KBCラジオ【博多座夢舞台】=ゲスト:石川禅さん

博多座情報TV番組【ザ・博多座】と同時期に放送が開始?になって…もう何年も経っているだろう、ラジオ番組【博多座夢舞台】。 私、今朝やっと2回目の拝聴でしたっ汗 前回聴いたのはゲストが内野聖陽さんで…やっぱりレミゼ公演の時だったはず(こう書くと、私、すご~くレミゼが好きな人みたいだなぁ) ラジオをタイマー録音する機材を持ってないし、日頃ラジオを全く聴かないので放送内容のチェックも全然しないんですよね。 OAが日曜朝7時~ってのもネックだし。
それが何故、今朝2回目を聴くに至ったかと言いますと…ゲストが石川禅さんだったから(よくご出演情報を見逃さなかったな~と、自分に驚いた!GJ私グッド) しかし朝から禅さんのあのふんわりとした穏やかなトークの声を聴くと、危うくまた眠りに引き込まれそうに…汗 『ジャベール役を演じ終わり、今度20周年SPでマリウス役で登場』という事でその部分を中心としたお話でしたが、各々の役を深く掘り下げたすごく興味深いお話だったので、初のラジオ番組レポート(日曜早朝OAの上、めちゃめちゃローカル番組で聴けた人はごく僅か…というのが勿体さすぎる内容!)
インタビュー内容を要約していたら…各々のキャラクターに対するとても深い考え方や微妙なニュアンスの部分が全く伝わらないあっさり文章になってしまったので、お話されてた言葉をほぼそのまま書き起こしになっちゃいました(己の文才のなさに愕然)。 …ですので、著作権侵害の可能性が濃厚です。 ご指摘受ければ、後日あっさり要約文に改めたいと思いますので、何卒ご了承ください。

さくらんぼ 福岡、博多座の印象は?
前回博多に来た【MA】の時は1月冬でホントに寒く、その前の【エリザベート】は10月秋、今回は9月真夏という事で「ああ、博多という地はやっぱり暑いんだなぁ」と感じつつ、毎日毎朝欠かさずウォーキング。 博多の朝は気持ちがイイ♪ 「やっぱり、ああ僕はココが好きだなぁ」と思いながら毎日歩いてました。 今回はマリウスという役をする事もあり、真夏なのにサウナスーツを着込んでフラフラになりながらウォーキングをしていました。 大仏様のある東長寺にお参りしたりする日もあるんですけど…そこでお賽銭入れて、お灯明あげて、線香3本差して、般若心経唱えて…それで本番に臨んだりしてました。 気分は博多っ子♪

さくらんぼ MAの時はルイ16世、そして今回はジャベール、20周年SPではマリウス。
それぞれの役所の違いついて

これは…役の核(格?)について話さなくてはならなくなります。 簡単に言うと、僕自身はジャベールとマリウスというのはそんなに違う人物とは思っていないんですね。 マリウスはもちろん繊細で…線は太いけれど優しさとかに溢れた青年で繊細であるという事ですよね。 ではジャベールはどうかというと、この人もすごく“繊細さん”なんですね。 なんでかというと自殺をしてしまいますでしょ? これだけ屈強の男のようにに見せているのに『何故この人は最期に自殺をするのか?』という事を考えると、やはりこの人の精神構造の奥深いところにあるものは、マリウスとは全く違うモノかもしれないけれど、やはり繊細であるガラスの神経を持っている、っていう事は非常に共通点があると思う。 ただ唯一違うのはマリウスは愛に満ちた人生だったけど、ジャベールには愛がなかった。 つまりこの人は生まれた時から母親、要するに両親からも見放され「牢獄で俺は生まれた」っていうふうに歌詞で歌いますけれど、愛情というものを一切注いでもらえず生きて来た人生なんですね。 だからその違いだけだと思う。 でもその愛があるかナイかだけでこんなに違う人物になる、枝分かれいってしまうんだ…という事を常に念頭に置きながら…レミゼは“愛”がテーマですからね。 誰かを愛する事は、神様のお側に居る事が出来ますものね。 神様のお側に居たからマリウスは…おそらく天国に行けるでしょう、まだ生きてますけどね、最後。 ジャベールは自殺してしまう訳ですから神様のお側には行けない。 なぜなら誰も愛した事がなかったからという事だと思うんですけどね。

さくらんぼ 愛とは無縁のジャベールと愛に満ちたマリウス。
この究極の違いは?

