博多座【2003年公演】観劇記録

博多座での歌舞伎公演に関しては開場当初から、観劇記録を自分のサーバ内に残していたものの、その他の公演記録は、外部の無料WEB日記帳にUPしていたものだから…ある日突然予告も無しにドロン! 突然サービスが利用不可となり、データを救済する手立てもなく消えてしまい呆然自失!(ここでバックアッブの重要性を学ぶ。 分かっちゃいたけどさぁ…)
…という事で、記憶を辿った【博多座2003年公演】観劇記録。
2、6月の歌舞伎・舞踏公演と5月【新・三国志III】は観劇レポート個別記事にUP済み。

1月・キス・ミー,ケイト

【エリザベート】でご夫婦役のお二人が、コメディで再びご夫婦役(離婚直後)!という興味で観劇。 劇中劇【じゃじゃ馬ならし】はお得感があり、【So In Love】等、有名なあの曲はこの作品なんだ!という驚きがあるものの、今ひとつ作品の印象が残らず。 伊織さん、ヅカに在籍中のジェンヌさんが、外部の舞台に出演って珍しいですよね? 赤坂晃さんの懸垂&逆上がり&腹筋を駆使して手すりで3階まで登る荒技に客席どよめく(さすが光GENJI!) この作品もなかなか再演されませんね…。伊吹吾郎さんと太川陽介さんがギャングって!
一路真輝/鈴木綜馬/沢木順/赤坂晃/伊吹吾郎/春風ひとみ/太川陽介/伊織直加(宝塚歌劇団)

3月・細雪

テレビで見かける主演クラスの女優さんがズラリご出演でなんとも豪華。 でもって各々がとっかえひっかえ着替える着物の数々もそれはそれは豪華で! TV映像をそのまま生で観てる、って感じ。
佐久間良子/山本陽子/沢口靖子/南野陽子

道頓堀ものがたり

待ちに待った藤山直美さん博多座初お目見えです!…という方がすごく多かったようで、客席が大いに賑わって沸きました。 “舞台女優”ってこういう人の事を言うんだろうなぁ、という印象。 W小島にシビれる!
藤山直美/淡島千景/土田早苗/田村亮/松村雄基/長江健次/小島秀哉/小島慶四郎

7月・小林幸子特別公演

12日はサッちゃんの芸能生活40周年を記念しての振る舞い酒があったらしい。 二部【’03華麗なる幸子の世界】は紅白のあの衣装再びで客席どよめく。
小林幸子/田中健/穂積隆信/新田純一

8月・宝塚歌劇宙組公演:鳳凰伝/ザ・ショー・ストッパー

お芝居は、これまたさっぱり記憶に残っておらず…。 伝説化している娘役トップスター・花總まりさんが、レビューでガシガシ踊っている様が印象的だった。
和央ようか/花総まり/大和悠河

9月・放浪記

森光子さんのライフワーク作品が博多座初登場!で、チケット完売…くらいの賑わいだったかと。 観終わった後の気持ちの落ち込みようが激しくてウツ。 なんでこんなに人気作なんだろう?
森光子/樫山文代/米倉斉加年/有森也実/山本学

10月・北島三郎特別公演

サブちゃんの人情芝居は…だけど、やはり二部の【北島三郎大いに唄う】は圧巻。 曲の合間のトークも軽快♪
北島三郎/目黒祐樹/水野久美/大村昆/白木万里/白木みのる

11月・西太后

猿之助さんご夫婦共演! という事で初日開けてすぐに観劇しましたが、猿之助さんが脳梗塞で倒れ、18日より右近さん@恭親王、喜猿さん@光緒帝に変更。 この時は、まさかそんなに深刻な容体とは思わず…悲しい思い出の舞台となってしまいました。 後半の観劇ではその代役バージョンを拝見。 藤間紫さんの舞台を初めて拝見。 存在感がスゴイ!
藤間紫/市川猿之助/金田龍之介/小島慶四郎/澤瀉屋一門

12月・市民檜舞台の月【金子みすゞ物語】

“博多座オリジナル”として2001年19〜20日に初演し、今年再演。 私は今回が初観劇でしたが、豪華出演陣をズラリ揃えた【ロミオとジュリエット2001】より、ずっと良かった!
中尾裕子

平成中村座歌舞伎公演・昼の部【平成中村座】

昨年の大阪・扇公園での平成中村座の感動を期待して、二度目の平成中村座、行って参りました! 今年は歌舞伎発祥四百年という記念の年、の上、江戸開府四百年。ということで今回は浅草一帯が テーマパークのようになっていて 平成中村座も境内の一角に建つという嬉しい趣向。 前公演ほど、役者衆が客席や小屋周辺にこしらえで出没する趣向やおふざけ(語弊が あったらご容赦、あえてそう言う)はなかったけど、やっぱり中村座の雰囲気はなん だかワクワクさせられる♪
翌日の千穐楽は小屋の裏手から岩藤浮遊の舞台裏を目撃!

