今拓也/エポニーヌ:島田歌穂/ファンテーヌ:今井麻織子/コゼット:菊地美香/マリウス:石川禅/テナルディエ:三谷六九/ テナルディエ夫人:阿知波悟美/アンジョルラス:原田優一

青い旗男性アンサンブルキャスト
グランテール:伊藤俊彦/クールフェラック:清水裕明/ジョリ:横田裕市/コンブフェール:近藤 大介/フイイ:松原剛志/レーグル/司教:港 幸樹/バベ:丹宗立峰/ブリジョン:佐嶋宣美/プルベール:上野聖太/モンパルナス:田中裕悟/クラクスー:梶雅人/ガブローシュ:横田剛基
青い旗女性アンサンブルキャスト
買入れ屋:荒井小夜子/マテロット:折井理子/ファクトリーガール:藤咲みどり/ジベロット:深野琴美/マダム:児玉奈々子/少年1:岡村さやか/少年2:稲田みづ紀/かつら屋:亜久里夏代/リトルコゼット:田村遥果/リトルエポニーヌ:弓木野綾架