王様の耳はロバの耳【鳥栖市民文化会館】

この夏、福岡シティ劇場ではファミリーミュージカルが2作品連続で上演されまして、いずれも劇中の曲がいまだに頭の中でリフレインする有様。 お子様のかわいい反応が見れてニッコリできる“ファミリーミュージカル”そのものがとても気に入ってしまったんだと思います、私。
…とか、もっともらしい前置きをしておきながら…単純に『道口瑞之さんの床屋さんが観たかった!』ただそれだけ~。 福岡公演では佐野正幸さん@床屋さんだったので、鳥栖へプチ遠征をして来ました。 鳥栖って…いつも通過するばかりで、多分駅に降り立ったのは今回が初めてかも!
二人の床屋さん。 全体の“床屋さんのみ”の感想としては…一幕は道口さん、二幕は佐野さんが好き
髪を切る手つきひとつとっても、佐野さん@床屋はサッサッと手際よく、道口さん@床屋はホントにちゃんとカットしているみたいで…短い期間で同じ演目を違う役者で観る楽しみ方が出来ました。 面白い~♪ どちらも手や指先がえらく綺麗で驚きました。
お城に連れて行かれて、自分は“頭の芸術家”という歌い踊るチョッキンキン☆ 可愛いらしさ、国中でたった一人残った床屋さんとして(…だけではナイんでしょうけど)国の人から愛されている“朗らかな床屋さん”という部分は道口さん@床屋さんは、ホントにニンに合ってました
特に「僕は、お父さんが好きだから」というセリフが佐野さんの時は「その年で“お父さん”かよ~」と、も~う…どうしてもどうしてもココだけは違和感ありありでスッキリしなかったんですが、道口さん@床屋さんでスッキリ!
…ところで、床屋さんのお父さんには名前があるのに“床屋さんは床屋さんのまま”。 一体、彼はなんて名前なんだろう。
一幕の最後の歌【森は生きている】では、道口さんの低音が響きまくりで、その声量にビックリ! ちょっと迫力ありありで怖かったかな。
「本当のことを勇気を出して僕が言えば、皆も言うんだな!」と床屋自身が気付く以降は、佐野さん@床屋が表情のメリハリが利いていて、思いきりフッ切れた明るさが全面に出て解りやすかったです。「あ~、すっかり歌い過ごしてしまった」という脳天気ぶりも「あなたなら、そりゃありうるわね♪」と納得!爆笑!
道口さん@床屋は最後まで“悩める床屋さん”って感じが強かったかな。 お城から帰ってからの「言いたいけれど、言えない…」というションボリした感じは、観ていてニッコリしちゃうほど“ショボ~ン”としていました。 …可愛い。 けど、ダンスとか…ちょっとお疲れ気味の印象。 全国公演…残すところあと半分! お体に気をつけて無事に楽を迎えられますように…。
詩人チキンさん。 気になるキャラクターではあったけれど、内海雅智さん@チキンは福岡公演より“フッ切れた明るさ(開き直った?)”感があって、ものすごく惹き付けられました。 歌で戦う場面では客席通路に立つチキンさんを間近に見て、その化粧っぷりに…目が釘付けになってしまいました! 面白すぎる、このキャラクター! ♪王様の耳は~ ロ~バァ~の 耳~ だからなんにも 聞こえない 聞こえやしない~♪と、皆で大合唱する時の踊りがあまりにもキュートで目が釘付け! 森で心情を吐露する時のスキップぶりも、すっごくパワーアップしてて目が釘付け! 面白すぎるぞ「チキンさぁ~ん!」
これは内海さん@チキンさんだから気になるのか、どなたが演じても気になるキャラクターなのか…? チキンさんもWキャストで観てみたかったな、と思ったりもしました♪

劇場 キャスト
王様:青木 朗/ローストビーフ卿:吉谷昭雄/アブラハムハム公爵夫人:菅本烈子/黒い探偵:江上健二/詩人チキン:内海雅智/将軍ボイルドエッグ:神保幸由/床屋:道口瑞之/ニボシ:伴藤 武/ナタネ:真鍋奈津美