加賀見山再岩藤

勘九郎さん望月弾正、鳥井又助、奥方梅の方、岩藤の亡霊…と四役を兼ねる。 加賀見山再岩藤って私自身は、猿之助さんのしか拝見した事がなかったので、串田さんの演出も含め、ことのほか楽しみに観劇。 会場に足を踏み入れると薄暗く、舞台や花道の上には動物の屍がゴロゴロと置いてあり、すでに不気味な雰囲気をかもし出していて、舞台が始まる前のワクワク感が いっそう高まった。 他の演出の中でもガラス…というか、鏡をつい立に使っての巧みな早替りの演出は面白かった。
見どころのひとつ桜満開の岩藤の亡霊の空中散歩【花の山の場】。 遠見のお子様も愛らしく下手から 上手へ…そして勘九郎さんが花道七三で振り返るとパッと華やぎ、自分の企てにウットリしながら自信満々の花道引っ込みの表情がすごく印象に残った。

浅野川々中船中の場では、舞台上設けられたプールでクロールを披露する勘九郎@又助さん。 大奮闘に客席は大喝采。 クロールって…あの時代、日本でもメジャーな泳法だった のね♪

多賀家奥殿草履打の場。 草履打ち、最大の侮辱行為だけに打つ方も、打たれる方も気迫のこもった真剣勝負の場なので、いつも気が付けば手を力いっぱい握り拳で観ているなぁ。

鳥井又助切腹の場今回の志賀市は清水大希くん。 全然知らなかったので、ビックリ嬉しい♪ 志賀市といえば琴を弾きながら歌うという難役。 それをあんなに小さかった大希くんが演じるだなんて~(親戚のおばちゃん状態)花道での苛められながらの出、もうそれだけでウルウルしてしまった。 志賀市の『妹背川』、案の定ボロボロ泣いてしまった。 公演パンフレットにも勘九 郎さんの大希くんに対するベタ褒めのコメントが載っていて、なんだか感動してしまった。
扇雀さん@花房求女。 私、今まで 今イチ扇雀さんの立役って馴染めなかったんだけど、今回、スコーンと私の中ではハマりました! 声、姿とも品良く美しかった。 今の今まで、七之助さん@おつゆと固めの杯を交わしたというのに、勘違いから態度 を豹変させるところは、「きちんと確かめろよなぁ…」と毎度の事ながら呆れながら 腹立たしい求女という男ぶりがよく出ていたと思う。
主人のために良かれと思ってした事が裏目に出てしまう哀しい男、又助。  勘九郎さんの四役の中でやはり一番ハマっていたと思う。ラストは舞台奥が開いて、クレーンに乗った岩藤の亡霊が客席上を浮遊。 まさに串田演出、という感じで あろうが「やっぱりね…」と「もっともっと」とソレ以上を望むものだなぁ…と演じる側にはちょっと残酷な気がした。

平成中村座歌舞伎公演・夜の部【平成中村座】

今回は1泊2日の遠征で、観劇予定を2日に分けていたけれど…チケットが取れず、昼&夜の通し。 夜はさすがに冷えて、貸出の毛布を借りて、腰~足をにしっかり巻き付けて観劇しました♪ 終演後は恒例の振舞い酒をいただき「来年、またこの小屋に来るわよ~」と誓って、 小屋を後にしました。

弁天娘女男白浪

個人的には七之助さん@弁天小僧菊之助は、線が細すぎてなんだかちょっと痛々し かった。 これは全く個人的な感想なのでご容赦。 お嬢様ぶりは小さな小屋で間近で見ても、と~っても美しく、綺麗♪

稲瀬川勢揃いの場

では、各々花道入って最 初のキメ!では花横のお席だった私の真横で五人が、私の為に見得を切ってくれたようで舞い上がってしまいました~。
何度観ても台詞回しの心地良さと歌舞伎の様式美にウットリ。 小屋が 小さい分間近で迫ってくる迫力が今までよりもあって、良かった…ホント、良かっ た~。

