ヘアスプレー【オーチャードホール】

11歳にして“ミュージカル・フリーク”の素敵な友達・K君が、2年前に【ブロードウェイでミュージカル観劇三昧】の夏休みを過ごし、その時観た数々の作品の中で一番面白かった!と大絶賛のミュージカルが、この【ヘアスプレー】でした!
それ以来「いつか私もBWで!」という野望を抱きつつも、日々の暮らし+やり繰り国内遠征+ダイビング…等に追われ、海外遠征資金を貯める事もままならず…で涙を飲んでいた所に、今回の来日公演! 夏だというのに喜び勇んでお江戸上がり♪
この作品は1988年映画化→2002年ミュージカル化→2007年再映画化、という経緯を辿っている人気作品で、ミュージカルに至っては2003年には第57回トニー賞で13部門にノミネートのうえ、8部門を獲得! “ヘアスプレー現象”と言われるブームを巻き起こした後、ブロードウェイを飛び出し全米ツアー公演でも回っており、そのメンバー&スタッフがそのまま日本へ…という嬉しい来日公演。
トレイシー
物語の舞台は1962年のボルチモア。 60’sの音楽やファッション、セットがとにかくPOPでキュートで可愛くて、プロローグ【Good Moring Baltimore】のフレーズが始まった途端に一気に舞台に引き込まれます♪ 最初の歌い出しで客席から「キャ~ッ☆」という歓声も湧いて驚きました! 歌は全編通して全てのキャストが危なげなく且つパワフルで「これでツアーキャストなんだから、オリジナルってどんだけ凄いんだ?!」とBWの層の厚さをチラリと垣間みたような気も。
主人公はちょっと…いやかなり太めな女の子・トレイシー。 彼女は明るくてキュートで常に前向きで積極的、ポジティブシンキング☆ お洒落とダンスと恋に夢中な典型的なティーンエイジャー。 対して大親友はガリガリ細~い女の子・ペニー。 この二人の並びの対象もと~っても愛らしくって◎ ある日、大好きなTV番組【コーニー・コリンズ・ショー】を観ていつものように踊っていると…『新レギュラー募集につきオーディション開催』の告知を目にし、オーディションを受けに行った事から巻き起こるストーリー。 根底にはアメリカならではの難しい問題を提議しつつ、それを全編を通してPOP&キュートで包んだなんともハッピーな作品。 年甲斐もなく言ってみると…「超かわいい~っラブラブラブ
引っ込み思案だったトレイシーのママ、厳格なペニーのママ、見かけや名声に惑わされる人、人種差別的なTV番組、肌の色の違いだと最初から諦めていた人々…こんな全ての人たちの虚栄心や不条理な考え方を、超ポジティブシンキングなトレイシーが関わる事でみんなをハッピーな方向へ導いちゃう。 丸々とふくよかなトレイシーが、とにかく魅力的で超キュート! ダンスもビートに乗ってノリノリで格好良く踊る様は一見の価値あり!で、ひたすら感嘆。
トレイシーのママ(エドナ)役は男性が演じる…が定番なんですね?(最新映画ではジョン・トラボルタが!) 超巨漢を揺らしながら、段々と前向きに、お洒落になって行く様は楽しく、対照的な楽天家・細~いパパ(ウィルバー)との凸凹ラブラブ夫婦ぶりにニッコリ。 二人のナンバー【(Your’e)Timeless to Me】の愛溢れる歌詞にホロリ。
キャストで言えば、トレイシーが熱を上げるリンクにもう少しスター感があれば…と思うのと、親友ペニーが大変身を遂げるラストはもう少し“劇的に大人の女に変身!”という感じがあれば良かったなぁ…と思ったり。
とにかく【ヘアスプレー】を観れた!という事だけで大満足だったのですが、こんなに観終わった後に気持ちがハッピーになれて「可愛い、ホントに可愛い~♪」と連呼しちゃう作品は初めて観たような。
幕間にはフィナーレで踊る【You Can’t Stop the Beat】の振り講座の時間があり、客席も全員立って練習。 …しましたが、本番のフィナーレのダンス、早過ぎて付いていけまっしぇ~ん! すっごく楽しかったですけどネ☆
劇場を出て渡されたお土産はヘアスプレー(協賛:Vo5)ってのも嬉しい♪

青い旗キャスト
トレイシー:ブルックリン・プルーバー/エドナ(トレイシー母):ジェリー・オーボイル/ウィルバー(トレイシー父):ダン・フェレッティ/リンク:コンスタンティン・ロソウリ/ペニー:アリッサ・マルゲリ/シーウィード:クリスチャン・ホワイト