マリウスは愛を欲しがっていた人ではないですね。 …というのは、マリウスの周りには愛が沢山あるので欲しがらずとも愛してもらえた人なんですよ。 ジャベールは愛してもらいたくてしょうがなかった人なんだけど、でも結局は愛を皆くれなかった訳ですよね。 だから…究極論を言っちゃうと、どうなんでしょうね? だからジャベールの方が寂しい人生なんですよね。 非常に哀しい男だなって思いますね。 で、結局最終的には愛してもらえない自分…という以前に、ならこちらから愛を捨てる…「愛に背を向けて闇と戦う」ってのを私今回ジャベールのキャッチフレーズにしたんですけど…この違いかな。 マリウスというのは本当に幸せな青年で、ジャベールは逆に本来ならこの人こそ神に救ってもらいたいな、という人物かな。 ただその哀しみを「私は哀しい人間です」って演じてもちっとも面白くナイので、自殺を遂げる人間なら自殺を遂げる人間らしくそこはビシッ!と締めて行ければ…と思ってますけどね。

さくらんぼ 20周年SPキャスト、マリウスとして戻って来る石川禅さん。
エポニーヌ役で共演する島田歌穂さんについて

7月上旬に帝劇ではすでにこのコンビで演らせていただいたんですけど…まぁ~、歌穂さんはオバケですね! 一昨年もSPキャストとして7年振りにマリウスとエボニーヌを演ったんですけど、7年振りに演じるわりには見た目も若いし、何よりも非常にスレンダーに…あっ!そんな事言ったら現役時代が太ってるなんて…いやいやそうじゃナイんですよ! 健康的だった…んですけどね。 マリウスがエポニーヌを抱き上げるシーンがあるんですが、その時「ええっ?! 歌穂さん、軽いっ!」と思って、非常に彼女はいろいろ鍛錬を積んでいらっしゃって、なおかつ自分を磨いて、ああここまでこられたんだなぁという事が一瞬にして判ったので、「わぁ~、コレは大変だ」!と思って…。 そしたら今年、更にまた若返って帰って来られて、なおかつ演技も磨いて帰って来られたので、私的には「もうホントに胸をお借りします!」という状況で演らせていただいている次第でございます、ハイ。

さくらんぼ 最後にラジオの前の皆さんにメッセージを
ジャベールを観てくださったリスナーの皆さんもいらっしゃるかと思うんですが、あのですね…180度キャラが変わりますので、是非「あのオヤジ演っていた奴がこんなに若作りするんかいっ?!」という所を…
(めちゃめちゃ若い声で可愛く→)ぜひ観に来てくださぁ~い ラブ
…ちょっと笑ってますが、すみません! え~、損はさせないと思います。 僕は、アンジョルラスを僕がマリウス時代ずっとコンビを組んでいた岡幸二郎くん、あと岸佑二くん、原田優一くんという3人と組むことになるんです。 この原田優一くんに関してはスゴイですよぉ~、20才くらい年が違いますので。 「これを観ずしてレミゼSPは語れない!」っていうくらい貴重な公演になると思いますので是非観に来ていただきたい、息子とコンビを組んでるみたいな感じになりますんで。 これはみものです!! どうぞ劇場に足をお運びください。 宜しくお願いします。 お待ちしております。
「ああ、やっばりこの役者さん好きだなぁ」「これからもいろいろなお役で拝見したいなぁ」と思わされる役に対する洞察力とお人柄が伺えるお話ぶりに感動しつつ、このインタビューを念頭に置いて、もう一度禅ジャベールを観たくなって困りました悲しい  また、他のジャベール役者さん各々にもどのように考えていらっしゃるのか、改めて伺いたくなりました。
それにしても禅ジャベ、次に拝める日は…一体いつになるんだろうなぁ…。