本朝廿四考・奥庭狐火の場

改めて、文字にしようと舞台を思い出してみると…あれ?思い出せない。 子役が演 じる小狐ちゃんがエラく可愛かった印象はあっても、福助さん@八重垣姫は…。

人情噺文七元結

坂東新悟くん@お久。 私は今回が舞台での新悟くんを初めて観たけど…変声らしく、声がヒドク聞きづらく不快。 弥十郎さんに似て、背が思いっきり高くなりそうな感じだから、もしからしたら今回は貴重な女形を見れたのかもしれない。 勘九郎さん@左官長兵衛が、七之助さん@文七の自殺を止める場面。 客席から度々笑 いも起こるけど、やっぱり胸にジーンと来るシーンだ。 「死んじゃいけねぇよ。死 ぬんじゃないぞぉ~」と、走りながらの花道の引っ込み。 文七が渡されたものが本 当のお金だと判って「親方ぁ~っ!」と絶叫するシーンはウルウル来てしまった。 そしてそして、今回特質すべきは扇雀さん@女房お兼! 今までは、どちらかというと、オロオロした気弱なお兼像しか観た事がなかった私。 ヒステリックにギャンギャンと騒ぎたてるお兼に衝撃、そして初めて観た“汚いおばちゃん役”の扇雀さんにまたまた衝撃。 上手いっ! 昼・夜の部を通して、今回は扇雀さんの新しい一面が観れた、芸域の幅を観れた舞台 だったなぁ…と思った。

阿修羅城の瞳【松竹座】

初演の時のビデオを観て思っていた事。 「これは…生の舞台で観たらもっとオモシロかったんだろうなぁ」 で、再演の話しを聞いて「おっ♪」 キャストを聞いて「遠征決定!」
計らずも阪神タイガース、18年ぶりのリーグ優勝までマジック2となって盛り上がる大阪松竹座に行って参りました(劇場はアノ戎橋がすぐ近く。恐ろしいまでの人口密度!)

染五郎さんが劇団・新感線☆に客演した今回の【阿修羅城の瞳】といい【アテルイ】といい…何が好きかっていうと、スチール写真のアートディレクション! モデルや写真も…もちろんイイんでしょうけど、あのデザインが大好き♪ クリエイター魂が刺激されるポスターや豪華パンフレット。 デザイン構成もシビれます。 豪華すぎて重たいので、予定がなかったけど“写真集付きパンフレット”買っちゃいました~。

はじめに…ご覧になった事のナイ方の為にストーリーを…となるとメチャ長くなるので、割愛させていただきます。

さて、感想は…と言いますと、「天海祐希さん@闇のつばきの、見るものを威圧するほどの美しさ」「橋本じゅんさん@祓刀斉の“いいんじゃない?”」「右近健一さんの@呼鉄の丸まっちぃラブリーさ」が私的“◎”な部分。

伊原剛さん@安部邪空は“デッカイ”という部分での存在感はあるけど、真面目すぎるのか?硬いのか?今イチ印象が薄い」「夏木マリさん@美惨は“うるさい”。 あそこまで美惨が表立って目立つ必要がある役ではナイ気がする」というのが私的“?”な部分でした。

江戸の町に出没する“鬼ども”。 顔の造りはちょっと“恐竜チック”だけど、暗い照明に無数の赤い目が光り不気味さを醸し出していて面白かった。 私は記憶にナイけれど、前回とこの顔の造りは変わっているそうです。
通して、一番グッときたのは…実はオープンニング。 布が舞台中央まであがって、そこに炎と瞳の映像が写し出され【阿修羅城の瞳】というタイトル。 メラメラと炎で焼け落ちる…ような映像とともにそのタイトルが弾ける…といった演出で相当グッときた。 「これ…“いいんじゃない?”」

大阪を去る15日夜、タイガース優勝決定。 おめでとうございました!