ウィキッド【電通四季劇場・海】

昨年10月に【ウィケッド・USJ特別版】を観たのですが、こんなにも早く本編が日本で上演されるとは嬉しい驚きでした。 劇団四季での日本語表記は【ウィキッド】になるんですね。 BW版のCDをUSJで購入してずっと聴いていたので、まず日本語の歌詞に衝撃が~! 自分のつたない和訳では理解できていなかった部分も「なるほど~、合点!」な部分もあり、「その訳はあんまりなんじゃ~」な部分もあり…で、そういう発見も楽しかったです。
結局、観劇前に原作【オズの魔女記】を読まなかったので、ストーリーに関してはいくつもの驚きがあり、中でもエルファバとフィエロの愛が悲しく印象的でラストに繋がっていく運びの…物語の余韻は素敵。 根底には異質なモノへの排他的な感情、権力への恐れ、人間の屈折した心や野心…など、物語の主幹である“二人の魔女の友情物語”に付随する様々なテーマが絡んでいる奥深い作品という印象を受け、『イイ事をすればイイ事が起こる』『イイ人には幸せが訪れる』という単純明快なものではナイ、人としてのあり方・考え方を問われる大人な向きの作品ではないかと思われました。 また観劇回数を重ねたり、観劇した時の自分のその時の心理状態によって、心に響いてくるテーマが違ってくるような…そんな印象を受けました。フィエロ&エルファバ
初見の今回は、全体を把握したかったので2階最前列センターで観劇したのですが…これが大正解☆ ステージ上部のドラゴンは目の前で豪快に動くし、両サイドの柱からの登場も見逃さす事なく、床に当たる照明の美しさも余す所なく堪能。 今回は四季の演目では珍しくセリを使っての登場があったり、殆ど暗転がなく次々と場面が展開する様は違和感なくスムースで見事! エルファバも目の前をフライングして迫力満点~♪
USJで観ていてお気に入りだった各キャラクターの衣装は“左右非対象なデザイン”である事は今回初めて気が付きました。 これは観客に非現実な世界に居る事を連想させる意図があるらしい…。 改めてシズ大学の制服、それぞれビミョ~に違っていてすっごくお洒落で大好き☆ グリンダの靴コレクションも、ひとつひとつじっくりデザインチェック、したかったなぁ~。 小物のひとつひとつ細部にまでこだわったデザインセンスが◎な演目ですね。 キー・カラーであるエメラルド色がベースになって、お伽噺の世界に誘ってくれる素敵な空間☆

俳優さんについて以下…
沼尾みゆきさん@グリンダ
劇団四季での上演が発表された時、一番謎だったのは「グリンダは誰が演じるの?」でした。 歌の実力から言えば納得のキャスティングでしたが、正直舞台を拝見するまでは…。 しかしさすがプロ! キュートさ全開でグリンダを嫌味なく演じ、近年大役に抜擢され続けている沼尾さんの実力をみた!という驚きがありました。 ただセリフは開口を重視する為か、棒読みチックな…あの四季独特のセリフまわしの違和感が拭えず残念。
濱田めぐみさん@エルファバ
対して「エルファバは間違いなく濱田さんがくるだろうな」と確信していたキャスティング。 歌はやっぱりこの人は本当に上手いなぁ…と改めて感心し、そしてそれ以上に芝居の上手さに感動。 歌にキャラクターの心情がちゃんと乗っている…とイイますか、歌がちゃんとセリフになっている…とイイますか。 今、すでにこの完成度なのにこれからまだまだ進化するのでしょうから、恐ろしい子…(白目)。 生まれた事から差別を受け続けて心を閉ざした少女、自分の感情の変化に戸惑いながらも友情や愛に揺れる女性、再び迫害に遇う怒りと哀しみにさいなまれる魔女。 感情の変化が表情でも絶妙に表現されていて素晴らしかったです。
小粥真由美さん@ネッサローズ
エルファバの人生を左右する重要なキャラクターなのに…弱い。 表情と演技が平坦な印象なので、エルファバのネッサへの反応が大袈裟に思えるほど。 終始車椅子上での芝居なのでもっと感情豊に喜怒哀楽を表現した方が…という印象。 このキャラクターは歌よりも芝居重視でお願いしたい!…とは言い過ぎですか?
李涛さん@フィエロ
チャラチャラしたプレイボーイ…という感じは薄く、最初から真面目で誠実な印象が~。 なのでエルファバとの愛を知って成長していく過程が今イチ弱いものの、ラストの包容力には涙、涙。 セリフも歌も安定していて、カッコイイ王子キャラはヴィジュアル面でもハマってます。 前半の軽薄さをもう一息!
この演目、好きです! 通える環境なら通っちゃうだろうな…と思います。 次回の観劇がまた楽しみです~♪