レ・ミゼラブル(別所×禅×笹本=千穐楽カーテンコール)【博多座】

本日マチネで別所バルジャン、禅ジャベール、笹本エポニーヌのお三方【ウーマン・イン・ホワイト】チームが千穐楽でした。
本編の観劇レポートは別記としまして…カーテンコールの様子をおぼえ書き。 但し!挨拶の内容は、観劇の感動でボーッとなっていたので記憶があやふやですから「こんな内容の事を話していた…」くらいで、ゆる~くご一読を(後日、訂正&追記入る予定)
禅ジャベお姫様抱っこ
最初の登場時、別所バルジャンは迎えた禅ジャベールを強烈ハグ。 …の体勢まま禅さん、片足をピョコンと後ろに跳ね上げて喜ぶ(乙女かっ汗
二度目の登場時に舞台袖から花束が投げ込まれて、キャストがそれを拾い集め舞台奥に下がって居並んだところで、徳井テナルディエが客席の拍手を静止して…笹本エポニーヌに前に出るように促す。 「えっ?私がトップバッターですかぁ?」とビックリ困ったように一人前でご挨拶。
よつばのクローバー 笹本エポニーヌ
この作品は役者としての原点に帰れる不思議な、そして大切な作品です。 また、この作品のエポニーヌという役でココに戻ってこれるよう頑張りますので、その時は是非また笹本エポニーヌに会いに来てください。 有り難うございました。
よつばのクローバー 禅ジャベール
博多座に初めて立たせていただいたのは2004年10月の【エリザベート】でフランツという役で…それから今年の1月に【MA】ルイ16世、そしてこの度は大好きな【レ・ミゼラブル】で、しかも憧れていたジャベールという役で立たせていただけて、本当に幸せです。 ……泣きませんよ。
で、ホントだったらココで終わるんですけどぉ…(と、後ろに下がって藤岡マリウスを前に引っぱり出す→「えっ?なんで俺っすか?!」とビックリの藤岡くん)、実は来月“この人”になって戻ってくるんです~(もう用済みですと、藤岡マリウスにお辞儀→後列に戻る藤岡くん) 10月の17日から21日迄で、この時にはなんと!20才も年が違うアンジョルラスと組む日もあるので…これは~見モノですよぉ~。 平日のチケットはまだ残っているようですので是非!
よつばのクローバー 別所バルジャン
毎回とても緊張して公演に臨むのですが「お客様は敵ではなく【レ・ミゼラブル】という素敵な世界を一緒に旅する仲間なんだ…」と思い、お客様の暖かい拍手に支えられてなんとか乗り切ってこられました(←この辺りの言い回しの記憶は激しく怪しいのでご容赦!)
この場をお借りして博多座の皆様、本当に有り難うございました。 共演者・オーケストラの皆さん、そして何より劇場に足をお運びいただきましたお客様。 九州はもとより、帝劇の公演から博多座まで足を伸ばしてくださった方、山口・広島などからも…本当に有り難うございます。(←とにかく感謝の言葉を沢山に述べられていたのですが、記憶飛んでます)
私は本日が千穐楽ですが、公演はまだまだ続きますので【レ・ミゼラブル】という素敵な世界にどうぞお出かけください。
その後何度か続いたカーテンコールは…
3人中央に手を繋いで並んでお辞儀 別所バルが笹本エポをお姫さま抱っこで登場(笹本さんは観念したような表情で照れ~) 別所バルが禅ジャベをお姫さま抱っこで登場(禅さんは「マイッタなぁ」という表情で御手振り) 藤岡マリウスが「俺もやってイイっスか?」みたいに別所バルに聞いて…笹本エポをお姫さま抱っこ&回転 下りた後「あ~、目が回った~」の笹本エポ 別所バルが渚ファンテをお姫さま抱っこで登場(渚さんのバイバ~イ付き) その体勢のままお辞儀を何度かしながら…足はステップを踏んでの引込み~
…って訳で、別所さんは相当体力的に消耗した千穐楽カーテンコールだったかと思われます。 千穐楽おめでとうございました 拍手
【ウーマン・イン・ホワイト】楽しみに遠征しま~す♪