六月大歌舞伎・夜の部【博多座】

西郷とお玉

初めて観る演目でした。 富十郎さん@お玉、コロコロっとしている体型に役の持つ人柄の良さが重なってとっても可愛い♪ 吉右衛門さん@西郷を一途に想い慕う気持ちが、あふれていてニッコリ&ホロリです(T-T) お話自体は決して明るくないけれど、ちょっとしたセリフ回しや間で笑わせる富十郎さん。 心の内を吐露する長いセリフで一気に気持ちを持っていかれました!!! ラスト舞台中央で西郷を見送る顔が脳裏に焼き付きました! 吉右衛門さん@西郷どん。 無骨で無口なお役なので…と思っていたら、お玉に心情を告白して大泣きするくだりに。゜゜(´□`。)°゜。 “ももひき”をはいて無骨な大男のこしらえでもカッコイイ吉右衛門さんでございました。 このお二人のセリフの掛け合いのシーン、もう大満足です!
ひとつ疑問。 鹿児島の人も「しぇんしぇい(=先生)」と言うんですか? 歌昇さん@中村半次郎がさかんに口にしていたので…。 博多の年配の人だけかと思ってた!
富十郎(仲居お玉)/彦三郎(大久保市助)/歌昇(中村半次郎)/亀蔵(同心新蔵)/亀寿(同心兵馬)/松也(舞妓雛勇)/團蔵(従者右源太)/家橘(従者左源太)/吉之丞(仲居頭おふく)/芝雀(芸妓岸野)/吉右衛門( 西郷吉之助)

口上

とってもオーソドックスな…真面目な口上でした(私は1回しか観てませんが)。 吉右衛門さんの「昼の部の七段目では、松緑さん、菊之助さん、そして私という“若手3人”で頑張っております」というコメントにニッコリ♪ 女形のこしらえが芝雀さんのみ、という事ですっごく目立っていたので個人的には嬉しかったです(^o^)v
辰之助改め松緑 幹部俳優出演

土蜘

うぉぉぉぉぉっ! 望月朴清さんカッコイイ~っo(≧▽≦)b 多分、博多座においでになるのは久し振りなのでは…と、 鼓の音にウットリと、舞台の進行を観ていると…楽しみでならなかった博多座初お目見え“あっきー”こと石川聡彦くん@音若い・太刀持菊五郎さん@源頼光朝臣に従って登場! 「りりしい…」・:*:・( ̄∀ ̄ )。・:*:・ もう親戚のオバさん気分。 菊之助さん@侍女胡蝶の花道からの登場は…あまりの美しさに客席がホント、大袈裟じゃなくどよめきました! 舞台中央にすすんで正面を向いた時の拍手の大きさと言ったら!ウットリと口を半開きのまま舞を観ている人、多かったハズ。 松緑さん@比叡山の僧は、花道の引込みが素晴らしく、土蜘の精では、以前にも増して迫力が! 見得を切る時の眼光の鋭さは客席を威圧するかのような気迫に溢れてて、押されました♪
松緑(叡山の僧智籌実は土蜘の精)/菊之助(侍女胡蝶)/團蔵(番卒太郎)/松助(番卒藤内)/秀調(番卒次郎)/松也(碓井靱負之丞貞光)/亀寿(坂田主馬之丞公時)/亀蔵(渡辺源氏綱)/萬次郎(巫女榊)/彦三郎(平井左衛門尉保昌)/菊五郎(源頼光朝臣)

らくだ

團十郎さんは紙屑買久六って今回が初役だそうで、その記念すべき?舞台を拝見できてラッキー♪
團蔵さん@駱駝の馬太郎が絶品なのは言わずもがな…ですが、馬太郎に合わ飛び跳ねる富十郎さんの身のこなし、足取りの軽やかさに驚嘆!(*o*) 夏には大ちゃんの弟か妹が生まれるとあって、元気、元気! お大元気!…と、これは劇中もネタにされてました。 そして…團十郎さん@久六。  先月、歌舞伎座にて…「暫く~、暫く~」と言ってた…あのデッケェ人と同じ人か?!と思うほどの、なんともまぁ気弱で朴訥した男風情。 お目めパッチリでちょっと内股ぎみなのがなんとも、なんとも…♪ お酒を飲む際に「頂戴いたします」といちいち断るところも…とにかく全てがスーパー・ラブリ~♪ 松助さん@家主家橘さん@その女房の…いやらしい夫婦ぶりも、なんともツボにハマりました。 とにかく笑った、笑った(^o^)v
團十郎(紙屑買久六)/團蔵(駱駝の馬太郎)/松助(家主佐兵衛)/松也(半次妹おやす)/右之助(糊売婆おぎん)/家橘(家主女房おいく)/富十郎(遊人手斧目半次)