Song&Dance2 【福岡シティ劇場】

ツアー最終地:福岡、ついに開幕!』という事で、いよいよスタート。
すでに開幕前から観劇の度にロビーで…呪文のようにエンドレスで【シング・シング・シング】のナンバーがかかって、サブリミナル効果を狙うがごとく、プロモーションビデオが流れてました開幕前からすでに福岡のお客への洗脳は成功か?! 「生の舞台を観なくっちゃ」と、いう気にすっかりなった地元民も今公演は多く劇場に足を運ぶはず。

さくらんぼ  照 明
歌、ダンス…もちろん素晴らしくって感動しきりだったのだけど…なんといっても一番感動したのは“照明デザイン”! 「スゴイ! スゴイ! スゴ~イ!」です! 劇中30曲弱が唄い踊られるんだけど、どの曲も、その曲の中でも歌の世界を見事にイメージする光の演出で素晴らしい! “照明で感動した舞台”って…ちょっとここ最近じゃ記憶にナイくらい! 素晴らしいです。
舞台セットや小道具は、次から次へと曲によって世界が変わるので簡単かつ何でも応用が効く…鉄骨組柱とかパイプ椅子。 だから照明で全てそのシーンのムードを作りだす訳ですね。
「この舞台は照明がなかったらその魅力が半減」と言っても過言じゃないくらい、照明の役割は重責です!
2階のお席の方が全体を見渡せて、その照明の素晴らしい演出が堪能できるんだけど、デザインもさることながら、現場の照明さんにも拍手喝采。 だって今回ほど寸分の狂いもなくリズムに
あわせて次々とピンスポットを当てたり、切り替えたり…が重要な舞台も珍しいのでは? 『メチャメチャ踊って クルッ回転 ピタッ!』とダンサーがキメた瞬間にスポット『ズレ』…だったら台無しですもん! 照明さんもリズム感も必要ですよね? ま、今はコンピュータにある
程度プログラミングされてるんでしょうけど、やはり現場で照明に当たっていらっしゃる方は、大変でしょうね~。 さっそくプログラムを購入して照明の方のお名前をインプット。 今後もチェック! チェーック!です。

さくらんぼ   Song
ヴォーカルパートは…男性陣が田邊真也さん渋谷智也さんキム・スンラさん。 田邊さんと渋谷さんは、ついこの前まではライオネルとタドベリ先生として同じ福岡の舞台に立っていたので、なんだか不思議です。
田邊さんがこの演目で、しかもヴォーカルパートというのは今公演で一番の注目?! 【キャラバン】は、力強く唄う…というよりは、ちょっと力は入りすぎて怒鳴っているような感があったのですが、【ホール・ニュー・ワールド】【ホェア・イズ・ラブ】などはダンスは「ヴォーカルパートなんじゃ…?」と、思うくらいメチャメチャ踊ってらっしゃいました! さすがにキレがあって目が惹き付けられます。
キムさんの歌声は甘~い、甘いんですね。 曲ごとに、その中のキャラクターになりきって、せつなかったり、りりしかったり…お茶目だったり…と、いろんなお顔や声の表情が拝見できてファンの方は必見の公演ですね♪
女性陣は井上智恵さん早水小夜子さん関口三千香さん。【ナイス・ラーク・イフ・ユー・キャン・ゲット・イット】はこのお三方の最高に素敵な楽しいハーモニーが聴けますね♪ 失礼ながら…「歌、ウマ~イ♪」と思って聴き入りながら、体でリズム、取っちゃいました。
早水さんの【サマータイム】【ユア・ダディズ・サン】【星に願いを】【ア・ドリーム・ワース・キーピング】。 どれも特別なセットがある訳でもなく、凝った照明が当たる訳ではありません。 歌で、歌のみで魅せてくれます!  素晴らしい声量と、表現力! 圧倒されます~。
井上さんは、私は何故だかシリアスなお役での拝見が多いので“キュートでニコニコ”が拝見できて嬉しかったかな♪