レ・ミゼラブル(別所×禅=千穐楽)【博多座】

前期一番好きな別所バルジャンでしたが、今期初にして千穐楽となってしまいました~。 禅ジャベールとの対決は“熱い演技対決になるに違いないっ!”とは確信していましたが、本日はお二人共千穐楽という事で、なお一層気合いの入った期待を裏切らない気迫の舞台であり、役者と一緒に舞台に入り込んで、観劇後は“共に闘いきった!”というような達成感と疲労感と脱力感と…涙。 イイ舞台でした~悲しい
石川禅さん@ジャベールについては別記事で語りつくしたので、本日は別所哲也さん@バルジャンと笹本玲奈さん@エポニーヌについての感想を…。
青りんご 別所哲也さん@バルジャン
“ならでは”のセリフ?…というか、つぶやき…というか、あるんですね。 燭台を盗んで捕まった時に「もらったんだよっ!」でまず驚きました。
その後の【独白】は“魂の叫び”という感じで、すごい気迫。 ♪またっ!あのっ!地獄へ~~~っ♪の血を吐く叫びから、一転しておびえ切った…♪先も見えない~♪という流れには、19年間の牢獄生活における壮絶な苦しみと怒り、恐れと不安が伝わってきて、燭台へキスという行為は、久々に人間らしい優しい心を取り戻した瞬間だったのではないでしょうか。 仮出獄書を破り捨て叫ぶシルエットに、映画【ショーシャンクの空に】の脱獄に成功したティム・ロビンス@アンディのあの両手を広げて空を仰ぎみて叫んでいるシルエットが重なりました!!(イイ映画だ…)
法廷のシーンでは、自分と間違えられて裁判にかけられている罪人を抱き起こして、ハグするんですね悲しい 他バルジャンはタイを投げ捨てて正体を明かすシーンから暗転までは、ジャベールに挑みかかるような目線というか、表情が多いと思うのですが、別所バルジャンは表情は険しいながらも目が悲しくおびえているような感じが、これまた印象的でした。
病院での対決は気迫と気迫のぶつかり合いで息を呑みました。 別所バルジャンは、最初の方はもしかしたら事情を正直に話せば解ってもらえるかも?と、ジャベールに切々と訴え始める感じで、次第に「あ…この人には何を言っても無駄なんだ」という諦めに変わっていく…という、という気持ちの変化が感じられました。
コゼットと森で出逢って、宿屋までの帰路の二人はどのバルジャンでも大好きなシーンですが、この二人はホントに楽しそうで微笑ましい。 遇った時からすでに父と娘な感じ。 テナルディエ夫妻との取引の場の芝居が細かいっ! ちょっとした笑いが起こる事も特筆すべきかと。 コゼットにお着替えさせてグルグル~の後は「おじさん、目が回っちゃったよ~」となって優しい笑顔でニッコリ。 きっとコゼットは母親以外に今まであんな笑顔を向けてくれた大人は居なかったんじゃないかな? それで一気に安心してお父さんとして胸に飛び込んでいったんじゃないかな?と思える“神が使わした人”の笑顔です。