青い旗キャスト
グリンダ:沼尾みゆき/エルファバ:濱田めぐみ/ネッサローズ:小粥真由美/マダム・モリブル:森 以鶴美/フィエロ:李 涛/ボック:金田暢彦/ディラモンド教授:武見龍磨/ オズの魔法使い:松下武史

JCS ・ジャポネスクVer【四季劇場・秋】

びっくり ハッ!
冷や汗 もしや…
悲しい 悲しい 悲しい うぇ~ん!
…うっかりミスで、観劇レポート、全て消してしまった
あの長文を一から思い出しながら、あのテンションと熱さで再び書ける自信はありませんが、自分の観劇記録としてこのショックから立直ったら…またUPしてみます悲しい
ノリノリ神様
青い旗キャスト
ジーザス・クライスト:柳瀬大輔/イスカリオテのユダ:金森勝/マグダラのマリア:高木美果/カパヤ:青木朗/アンナス:明戸信吾/司祭:阿川健一郎・田辺容・川原信弘/シモン:神崎翔馬/ペテロ:飯田洋輔/ピラト:村俊英/ヘロデ王:下村尊則

喜劇 極楽町一丁目(嫁姑地獄篇)【博多座】

2005年3月【喜劇・売らいでか!】以来の浜木綿子さん博多座座長公演です。 この年のこの月に、あの福岡西方沖地震が発生し、この日の博多座公演は…はて、どうなったかは記憶にあらず~汗
ちなみに私は観劇を予定していたのですが、これまた思わぬ交通事故に遭い、長時間同じ体勢での観劇がどうしても困難だったので観劇叶わず。 故に、私“初・浜木綿子&とん平ちゃん”なんです! TVシリーズ【女監察医・室生亜季子】で拝見するお二人のやり取りの演技、すご~く好きなんですよね♪
“嫁姑地獄篇”という事で、お芝居の筋はズバリそのものですから、実際にその立場にいらっしゃる方はより楽しめる舞台かと思います(私は想像の域ですので…) しかし、結構…いや、かなりブラックな部分があるので、最初は笑う事に戸惑いも~。 しかし、そんな戸惑いも次第に、博多座客席のおばちゃん達の元気な笑い声と反応(TVショッピングのギャラリーみたいな感じ)に順応していきましたが~汗
二階堂正宏さん原作の4コマ漫画がベースとあって、芝居幕にはそのイラストがあしらってあるカラフルなものになっていて目にすごく楽しかったです♪

役者さんに関しては…
浜木綿子さんは“浜木綿子”でした。 典子さんという役のその人ではなく、浜木綿子。 あのたたみかけるような語り口は舞台では聴き取りにくい印象で、私の席の周りの方は「は?今なんて言ったと?」「浜木綿子のマイクの音量もっと上げればイイのに…」と。 次から次へと衣装を変え、若々しくてお美しく、目に楽しい典子さん、ではありましたが。
とん平ちゃんは…これまた“とん平ちゃん”。 あの存在感というか、キャラというか…唯一無二ですね。 やはり浜さんとの掛け合いは最高に楽しくで生で観れたという感動が! とん平ちゃんが浜さんを慕っている…という図が最高に可笑しいんですよね~。
池畑慎之介さんは、出てくる度に「うわぁ~、やっぱりピーターは綺麗かぁ」と周囲の席のおばちゃんたちから賞賛の声が! 物腰や所作、時折みせる力強さとコミカルな部分…緩急があってとても素敵でした♪
個人的にすごく楽しみにしていた加藤茶さんですが…大病をされた後だからか? “カトちゃん”オーラがなく、普通の小柄なおじさん、という感じでパワーがなくて残念でした(志村けん、よりカトちゃん!世代なもので) 博多座売店ではカトちゃんグッズが充実してましたが…不覚にも買い忘れましたっ!
田村亮さんは照れてごまかす演技で“古畑任三郎”入ってました! あまり正和さんとご兄弟だなぁ…と感じた事はなかったのですが、ココでは見事なまでに~。 トボけたお人好し感がすごく良かったです。
通して思ったのは…TVでよく拝見する役者さんは、どうしても“その人”が強くてお役として観るのは難しいのかなぁ?という事。 役者としての個性は必要でしょうしまたそうでナイと…なんでしょうけど。 う~ん、上手く言えませんが汗
ラストにカーテンコールを兼ねた“舞踏ショー”が付いていたのには驚きましたっ! 浜さん座長公演では定番なのでしょうか? 浜木綿子さんの鬘がすごく可愛い☆ …けど、あの踊りは~汗