さくらんぼ  Dance
あれだけ息の合ったダンスを見せてくれるまで、一体どれだけの練習をするんでしょうね…。 45分のエアロでさえも後半は集中力を欠いてフリを間違う私にはとても出来ないわ~(イヤ、しなくてイイんですけどね)
舞台を降りたら、満身創痍なんでしょうね…。 月並みな言葉ですが、「スゴイです!」 まさに自分の肉体をフルに活かしての表現芸術って感じで、堪能させていただきました。
私自身、役者さんをよく知らないので「○○さんは…」というレポートは出来ませんが、それ故に“ダンスそのもの”を全体で大きく楽しめたのでは?と思っています。
皆さん、頭まで足を振り上げるフリが沢山あるのですが、その度に「自分が振り上げた足で頭を強打して、脳しんとうを起こさないのかしら」といらん心配をしてしまったほど、メチャメチャ足あがってますね。体、柔らか~い。 身が軽~い。 筋肉の付き方キレ~イ、カッコイイ「私もあの筋肉目指して、ちゃんとスポーツクラブに通うぞ!」と、ちょっと心を入れ替えたりしたのでした(単純すぎ)いや~、エエもん見せていただきました…。

さくらんぼ  連れ去り事件
で…私、一幕最後の【アンダー・ザ・シー】で“お客連れ去り”の目に遭いまして、舞台で踊ってきました(正確には棒立ちしてきた、と言う)
初見は2階席での観劇だったので、気がつけばお客さんが舞台に居たので「へぇ~」と思って観ていたので、その趣向が全く理解出来ておらず、2回目の観劇では「わぁ、海だ海だ♪」と舞台に見とれていたのです。 そしたら…「あら、誰か通路に立ってる? 」と前のブロックの人影に気がついた途端、目の前にヒュッて手が差し出されて、「は?」(←口、ポカァ~ン) その手を辿って見上げると「ヒィーーーーーッ!」(←楳図かずお漫画ふう)役者さんの顔がありました。 「マジっすか?!」と声に出しては言わなかったけど…「こんなの断られたりしたら、すっごく困るよね…」と、普段、仕事の取材とかで散々断れている私は…その手を取って立ち上がりましたよ!(よく頑張った、私。うん。)
舞台に上がるまで、通路で待機してる時が一番ドキドキしたけど、上がったら…客席はライトがまぶしくてあんまり見えないから、開き直りでされるがまま。 相手の目の前の役者さんを見て「あら…意外と化粧は濃いのね」とか「胸毛があるのね」とか…冷静に観察してたりして。
わぁ~、ゴメンナサイ、ゴメンなさ~い! 「これって、彼のファンの人だったら気絶するほど嬉しいんだろうなぁ…」と、殺気にも似た痛い視線も多少は感じながら、申し訳なく思いましたよ。 終演後、その役者さんをパンフレットで確認したら…『萩原隆匡さん』でした。 ファンの方、知らなさすぎで…スミマセン。

さくらんぼ  意外な客層
19日の観劇では、通路挟んだ隣のお席に老夫婦が座ってらして、「まぁ、なんとハイカラな♪」と微笑ましく思っていました。すると…カーテンコールの時、舞台に向かって二人して一生懸命手を振っていらっしゃったので「どなたかお孫さんがご出演だったのかも♪」と思いました。
今公演は、若い男の子を客席で結構見かけます。 やっぱり、ちょっとダンスをしていそうな感じなんですけど、劇場であまり見かけない層なので、そんなトコも楽しめました。

北島三郎特別公演【博多座】 

最近、何故かチケットを間違った日程で確保する事が多く…自分で自分がちょっと心配な私。 今日も何故だか平日の夜の部のチケットを購入してしまい、ちょい早退して博多座へ。 しか~し!今日は朝から台風18号が九州最接近で、福岡市内の公共の交通期間は全面ストップ!というなんとも…な日でありました。 が!夕方には台風は過ぎ去りまして博多座、行ってきました!