別所バルジャンの、コゼットに対する父性愛はちょっとした仕草や表情にも溢れていて、愛情を一身に注がれて育ったんだろうなぁ…と思われるコゼットが、より一層素直で可愛らしい娘に見えてきます。 どの人間にも…弱者に対しても、砦で戦う学生に対しても、そしてジャベールに対しても平等に慈悲と愛を持って接している様が10年後パリ冒頭から溢れているので、すでに悟りを開いたような聖者くさい所が気にもなった事も確かです。
砦でのジャベールとの対決は…あんな哀れみを持ったような目で見られると、ジャベールはどんな罵倒よりも耐えられないだろうなぁ、と思う。 彼の孤高のプライドをズタズタにする懐の深い男・バルジャン。 “北風と大陽”みたいな…相手を折れさせるのに刃は要らないんだなぁ、と。
学生の中にマリウスという青年の存在に気がついた時「マリウスっ?!」と小さく叫んで、その後声をかけようとしてタイミングを逃す様とか…細かい(好きな人への告白のタイミングを伺ってる青年みたい♪) 【Bring Him Home】は、ただ歌が上手くて聴かせる…というより、牧師さんが教徒に教えを説いているような深い暖かさ。 そして砦で倒れた若者の残骸を目にして首を振りながら「ばかものっっ!」と叫ぶのは衝撃的! 「若い命を祖末にしやかって~っ」という父性愛溢れる叫びに涙、涙悲しい
下水道でマリウスを担いで歩くシーンでは天から差し込む僅かな明かりを見上げて「神よ!」と呟くのも印象的。 あの僅かに刺し込む一筋の光りに、地上の空の広がりと希望の光りまでをもイメージさせられたのは驚きました。
【エピローグ】では役者も観客もダダ泣き。 コゼットのおでこにキス。 別所バルジャンは命を終えて、次の世界に「はい、今、入った!」という瞬間が判るのですね。 フッと体が持ち上がったような感じで、「ああ、この人は旅立ったんだ…」と。 あなたはジャン・バルジャン、でした
青りんご 笹本玲奈さん@エポニーヌ
今期は“乙女度UP”なイメージ。 マリウスの事が本当に好きで好きで!という感じが溢れていて切なさ度は増しているものの、前半の“やさくれ度”というか、はすっぱな感じが薄くなっていてちょっと残念。 声も意図的に押さえ気味にしているのかな? それが“元気がナイ”ように取れた時もあり…。
その分…といいますか、表情がすごく良かった! 帽子を被ったてコートに身を包んだ様はまさに男の子って感じで、幼さが残りながらもマリウスからの言葉に一喜一憂する様は切ない。 初めて彼から頼まれた用事は恋敵への手紙の伝令と知る下りの表情の変化は素晴らしかった~!!
藤岡マリウスの「どうしたらこの君を助けられる?!」という必死さとアセリが【恵みの雨】を一層泣けるせつない感動的な最期でした。

青い旗キャスト
バルジャン:別所哲也/ジャベール:石川禅/エポニーヌ:笹本玲奈/ファンテーヌ:渚あき/コゼット:富田麻帆/マリウス:藤岡正明/テナルディエ:徳井優/ テナルディエ夫人:瀬戸内美八/アンジョルラス:坂元健児

青い旗男性アンサンブルキャスト
グランテール:松村曜生/クールフェラック:麻田キョウヤ/ジョリ:中本吉成/コンブフェール:菊地まさはる/フイイ:石井一彰/レーグル/司教:中井智彦/バベ:櫻井太郎/ブリジョン:藤田光之/プルベール:野島直人/モンパルナス:赤座浩彦/クラクスー:五大輝一/ガブローシュ:原田光
青い旗女性アンサンブルキャスト
買入れ屋:わたりあずさ/マテロット:清水彩花/ファクトリーガール:浅野実奈子/ジベロット:歌納有里/マダム:井上珠美/少年1:穂積由香/少年2:吉岡里奈/かつら屋:本田育代/リトルコゼット:田村遥果/リトルエポニーヌ:弓木野綾架

愛、時をこえて 関ヶ原異聞【THEATER1010】

私、段治郎ファンです。 コレは結構長いです。 そして貴城けいさんファンです。 これは彼女がトップお披露目の博多座公演を観て「宝塚にもこんなに歌と芝居のバランスが取れた美人な男役が居るんだ~」と驚いて気になり…しかし、その後すぐ退団してしまったのでヅカ時代の舞台は殆ど知らないに等しいビギナーファンです(でした、に今作品でなっちゃったかな~汗
で、このなんの脈絡のナイ私の趣向を知ってか知らずか?この二人が共演!という信じられない舞台がこの度上演。 しかも吉野圭吾さんもご出演! あら?藤本隆広さん、ANZAさんも? って事はミュージカル風味も期待できちゃう?!…とあらば「もう二度とナイ顔合わせだろうし遠征決定~♪」
総括。
え~っと…、う~んと…最後まで観劇を続けるのが辛かったです冷や汗
本チラシがUPした時に感じた「ビミョ~」なヤな予感は悲しくも的中汗
宝塚×歌舞伎×ミュージカル…という異種混合がどのような化学反応を起こして…というようなフレ込みでしたが、それぞれの良い所を抽出して相乗効果が!というものではなく、それぞれが中途半端に織り込まれており、どれもものすご~く消化不良。 総体的にはカーテンコールを含めて歌舞伎色が強かったような印象。
鉛筆あらすじ
時は天下統一を成し遂げた豊臣秀吉がこの世を去り、その後天下を取ろうと徳川家康が勢力を拡大し、世は再び乱世に…という時代。秀吉の懐刀であった石田三成が、家康への憎悪をたぎらせその勢力を阻もうと画策していたある日、偶然にも出逢った“夢を売る”という旅商人から十字架が突き立った不気味な棺桶を家康に送りつけようと買い入れた。 そしてその十字架を引き抜くと封印が解け、吸血鬼ドラキュラが蘇る。ドラキュラは三成に封印を解いた礼として「そなたの望みを何なりと叶えてやろう」と、忠誠を誓う。 かくて三成はドラキュラの力を借りて家康討伐に出るのだが、家康側の家臣・細川忠興の妻であるガラシャにドラキュラが恋をしてしまった。 そこから悲劇がはじまる…。