幡随院長兵衛

正直言って…ここ数年見ているサブちゃんのお芝居の中で一番「ん~」って感じでした、私は。 オープニングは花魁道中なんかあってとっても華やかでしたが、あんなに高速で歩く花魁道中って初めて観たよ。
いきがかり上、子供を預かり本当の娘として年頃の娘に育てあげた所に、本当の親が引き取りたいと申し出て…。 【義理と人情】【男同士の友情】【親子の絆】を軸に展開するストーリー。 劇中の暗転で字幕つきで主題歌が流れる演出には…正直苦笑しながらも聴き入ってしまいましたが~。
いつもサブちゃんの女房役の野川由美子さんはソツなくさすがの存在感なのですが、白木みのるさん>や龍虎さんなどのサブちゃん芝居でお馴染みのメンバーの活躍の場が少なく、今回のゲスト俳優林与一さんも今ひとつ印象が薄く、なんだかもったいない起用の仕方の脚本になっていたような…。
ラストの大立ち廻りはキレは…置いておいて、吉原の大階段での奮闘ぶりに拍手☆ なんだけど「あれ?ソコで幕が降りておしまい?!」という感が強く、なんだかスッキリできない終わり方で…「ん~」。

北島三郎大いに唄う

「待ってました、サブちゃん!」さすが日本が誇る大エンターテナー
失礼ながら「サブちゃん、歌、ウマイ…」と改めて思ってしまう。 曲の合間合間のサブちゃんトークも軽妙で「今日は台風の中大勢のお客さんがこんなにも来てくださって、感謝感激」と度々感謝の気持ちを語っていました。
オープニングではド演歌なのに、何故か白いイブニングドレスを 着た大勢のお姉さんたちが舞台両袖からワラワラと現れて、 ムーディーに踊りあげ、コーラスのお兄さん方は何故だか手持ち マイクでちょっと斜め向きで整列。 不思議で面白いゾ!
セットも曲調に全くマッチしない雰囲気で場を盛り上げる時も あり、サブちゃんの衣裳も「素材はきっと高価なんだろうなぁ」と推察できるものの、デザインと色のセンスに謎が深まるばかり。 突っ込みどころ満載の歌謡ショー鑑賞はこれだからヤメられない!
そして!今回一番楽しみにしていた生【与作】。 しか~し! 何故だか前半はコーラスのお姉さん方が歌い上げ、サブちゃんは後半の部分をチラッと唄って終わり なんでだよぉ~!!
そしてそして、いきなり、本当にいきなり上手より登場してきた 歌謡ショー司会者。 「その衣装はどこで誂えたの?」と問いただしたくなるような印象的な衣装と、不思議な笑みを浮かべて流れるようなトーク。 「○○とかけて○○ととく、その心は…」 と2つ3つ、かまして客席をドン引きさせた後、何事もなかったか のように「それでは我らがサブちゃん、宜しくお願いしま~す」と 上手にハケていった司会者。 面白すぎる…。 しかし、その後、彼は二度と再びトークで現れることはなかった! 彼は果たして必要だったのか?
でもって今回のラスト、クライマックスの2曲で「やっぱりサブちゃん最高!」と思ってしまいますドライアイスの海をローリングする北島丸の船上で漁師姿のサブちゃんが熱唱する【北の漁場】! 今回は背景の映像の荒海も迫力満点で、ここ数年で私的には一番ナイス☆
それから【祭】になだれ込み~!! TAOの太鼓も大迫力。 今回のセットはまるで“香港のアバディーン”のよう…そこに巨大な赤提灯が登場し、サブちゃんがその上で熱唱! 「祭だ、祭だ」というリズムに合わせて、客席に飾ってある博多座の赤提灯も一緒にフラッシュするのもイカしてる♪ 1番が終わったところで、巨大提灯が半回転ししたかと思うとパカッと開いて、電飾獅子舞が登場。 さすがサブちゃん!舞台も客席も最高潮に達した終宴でした。
来年5月も博多座での公演が決まっているサブちゃん。 人気です!