元宝塚トップスター・貴城けい、退団後初主演舞台!という事で、彼女のヅカ時代の熱烈ファンにとっては、今回の役所“男でもナイ、女でもナイ妖かしの者”というドラキュラまた仮の姿は出雲のお国、という…男役アゲインでもあるし、和物が得意だったというヅカ時代の舞台姿に再び会えた~♪という事で満足な舞台だったかもしれません。 しかし…しかし、作品としてはあんまり!でした。
ダンジロ×かし
私、貴城けいさん(@ドラキュラ&出雲のお国)好きですけど…辛かった汗
在団中に耳障りだったビブラートをかけすぎる歌唱法(退団が決定してから過去作品を映像で観た感想)は、退団間近ではその陰は薄くなっていて、すごく聴きやすく、歌に情感を乗せるのが上手い方だなぁ…と思っていたのですが、今舞台では、あの強烈ビブラートが復活していて、歌詞が聴き取れない、聴き取れない。 演技は…この作品故に“タカラヅカ貴城けい”の延長線上なので、これからガラッと脱却した作品でもう一度拝見してみないと判らないです。
対して華城季帆さん@細川ガラシャは「こんな歌の上手い人がヅカにも居たのね…」という驚きが。 演技は思いっきりヅカ娘役のセリフ回しでしたが、今回の役所には違和感なく好演。
澤瀉屋チームは…
段治郎さん@石田三成
改めて「ダンジロさん、声がイイな…」と。 色悪のような不気味さと、敵役のような憎らしい高笑い等、声の表情はすごく良かったです。 ですが…それとは対照的に表情に変化がナイ事にすごく違和感が~。 お能の舞のシーンでは、そのお詠いぶりに「おっ♪」と思うものの…踊り、硬っ!! 腰、高っ!! 歌舞伎やってください! 今年、まだ一度も歌舞伎座に立ってナイんですよ~。 心配でなりません…悲しい
笑也さん@細川忠興
歌舞伎で立役をされたとしても前髪だったり、つっころばし系だったり…で、こんなに“男”って感じの武将系は初めてかも? セリフまわしには何の違和感もナイものの、男性としての(和物の)所作にぎこちなさがあり、特に手が気になって気になって~。
笑野さん@細川ガラシャの侍女・楓
いくら笑野さんが華奢な女形さんだからといっても、やっぱり男性ですから、華城季帆さんと並ぶと「でかっ!ごつっ!」 せっかく女性が居るのに何故あえて笑野さんが侍女なんだよ~、と思っていたら、ドラキュラに噛まれて錯乱し化身する様に海老反りや鬼女(牙を付けてクワ~ッと口を開ける様)といった歌舞伎風味が取り入れられていた故でした。 なるほど…だけど~。
そしてミュージカルチーム?は…
吉野圭吾さん@高山右近
多分、吉野さんファンには激しく消化不良だったかと怒り ドラキュラとの対決で、申し訳程度にダンスちっくな演出が入ったりしてましたけど、吉野さんがキャスティングされた意味…といいますか、なぜ吉野さんだったか?という意味が全く見い出せませんでした。 貴城さんとダンスバトルのような見せ場がある訳でもなく、歌で聴かせるソロナンバーがある訳でもなく…残念。 和物に初チャレンジいう事と…珍しい舞台に出演したな、という…ひとつの経験という事で汗
藤本隆宏さん@島左近もまた同じく。
ANZAさん@マルゲリータは賛美歌ソブラノで聴かせ所ありでした。
ん~、それにしても稀にみる…不思議な作品でした、うんしょんぼり

ウエストサイド物語【四季劇場・秋】

舞台の【ウエストサイド物語】って世界中で、日本で…いろいろな興行元で上演されているでしょうけど、私は今回の劇団四季12年振りの再演が初めての観劇。 なんでも今年はブロードウェイの開幕から50年という節目の年だそうで。
まず映画にかなり忠実に舞台化されている事に驚きました! 映画…といっても、もちろんロードショーで観ている訳はなく、繰り返す映画館での再上映やTV放映で観ているのですが…。 この作品が公開されたのは1961年ですから、当時のファッションや“格好良さ”には、私が初めて観た時でさえ激しくズレがあったものの、レナード・バーンスタインの色褪せない印象的な音楽に衝撃を受けたのを覚えています(ウチの母親は公開当時大きな衝撃を受けたらしい) ミュージカル映画を語る上では外す事が出来ない、もはや古典?名作ですよね。 ですから、今回観劇時の幕間や終演時に「私【tonight】って聴いた事があるかも~」「最後、死んじゃうなんて思わなかった~」というような会話を耳にして…ビックリびっくり 【ロミオとジュリエット】をベースにしたミュージカル作品の金字塔!とも言うべきこの作品とこれらの名曲を知らないなんて~汗そんな事ってあるの~汗…と軽いショックを受けました冷や汗
舞台は「さすが劇団四季。これならチケット代金に見合った満足な舞台だわ」と思わされる歌もダンスも迫力の舞台でした。 なんと言っても生オケだし! 今月8日に開幕したばかりなので精鋭を揃えたいわゆる“開幕キャスト”続投中だった訳で納得なのですが、他の作品でも、ロングラン公演中でもこうあって欲しいものです。 観客は観劇するまでキャストが判らないまま博打観劇のリスクを科せられる劇団四季。 先日そのシステムをますます強化させた今、声を大にして言わせてもらいますよ!ホントに。 『チケット代金に見合うステージの提供を!』 第一、テープと生オケのステージが劇場が違っても同一料金ってのが絶対納得いかない!と今舞台で改めて憤りが~怒り
…と、劇団四季への不満は際限なく吐いてしまいそうなのでコレ迄にして…。
とにかく全ての曲が大好きなので、開演時の緞帳が上がるまでと、二幕が始まる前の生オケしばしの劇中メドレーは涙が出そうになりましたっ! 改めてイイ曲だなぁ~♪
演出は…トニーのキャラクターの見え方に新鮮さを感じました。 「ええっ?阿久津さん?!」と従来のトニー像からは予想も出来ないこのキャスティングに観る前はすごく驚いたのですが、この舞台ではトニーはシャーク団vsジェット団の抗争は“子供の遊び”と見なしている…「俺はもう子供は卒業したんだよ」的な、ちょっと達観していて、それでいて仲間は大切にする友情熱い青年、という設定(映画でも設定は元ジェット団リーダー(には見えない!)の非行少年→更正して真面目な勤労青年(イモ臭い兄ちゃんにしか~)ですが)、大人びた青年像が強く見えてきました。 阿久津さんでさえ(失礼!)爽やかに見えてくる~。
アニタとロザリア
俳優さんで気になった方は…
笠松はるさん@マリアは、イメージ通り! ピッタリ♪
樋口麻美さん@アニタ! これは…彼女の当たり役のひとつとなるのでは?というくらいのハマり役で好演。 樋口さんっていろいろ大役にキャスティングされる方ですが、好みの問題もありますが、どれも今ひとつピンとくるものがなく「上手いんだろうけど…」という印象の俳優さんでした。 が、アニタはイイ♪
松島勇気さん@リフ。 コーラスラインの時から比べると驚きの歌唱力UP! 西尾健治さん@アクションの血気盛んな喧嘩っ早いキャラはこれまたハマってて…でもって、この二人の水を得た魚のような踊りっぷりは観ていて気持ちが良かったです~♪ そして高倉恵美さん@グラジェラ。 綺麗! 抜群のスタイルと長い手足でダイナミックに踊る様についつい目が引き寄せられました。 セリフのある役って初めて拝見したような? 映画で、このグランジェラは青江三奈のような「一体何才なんだよ!」ってなオバちゃん髪型ですっごく印象に残っているキャラなのですが、髪型までも映画に忠実なのね~。
今観劇で唯一「これは…ちょっとなぁ~」だったのは第2幕第1場のソプラノ・ソロ。 コレだけの為に、わざわざキャスティングするんだからさぞや聴かせてもらえるのかと思いきや…残念汗
唯一のオリジナル演出の、これが本物!ぜひ四季の“本物の演出”でご覧ください…だそうですよ、ハイ。
青い旗キャスト

The Jets
リフ:松島勇気/トニー:阿久津陽一郎/アクション:西尾健治/A-ラブ:大塚道人/ベイビー・ジョーン:厂原時也/スノーボーイ:岩崎晋也/ビッグ・ディール:萩原隆匡/ディーゼル:朱涛/ジーター:青羽剛
グラジェラ:高倉恵美 /ヴェルマ:恒川愛/クラリス:駅田郁美/ポーリン:ソンインミ/ミニー:荒木舞/エニイ・ボディズ:磯津ひろみ
The Sharks
ベルナルド:加藤敬二/チノ:中村匠/ペペ:水原俊/インディオ:神谷凌/アンクシャス:徳永義満/ファノ:内御堂真/ニブルス:横山清崇
マリア:笠松はる/アニタ:樋口麻美/ロザリア:鈴木由佳乃/コンスェーロ:加藤久美子/テレシタ:泉春花/フランシスカ:大口朋子/エステラ:榊原央絵/マルガリータ:室井優
The Adults
ドック:立岡晃/シュランク:山口嘉三(劇団昴)/クラプキ:牧野公昭 /クラッド・ハンド:青羽剛
ソプラノ・ソロ:久保田彩佳